国立大学法人 岡山大学

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ハーバード大学等アメリカの大学・研究機関に在籍する研究者への対応について

2025年06月02日

 アメリカ・ハーバード大学(Harvard University)をはじめとする同国の大学・研究機関に対するアメリカ政府の対応について、留学生(大学生・大学院生)への対応とともに、在籍中の研究者についても、本学は対応の準備を進めています。
 現時点で決定している本学の対応は、研究戦略や国立大学法人経営等の受け入れ側判断から、下記のとおりです。

① 総額4億円程度の経費を用意します(助教職で55人程度の雇用に相当)
② 厳格な研究IR等に基づく選考により優秀な研究者を対象に受け入れます
③ 本学の研究力・イノベーション創出強化等の点から「岡山大学長期ビジョン2050」「岡山大学最重点研究分野」に大きく貢献することを重視します

 本学は、優秀な研究者を世界中から集めることは、研究大学として重要であると考えています。今回の事態は、本学だけではなくわが国の大学・研究機関等が世界から優秀な研究者を獲得する際の課題等をより明確にできることや、新しい人材獲得の手段を見出す機会になるかもしれません。本学は、わが国のみならず世界の優秀な研究者らを獲得することで、研究力・イノベーション創出強化を図るとともに、受け入れを表明している国内外の大学・研究機関等との連携を進めたいと考えています。
 また、上に記載のとおり厳格な研究IR等に基づく選考を行います。これはハーバード大学等のアメリカの大学・研究機関等に在籍している研究者が、必ずしも本学よりも高い研究能力を有しているとは限らないため、戦略性のない「支援」の実施により、本当に必要としている優秀な研究者の獲得を逸すること、さらには国内外の優秀な日本人研究者にとって不利になることがあってはならないと考えてのことです。そのため、特別扱いをしない、しっかりとした選考を実施します。
 なお留学中の学部生・大学院生への対応については、2025年5月28日に公表したとおりです。
 本学は研究ファーストの大学として、優秀な研究者を世界中から獲得することはもちろんのこと、今回のような事態に対して柔軟かつ迅速に対応できる大学経営のあり方、能力も備えておくべきであると強く考えています。


〇那須保友学長のコメント
 先日公表した留学中の学部生・大学院生への対応に続き、このたび、研究者に対する方針についても整理しました。私は国立大学法人岡山大学を預かる責任者として、不確実なものに左右されることなく、私たちのありたい姿を実現するために共に汗を流し、ワクワクドキドキしてくれる優秀な研究者を招きたいと考えています。また、大学間同士が「支援の張り合い合戦」になり、本当に必要な研究環境の強化や優秀な日本人研究者への対応が後回しになってもいけないと思います。そのため、研究者には、厳格な研究IR等に基づく選考を実施します。
 今回の事態は、極めて難しい財政状態下の国立大学法人等の大学が、世界から優秀な研究者らを招聘する際の課題などもより浮き彫りになったと思います。これは単に資金の面だけでなく、現行の諸規則等にも課題があるかもしれません。国内外の政府・大学・研究機関等はどのような対応をしているのか、したのかという点をしっかり検証し、大学経営に生かすこと、政策提言などを行うことなどが本学だけではなくわが国の科学技術・イノベーション強化等の観点からも重要だと考えます。
 本学は文部科学省の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の採択大学として、研究ファーストの大学として歩みを強めており、4月には人事の基本方針も大きく変えています。今回の事態にもしっかりと対応し、研究大学としての役割を果たしていきます。どうぞ本学のみならず、対応を表明している大学・研究機関等へのご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。


<参考>
・ハーバード大学に留学中の学部生・大学院生への対応について(第1報)〔2025年5月28日〕


【本件問い合わせ先】
岡山大学 総務部 広報課
E-mail:www-adm◎adm.okayama-u.ac.jp
    @を◎に置き換えています。

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