国立大学法人 岡山大学

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助産師の「再チャレンジ」を支援して20年最後の「『妊娠中からの母子支援』即戦力育成プログラム」

2025年11月26日

◆発表のポイント

  • 助産師の活躍する現場では、産後うつや虐待への対応、妊娠しない不妊症や流死産を繰り返す不育症のメンタルケアの実践など、妊産婦への対応は複雑化しています。また、学校で外部講師として行う性教育では「妊孕性啓発」「望まない(予期しない)妊娠」「デートDV」「性の多様性」など、多岐にわたる新しいテーマを求められています。
  • 全国に先駆けて、2006年度から開講された岡山大学の助産師向けのリカレント教育プログラム「『妊娠中からの母子支援』即戦力育成プログラム」も20年。全国の現役、あるいは、休職中の助産師の「再チャレンジ」を支援しています。
  • 20年間で400人以上の修了者を輩出し、修了者は全国各地の医療施設はもちろん、行政、地域、学校など各分野で活躍中です。20年の節目となる2026年度でファーストシーズンを終了し、新たなステップを目指します。

 周産期医療を取り巻く環境は年々厳しさを増し、産科医のみではなく種々の職種の連携が求められています。中でも、助産師は、出産時の支援や、妊娠・出産・産後の女性や赤ちゃんのケアだけでなく、思春期の子どもへの健康教育や性教育、更年期や老年期の女性への健康支援など、社会で幅広い役割を担うことが期待されています。しかし、「産後うつや子どもへの虐待の防止」「流死産カップルへの支援」「性の多様性や妊孕性啓発など包括的性教育」など、新たな支援課題が増加し、現場では対応に苦慮しています。
 近年、学校では学ばなかったことを、社会人になっても学ぶことができる学び直し、すなわち「リカレント教育プログラム」が注目されています。岡山大学では、第1次安倍政権時代の「再チャレンジ」施策で採択された『妊娠中からの母子支援』即戦力育成プログラムを2006年度から開講しています。先進的に「産科の最新知識と超音波検査技術・新生児蘇生の知識」や、産後うつや虐待予防に役立つ「新生児・子育て家族への支援」、近年増えてきている「不妊症や流死産女性への支援」、子育て広場でのボランティアや性教育など、幅広い内容を盛り込んだプログラムとなっています。また、プログラムの内容は毎年進化をとげ、「デートDV」「性的同意」「LGBTQ」「SNSでの発信」「プレコンセプションケア」「遺伝カウンセリング」などの新たなテーマを取り入れてきました。
 開講当時から、仕事や家庭と両立しながら受講できるようにe-ラーニングでの学習や休日・夜間を利用した超音波検査技術の演習などを取り入れ、さらに2020年度からは、ZOOMを利用したリアルタイムでのオンラインセミナーも導入し、全国からの受講生を受け入れています。
 20年間で400人以上の修了者を輩出し、修了者は全国各地の医療施設はもちろん、行政、地域、学校など各分野で活躍中です。このプログラムも20年目の節目です。2026年度でファーストシーズンを終了し、新たなステップを目指します。

◆研究者からひとこと

 新しい知識を獲得したい、ステップアップを目指したい、やりがいを持てる各種現場への復帰、就職を考えている方など、リカレント教育プログラム「『妊娠中からの母子支援』即戦力育成プログラム」に興味のある方は、気軽にご連絡ください。
 中塚研究室では、多くの研究者や学生がリプロダクションやジェンダーについて研究しています。
https://www.okayama-u.ac.jp/user/mikiya/ 

岡山大学学術研究院保健学域 教授
岡山大学病院リプロダクションセンター センター長
中塚幹也

<詳しい内容について>
助産師の「再チャレンジ」を支援して20年最後の「『妊娠中からの母子支援』即戦力育成プログラム」

<お問い合わせ>
岡山大学大学院保健学研究科 中塚研究室内
「妊娠中からの母子支援」即戦力育成プログラム事務局 
(TEL・FAX)086-235-6538
(ホームページURL)https://www.okayama-u.ac.jp/user/josan/

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