総蛋白, TP (total protein )
臨床的意義
血漿蛋白は血漿中の約8%を占め、多種類の蛋白成分から成り立っており、その総和を総蛋白(TP)という。総蛋白は60%のアルブミンと20%のγグロブリンが大部分を占め、γグロブリンはTPの増減を反映している。総蛋白の増加は、ほとんどが多クローン性および単クローン性のγグロブリンの増加を反映している。一方、総蛋白の減少は、アルブミンの低下によるものが多く、アルブミンはそのほとんどが肝細胞で合成されることから、栄養不良や肝障害による合成の低下、腎疾患・胃腸疾患・滲出性疾患などによる体外への損失などを反映している。 意義としては、慢性消耗性疾患、甲状腺機能亢進症などのタンパク異化亢進が原因の場合、タンパク合成低下、血液濃縮などの際に起こる多くの病態の把握に用いられ、スクリーニング検査および診断の補助に有用である。
測定機器: 日本電子BM8040(平成26年3月24日より
日本電子BM2250(平成18年7月18日より平成26年3月20日まで)
日立7350自動分析装置(平成18年7月14日まで)
測定方法: Biuret法(2試薬系)(平成18年7月18日より)
Biuret法(1試薬系)(平成18年7月14日まで)
測定原理
総蛋白はビウレット試薬と反応し赤紫の錯体となります。この赤紫色の吸光度(700nmと546nmの吸光度差)を測定することにより総蛋白量を求めます。
ビウレット試薬
↓
総蛋白 → 錯体(赤紫色)
測定試薬: カイノス(平成18年7月18日より)
第一化学(平成18年7月14日まで)
基準値: 6.6〜8.1 g/dL (平成27年7月1日より共用基準範囲へ変更)
6.5〜8.0 g/dL (相関:Y=1.046X-0.046 従来法:X)(平成6年9月より平成27年6月まで)
6.1〜8.7 g/dl(平成6年8月まで)
相関
平成18年7月18日
X=旧機器、旧試薬
Y=新機器、新試薬
Y=0.97X+0.07 r=0.997 n=200
小児の基準値
生後1ヶ月から6ヶ月の間に約1g/dl増加し、その後18歳までに約0.7〜0.8g/dl緩やかに増加する。
異常値を示す疾患
高値:脱水症、慢性肝炎、多発性骨髄腫
低値:ネフローゼ症候群、蛋白漏出性胃腸症
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管
関連項目
IEP
蛋白分画
ナトリウム(Na)
カリウム(K)
クロール(Cl)
カルシウム(Ca)