尿酸, UA (uric acid )


臨床的意義
 尿酸(UA)は,プリン体の最終代謝産物で,腎糸球体から濾過され,ほとんどが尿細管で再吸収されるが,一部は再び尿細管中に分泌されて尿中に排泄される。体内尿酸が過剰な状態では,関節滑膜や腎尿細管に尿酸ナトリウム結晶が形成され沈着するため,痛風,関節炎,痛風腎を発症する。尿酸値の測定はプリン体代謝異常や腎機能障害の診断に有用な検査である。

異常値を示す疾患
高値: 特発性高尿酸血症 ・HGPRT欠乏症 ・APRT欠乏症 ・腎実質障害 ・Bartter症候群 ・筋原性高尿酸血症 

低値: 
特発性低尿酸血症 ・キサンチン尿症 ・PNP欠損症 ・Wilson病 ・Fanconi症候群 

測定方法: 酵素法

測定機器: 日本電子BM8040(血清)(平成26年3月24日より)
        日本電子BM6050(尿)

        日本電子BM2250(血清)(平成18年7月18日より平成26年3月20日まで)
        日本電子BM1650(尿)

        日立7350自動分析装置(血清)(平成18年7月14日まで)        
        日立7070自動分析装置(尿)

測定試薬:  シノテスト(平成18年7月18日より)
                        
協和メディクス(平成18年7月14日まで)

相関
血清
平成18年7月18日
X=旧機器、旧試薬
Y=新機器、新試薬
Y=1.01X+0.07 r=0.999  n=200

尿
平成18年7月18日
X=旧機器、旧試薬
Y=新機器、新試薬
Y=1.11X+1.79 r=0.999  n=200


基準範囲(酵素法)

    男:3.7〜7.8 mg/dL、女:2.6〜5.5 mg/dL(平成27年7月1日より共用基準範囲へ変更)
   
    男:3.5〜7.0 mg/dL、女:2.5〜7.0 mg/dL(岡山県医師会制定:平成16年4月より平成27年6月まで)

血清 尿
男性 3.9〜6.9 mg/dL 0.25〜1.0 g/day
女性 2.4〜5.7 mg/dL

*平成12年4月1日より男性上限をプリンピリミジン代謝学会基準に変更、以前の基準範囲は統計結果による。

3.9〜8.3 mg/dL(男),2.4〜5.7 mg/dL(女) 平成6年9月より平成12年3月 Y=0.970X+0.009 (X:従来法)
3.9〜8.3 mg/dL(男女) 平成6年8月まで

プリンピリミジン代謝学会総会コンセンサス・カンファレンスで下記の高尿酸血症の定義および薬物治療のガイドラインが勧告されている。  

1) 血清中の尿酸塩の溶解度は7.0mg/dL前後であるため、高尿酸血症 は性、年齢を問わず7.0mg/dL以上とすべきである。

2) 薬物療法による尿酸降下療法の開始は8mg/dL以上から。

3) コントロール目標は6mg/dL以下             
             
小児の基準値
 
生後1〜3日ではかなり高い値をとり、5、6日で2mg/dLに減少した後成人になるまで徐々に増加する。

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

尿素窒素(UN)
アミノ酸検査
クレアチニン(CRTN)
クレアチン

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