岡山大学 法学部

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第5回岡山弁護士会・岡山大学法学部共催 ジュニア・ロースクール岡山 報告

第5回ジュニア・ロースクール岡山開催について(報告)

行事の概要

1 主 催 岡山弁護士会・岡山大学法学部 共催
2 後 援 岡山県教育委員会・岡山市教育委員会・倉敷市教育委員会
3 日時・場所
第1限 弁護士や裁判官・検察官の仕事をみてみよう
平成21年12月18日(金)15時00分~17時00分
岡山弁護士会館 2階大会議室
第2限 刑事模擬裁判
第3限 消費者問題の予防と解決を法的に考えよう
平成21年12月19日(土)13時00分~17時00分
岡山大学文化科学系総合研究棟2階共同研究室

開催結果の概要

中・高校生の参加者は、次のとおりでした。
12月18日 中学生18人、高校生6人、計24人
12月19日 中学生16人、高校生16人、計32人

【第1限 弁護士や裁判官・検察官の仕事をみてみよう】

12月18日の第1限では、参加者に岡山弁護士会館に集まってもらい、裁判所、検察庁を順番に見学しました。

その際、裁判所での法廷見学のときには裁判官から、検察庁での庁舎見学のときには検察官から、弁護士会館では弁護士から、それぞれの仕事に関する講話を聞き、参加者からの質問に答えてもらいました。

【第2限 「福岡市飲酒運転3児死亡事故」地裁判決と高裁判決の検討】

12月19日の第2限は、当初刑事模擬裁判を予定していたのを変更して、「福岡市飲酒運転3児死亡事故・地裁判決と高裁判決の検討」を行いました。平成18年8月に起こった福岡市飲酒運転3児死亡事故を取り上げ、中学校の公民の教科書や高校の「現代社会」、「政治・経済」の教科書にある、司法について(民事裁判と刑事裁判の違いと両者の関係、刑事裁判の原則である「罪刑法定主義」と「疑わしきは被告人の利益に」、三審制、弁護人の役割)の学習をしました。

実際の裁判においては、事故を起こした被告人に対し、福岡地裁平成20年1月8日判決では、危険運転致死傷罪の成立を認めず、業務上過失致死傷罪と道路交通法違反(酒気帯び運転及び救護・報告義務違反(ひき逃げ))で懲役7年6月としました。しかし、控訴審の福岡高裁平成21年5月15日判決では、危険運転致死傷罪の成立を認め、懲役20年としました。

これについて、最高裁のホームページから取得できる福岡地裁・福岡高裁の判決文と、これらの判決に関する新聞記事をもとに、なぜ福岡地裁と福岡高裁とでこのように異なった判決になったかを、弁護士と岡山大学教授・准教授・学生の指導のもとに検証し、中学生と高校生の皆が、自分の言葉で考えをまとめ、発表しました。

【第3限 消費者問題の予防と解決を法的に考えよう】

12月19日の第3限では、子どもが父親に無断で父親のクレジットカードを使ってインターネットの有料サイトを利用した場合の代金支払いの問題を取り上げました。インターネットの有料サイト利用に関する契約及びクレジットカードの契約が、それぞれ誰と誰の間でどのように結ばれたかを確認しました。そして、クレジットカードの会員規約の中の「第三者がカードを使用した場合のカード会社の補償」に関する規定からみて、父親に代金支払い義務があるかどうかについて考えました。

12月19日の第2限及び第3限では、5人程度のグループに分かれて意見を出し合い考えました。各グループには、法学部学生及び大学院教育学研究科学生(計8名)が助言者として参加しました。