国立大学法人 岡山大学

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メタマテリアルで透明マントを作る 第4回ナノファンクショナルマテリアルセミナーを開催

2015年08月25日

 機能性ナノ材料の最先端研究や、広範囲な異分野融合から革新的な新技術創出などに取り組む本学大学院自然科学研究科(工学系)石川篤助教らは8月18日、「第4回ナノファンクショナルマテリアルセミナー」を本学津島キャンパスで開催しました。
 本学の卒業生でもある山口大学大学院理工学研究科の真田篤志教授を講師に招聘。真田教授は「変換電磁気学と透明マント」と題して、人工構造物質メタマテリアルを用いた透明マントの作り方について講演しました。
 アインシュタインの一般相対性理論によると、惑星やブラックホールなどの周辺の空間は、大きな質量の影響を受けて歪むことがわかっています。通常まっすぐに進む光でも、空間の歪みに沿って曲がりながら進むことが知られ、重力レンズ効果として実際に観測もされています。真田教授は、光を曲げる空間の歪みについて、空間を満たす物質の電磁気学的特性に置き換えることで、光の振る舞いを記述するマックスウェルの方程式が任意の歪みに対して保存されることを紹介。変換電磁気学を応用することで、物体を見えなくする透明マントや全く別のものに見せかけるイリュージョンマントの実現について触れたほか、メタマテリアルを用いた実装方法など、幅広い視点から変換電磁気学を用いた新しい電磁波制御技術について解説しました。
 講演後の質疑応答では、参加した教員、学生、企業などの関係者らとともに、熱心な議論を繰り広げました。
 本学は、平成25年8月に文部科学省が日本のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」としての高い研究力を有しています。同セミナーで得られた知見や人的ネットワークを最大限に利活用して、社会を革新する研究開発や学術の基幹を築いていく予定です。
 なお同セミナーは、本学異分野融合研究育成支援事業の支援によって開催されました。

<過去の開催>
ナノファンクショナルマテリアルシンポジウム(2015.05.13)
第1回ナノファンクショナルマテリアルセミナー「超解像光学顕微鏡の進展」(2015.04.15)
第2回ナノファンクショナルマテリアルセミナー「対称性が破れたメタマテリアルで光を操る」(2015.06.10)
第3回ナノファンクショナルマテリアルセミナー「金属ナノ構造で有機太陽電池を高効率に」(2015.07.08)

【本件問い合わせ先】
大学院自然科学研究科(工学系)助教 石川篤
TEL:086-251-8140

(15.08.25)


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