言語聴覚(士)について

言語聴覚療法とは

子どもからお年寄りまで、病気や外傷、発達のためにおきる、高次脳機能、ことば、発音や発声、きこえ、飲み込みの障害に対し、リハビリテーションを行います。

本院の言語聴覚士

総合リハビリテーション部門:4名
耳鼻咽喉科:2名

対象となる方

高次脳機能障害:

記憶障害、注意障害、遂行機能障害などの認知障害を主たる原因として、日常生活及び社会生活への適応が難しい方など。

失語症:

脳の損傷により、聞く・話す・読む・書く機能へ障害が生じた方など。

構音障害:

脳の病気や、舌癌や口蓋裂等の手術の後などに呂律が回りにくく発音に障害がある方。またお子様の発達段階できれいな発音が獲得できていない児など。

音声障害:

喉頭癌などで喉頭全摘出を有する方。声帯の病気できれいな発声ができない方など。

聴覚障害:

人工内耳の手術等を有する方、その他聴力検査などを必要とされる方など。

摂食嚥下障害:

食べ物が口から食道へ運ばれる中(いわゆる飲み込み)で、問題を生じた方。

言語発達遅滞:

発達段階で言葉の獲得に遅れのある方、読み書きができない方など。

内容

前述した対象の方に対して、個々の障害の評価を行い、重症度やメカニズムを明らかにし、各個人にあった目標、訓練や支援方法を決定します。そして患者様やご家族様への説明を行った後に訓練や助言等を開始していきます。

本院の特色

悪性腫瘍に対する取り組み

脳腫瘍:

切除術の術前術後で神経心理学的評価を行い、必要とあれば術後訓練を実施しています。また化学療法や放射線療法の際も定期的に評価を行っています。リンパ腫の方などは長期的なフォローアップも行っています。
また脳の言語を司る部分の近くに腫瘍ができると、言語機能を最大限に温存、かつ最大限に腫瘍を切除できることを目的に、手術中に覚醒して言語野マッピングを行う手法も脳外科とともに行っています。

頭頚部腫瘍:

喉頭全摘出を必要とされる方は、術前からオリエンテーションを行い、術後の状態の説明や代用音声についてお話しします。術後は代用音声の練習等を行っています。特に、本院ではボイスプロテーゼの留置を積極的に行っており、外来訓練も行っています。

神経変性疾患に対する取り組み

初期に鑑別困難な進行性核上性麻痺や大脳基底核皮質変性症、前頭側頭葉変性症などの疑いがある患者様に対し、神経内科にて検査入院をされる際に合わせて神経心理学的評価も行い、今後の生活への助言等も行っています。