国立大学法人 岡山大学

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宮地孝明研究教授(自然生命研究支援センター)がAMED「令和6年度慢性の痛み解明研究事業」に採択

2024年07月19日

 本学自然生命科学研究支援センター ゲノム・プロテオーム解析部門の宮地孝明研究教授が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和6年度「慢性の痛み解明研究事業」に採択され、5月24日にAMEDのホームページに掲載されました。
 本事業は、原因不明、または痛みの要因は明らかであるにも関わらず治療に抵抗性があるような慢性の痛みを対象とし、慢性の痛みの病態や発生機序の解明や客観的・定量的な評価法、効果的な治療法の確立などに向けた研究を行うことで、患者の生活の質(QOL)の向上、支援に資することを目標としています。
 宮地研究教授は「痛みの慢性化の機序解明と予防法の開発に関する研究」の公募区分において、「プリン作動性化学伝達の出力装置を標的とした神経障害性疼痛の発症・慢性化メカニズムの解明と予防基盤の確立」という研究開発課題名のもと申請し、7件の中から採択された1件に選ばれ、令和6~8年度までの3年間、研究開発代表者(チームリーダー)として研究チームを率いることになりました。
 今回の採択を受けて宮地研究教授は、「神経障害性疼痛は多くの罹患者がいるにもかかわらず、副作用が少なく、有効な予防法や治療薬はありません。私たちはAMED-PRIME(脂質領域)にて、プリン作動性化学伝達の出力を司る小胞型ヌクレオチドトランスポーター(VNUT)は神経障害性疼痛の発症や慢性化に関与しており、魚油等に豊富に含まれるオメガ3系多価不飽和脂肪酸のエイコサペンタエン酸(EPA)がVNUTを標的に神経障害性疼痛を改善することを明らかにしました。興味深いことに、この効果は既存薬よりも強力であり、副作用も少ないものでした。本研究課題ではこの研究成果を発展させて、岡山大学病院薬剤部の座間味義人教授、濱野裕章講師と連携して、VNUTを標的に神経障害性疼痛を発症・慢性化させる分子メカニズムを解明し、EPAを基軸とした栄養学的な予防・治療法の基盤を確立することを目指します。ご協力いただいた多くの方々に深くお礼申し上げます」とコメント。3年間の研究活動に意欲を見せました。
 本学では研究分野における「最重点研究分野」を定めており、そのひとつにヘルスケア分野があります。また本学が採択を受けている文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(実施主体:日本学術振興会)でも社会変革を起こし、ヘルスケアを含めたウェルビーイングの向上等を戦略的に進めています。さらに宮地研究教授は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「創発的研究支援事業」にも採択されており、本学の最重点研究分野を精力的に牽引する秀逸な若手研究者を代表するひとりです。どうぞ宮地研究教授と地域中核・特色ある研究大学:岡山大学の取り組みにご期待ください。


【本件問い合わせ先】
岡山大学自然生命科学研究支援センター
ゲノム・プロテオーム解析部門
研究教授 宮地孝明
E-mail:miyaji-t◎okayama-u.ac.jp
    ※◎を@に置き換えてください
岡山大学薬学部/大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)膜輸送分子生物学研究室HP

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