本学は2月27日、本学の強みである医療系分野の研究成果について、革新的な基礎研究や臨床現場、医療産業等に結びつく成果を英語で情報発信するWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」のVol.35を発行しました。
2012年より本学では、研究成果や知的財産活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年4回発行。国際科学雑誌「Science」を扱うAAAS(米国科学振興協会)のメーリングリストを利用し、世界の研究者等にニュースやトピックスを交えて配信し、本学の海外への情報発信を強化と国際的知名度の向上を推進しています。
OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、強みある医療系分野の更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行。
本号では、大学院自然科学研究科(工学系)の佐藤あやの准教授らが発見した、一酸化窒素による酸化ストレスにより、神経変性疾患であるラフォラ病が誘導される研究成果について紹介しています。
佐藤准教授と広島大学の共同研究グループは、これまでラフォラ病は遺伝子の変異によって引き起こされると考えられてきましたが、一部(10%程度)は、遺伝子に変異が見られず、その原因がわかっていませんでした。今回、酸化ストレスにより、神経変性疾患が引き起こされる新たな例であり、酸化ストレスを軽減することが神経変性疾患の予防に重要であることを示しています。今後、更なる研究を進め、神経変性疾患を予防するために、どのようにして酸化ストレスを緩和していくかという課題の解決を進めます。
本学は、平成25年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」の構築のため、強みある分野の国際的な情報発信を力強く推進していきます。また、多様な異分野融合研究から生み出される成果を社会や医療現場が求める革新的技術として、より早く届けられるように研究開発を推進していきます。
なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されています。
Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.35:Potential cause of Lafora disease revealed
<Back Issues:Vol.28~Vol.34>
Vol.28:Viral-based therapy for bone cancer (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)藤原俊義教授)
Vol.29:Photoreactive compound allows protein synthesis control with light (大学院自然科学研究科(工学系)大槻高史教授)
Vol.30:Cancer stem cells’ role in tumor growth revealed (大学院自然科学研究科(工学系)妹尾昌治教授)
Vol.31:Prevention of RNA virus replication (大学院自然科学研究科(工学系)世良貴史教授)
Vol.32:Enzyme target for slowing bladder cancer invasion (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)竹田哲也助教)
Vol.33:Attacking tumors from the inside (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)藤原俊義教授)
Vol.34:Novel mouse model for studying pancreatic cancer (大学院自然科学研究科(工学系)妹尾昌治教授)
<参考>
Okayama University e-Bulletin
【本件問い合わせ先】
広報・情報戦略室
TEL:086-251-7293
E-mail:www-adm@adm.okayama-u.ac.jp
(17.02.28)