膵分泌性トリプシンインヒビター, PSTI (pancreatic secretory trypsin inhibitor)
試薬販売中止のため(平成24年3月30日まで)
測定方法 : RIA法(2抗体法)
外注会社 : BML(平成15年3月31日まで大塚RIA法(ビーズ固相法))
基準範囲 : 20.0 ng/mL以下
5.9〜22.7 ng/ml(平成17年3月25日まで)
相関 : y=0.994x−1.133 r=0.993 n=52
臨床的意義
PSTI(pancreatic secretory trypsin inhibitor)は分子量6,242のペプチドである。その生理作用は膵内でトリプシノーゲンが活性化されてトリプシンとなる際に、活性を阻害して、膵臓の自己消化を防ぐことにある。血中PSTIの上昇は膵臓からの逸脱や生体への何らかの侵襲が加わったことを示す。健常人の場合、日内変動は認められず、食事、妊娠による影響もないとされている。血中トリプシンの値とは無関係に独立して変動し、侵襲、炎症マーカーとしての性格を帯びている。PSTIは最近まで膵のみに存在すると考えられていたが、現在では膵臓の他、各種正常細胞にも存在することが分かってきた。また重症膵炎、膵癌や各種悪性腫瘍で高値をとり、感染やDICを伴う症例では顕著となる。なお、腎不全でも高率に上昇をみるため、データ解釈には腎不全の有無を勘案せねばならない。
異常値を示す疾患
高値疾患: 急性膵炎・慢性膵炎・悪性腫瘍・炎症性疾患
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管
関連項目