国立大学法人 岡山大学

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Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.49 発行

2018年02月16日

 本学は、2月13日、本学の強みである医療系分野の研究成果について、革新的な基礎研究や臨床現場、医療産業等に結びつく成果を英語で全世界に情報発信するWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」のVol.49を発行しました。
 2012年より本学では、研究成果や知的財産活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年3~4回発行。世界の大学・研究機関の研究者やマスコミ関係者等にニュースやトピックスを交えて配信し、本学の海外への情報発信を強化と国際的知名度の向上などを推進しています。
 OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、強みある医療系分野の更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行しています。
 本号では、大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)生体材料学分野の松本卓也教授と原エミリオ助教らの骨ができる新しいメカニズムを発見した研究成果について取り上げています。
 松本教授と原助教らの研究グループが発見したこの新しいメカニズムは、「二次骨化中心」と呼ばれる大腿骨(ヒトで一般的に言う「太ももの骨」)などの関節部分における骨化初期において認められます。この部位における軟骨細胞が肥大化した結果、細胞の一部が破裂し骨形成に必要なスペースができること、この破裂の際に残された細胞膜断片が骨石灰化の開始点になることを世界で初めて見出しました。松本教授と原助教らはさらに、この細胞破裂は歩くことなどによって生じる機械的刺激によって誘引されることも突き止めました。これらの研究成果は、骨の成長に適した環境の理解や新しい骨再生材料の開発につながり、今後の多様な研究展開が期待されます。
 本学は、平成25年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」の構築のため、強みある分野の国際的な情報発信を力強く推進していきます。また、強みある医療系分野から生み出される成果を社会や医療現場が求める革新的技術として、より早く届けられるように研究開発を推進していきます。
 なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されています。

Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.49:Cell membrane as material for bone formation


<Back Issues:Vol.42~Vol.48>
Vol.42:Potential drug for treating chronic pain with few side effects (自然生命科学研究支援センター 宮地孝明准教授)
Vol.43:Potential origin of cancer-associated cells revealed (大学院自然科学研究科(工学系) 妹尾昌治教授)
Vol.44:Protection from plant extracts (中性子医療研究センター 小野俊朗教授)
Vol.45:Link between biological-clock disturbance and brain dysfunction uncovered (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)宝田剛志准教授)
Vol.46:New method for suppressing lung cancer oncogene (大学院自然科学研究科(工学系) 世良貴史教授)
Vol.47:Candidate genes for eye misalignment identified (大学院医歯薬学総合研究科(医学系) 松尾俊彦准教授)
Vol.48:Nanotechnology-based approach to cancer virotherapy (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)藤原俊義教授)


<参考>
Okayama University e-Bulletin://www.okayama-u.ac.jp/user/kouhou/ebulletin/

【本件問い合わせ先】
広報・情報戦略室
TEL:086-251-7293
E-mail:www-adm@adm.okayama-u.ac.jp

(18.02.16)


本号で紹介した研究成果を担当した松本卓也教授と原エミリオ助教(右)
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。
また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています


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