Department of Neurology, Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences, Okayama University

当科の魅力

  1. 岡山大学脳神経内科での後期臨床研修
  2. 岡山大学ARTプログラムを利用した博士号取得
  3. 大学院生として臨床と研究を両立
  4. 脳神経内科で修士・博士課程を修了し研究者に
  5. 脳神経内科医を目指す人たちへ
  6. 大学院卒業後に海外留学
  7. 仕事と家庭の両立

岡山大学脳神経内科での後期研修
後期研修医 松岡千加

現在後期レジデント3年目で岡山大学病院の内科プログラムで研修中です。後期レジデント1年目の時に大学研修を行い、初歩的な脳神経所見の取り方や様々な疾患について総合的に学びました。水曜日のカンファレンス前に患者さんの病歴・身体所見などをまとめ、治療方針や今後の環境調整などを話合います。入院患者さんへの検査などは自身で行う検査が多く、様々な手技を経験可能です。

病棟医としては上級医がついた上で一緒に相談しながら患者さんの診療を行いますが、主治医として積極的に診療方針を決定していくことがほとんどであり、足りていない点を指導医の先生からアドバイスをいただける環境で研修していました。また外来をする機会もあり、初診で緊急性の高い疾患を対応することや、薬剤調整を行うなど病棟だけでは経験できないことも学ぶ機会が多いです。

内科研修にあたり内科専門医症例など懸念もありましたが、他科から併診依頼で加療にあたる症例も多く、最終的に1年研修してみて足りていない分野はなく脳神経内科はgeneralな要素を求められる科だと思います。

後期研修1年目としては、脳神経系の慢性期疾患から急性期疾患、さらには非常に稀な症例も全体的に濃く経験できる期間でした。

当科はたくさんの症例を経験しながら成長できる環境です。

ぜひとも一緒に神経内科で頑張りましょう!!

岡山大学ARTプログラムを利用した博士号取得
後期研修医 平祐貴

ARTは、初期研修をしつつ大学院の講義・実験に参加し、最短4年で博士号取得が可能な、岡大の修練プログラムです。

私は元々研究がしたかった為、ARTのある岡大を研修先として選び、博士号を取得しました。様々な方に有用なプログラムと感じており、以下にメリットを述べます。

  1. 臨床/研究で、進路を迷っている方。
    実際に臨床実務と研究を体験した後に、自分に合う進路を選べます。
  2. 研究志望の方
    初期研修を終えれば、一定の経済的安定が得られます。また、初期研修から研究実績を積めます。
  3. 臨床と研究を両立させたい方:臨床と研究の相乗効果
    特に神経内科領域には、治らない病気が多いです。若い方にALSの告知をする度、無力さに胸が痛みます。疲れ果てた認知症の患者家族をみる度、「根治療法があれば」と思います。臨床で上がったモチベーションを新規治療の研究開発にぶつける、サイクルを回せます。

また、神経内科では高レベルな研究指導を頂くことができ、個人的はそのお陰で卒業できたと思っています。更に留学生が多く、ディスカッション等を通じて英語力もつきます。

研究と臨床の同時進行は、体力的・精神的に厳しいですが、それ以上のメリットは確実です。ご質問などあれば、是非お問い合わせ下さい。

大学院生として研究と臨床を両立
医員 田所功

私は岡山大学脳神経内科に入局し、1年間大学病院の病棟医として臨床トレーニングを積んだ後、大学院に入学しました。大学院の4年間ではALSや脳梗塞の病態に迫る基礎研究に取り組み、さらに認知症の新規診断法や治療法の開発に関する臨床研究も行いました。大学院入学まで研究とは無縁の人生を送ってきましたが、世界をリードする優秀な指導医の的確かつ手厚い指導を受け、同僚たちと切磋琢磨することで、研究成果を多数の英語論文として世に出すことができました。臨床医学は多くの基礎研究・臨床研究の成果の元に成り立っており、自分自身で研究を行うことは研究者としてだけではなく、臨床医としての自分をも成長させてくれると思います。

さらに、大学院時代は研究が中心ですが、限られた時間の中でも大学病院の外来や関連病院で臨床業務に従事し、臨床能力を磨く機会を与えていただきました。困ったときには臨床・研究いずれにも経験豊富な指導医・上級医から助言を得ることができます。こうした環境の中で日々取り組むことで、卒後8年目までに学位と日本神経学会専門医資格を取得することができました。よい医師を目指すにはとてもよい環境だと思います。ぜひ一緒に頑張りましょう。

岡山大学脳神経内科で修士・博士課程を修了し研究者に
助教 福井裕介

私は修士課程、博士課程の5年間を脳神経内科学で過ごし、学位取得後、国立長寿医療研究センターと四国こどもとおとなの医療センターでのポスドクを経て2021年より脳神経内科学に戻ってきました。

当科の特徴は、基礎医学・研究の知識や技術だけでなく、患者さんの診察に立ち会うことができるなど臨床的な経験や知識を得られることにあると思います。このような経験は、研究を続けていく上で自身の研究の社会的意義を考える機会となり、モチベーション維持につながる簡単には得ることができない経験だと思います。また、大学院生として研究を進める上でも多くの指導やサポートをしていただきました。技術的な面だけでなく、物事の考え方や取り組み方など社会に出ていく際に重要なことを教えていただきました。現実的なところでは、論文執筆、学会発表の機会を多くいただけたことが、ポスドクの採用や研究資金の獲得につながり、いまでも研究を続けられていることにつながっていると思います。

このメッセージに興味を持たれた方の多くは、新しい領域に足を踏み入れてみたいと考えている方だと思います。経験や知識がないことで不安に思われるかもしれませんが、ここではたくさんの専門分野外から来た学生が修士・博士課程を修了しており、様々な指導・サポート体制が整っていると思います。特に将来的に研究職に就きたいと考えている方には良い環境が整っていると思います。脳や神経、それに関連した疾患に興味がある方はぜひ一度足を運んでみてください。

神経内科医を目指す人たちへ
岡山市立市民病院脳神経内科 部長 出口健太郎

医学部4年生の時に、祖父は脳梗塞発症から約1年間の在宅介護を経て亡くなりました。生活習慣病の予防に取り組むべきだと思っていた医学部6年生の時に出会った当時の教授の阿部康二先生に、「脳梗塞になってしまった人を診ないのか?」と声を掛けられ、岡山大学脳神経内科の門戸を叩いてから、はや23年が経過しました。入局当時は、神経内科疾患の治療は数少なく、「治らない科(内科)」と揶揄されていましたが、日々の進歩は目覚ましく、脳梗塞にはエダラボンやtPA、血栓回収療法、神経変性疾患も、抗パーキンソン病薬の拡充から核酸アナログ療法など、遺伝子異常にもアプローチできるようになり、診断学で結構満足していた私も、新しい治療のアップデートについていくのに苦労しています。また、大学在籍時は、主にラットの脳梗塞モデルで脳循環代謝の研究をしていて、ペナンブラ(脳虚血でアポトーシスが進行しうる領域)の可視化を目指しましたが、今や救急の現場でCT灌流画像を即座に実施可能です。大学在籍時に研究に携わったことで、臨床の進むべき未来の方向性について学んだので、臨床の現場で新しい診断技術や治療方法が実際に可能になるのを目の当たりにすることはとても刺激的で、未だ神経内科学に飽きることは全くありません。是非、チャレンジングな日々を一緒に送る仲間が増えることを期待しています。

大学院卒業後に海外留学
講師 森原隆太

私は社会人を一度経験しており、初期研修医1年目は35歳の時でした。岡山大学神経内科ではほとんどの先輩方が卒後4年目に大学院に入学し、卒後7年目には神経内科専門医を取得するとともに大学院卒業(博士号取得)しています。私も指導医の的確なご指導のもと魅力ある研究に携わり、大学院生時代に基礎研究・臨床研究・症例報告を論文にする機会をいただき、4年間で博士号を取得できました。さらに当科では、大学院生は研究だけしているわけではなく、外勤はもちろんのこと大学の新患外来や救急当番といった臨床業務も併用して行っており、当時は大変でしたが、それが今の自分の助けになっていると思います。そして卒後8年目には海外に研究留学をする機会を得ました。留学先は、当科とつながりのあるカナダトロント大学の研究室でした。日本とは異なる環境での経験によりその後の自分に影響を与えています。「研究」「大学院」「海外留学」に興味のある先生方、ぜひ岡山大学脳神経内科の門を叩いてみてください。お待ちしております。

仕事と家庭の両立
医員 野村恵美

2015年4月に岡山大学病院脳神経内科に入局させていただき、出産を経て仕事復帰し、仕事・育児・家事の両立に奮闘する毎日を送っています。

出産前後1年近く仕事を休んでいたため、仕事復帰に対し不安がありました。仕事復帰後、出産前には発売されていなかった薬が発売・使用され、新しい検査ができるようになっており驚きましたが、周囲の先生方に教えていただき、自分でも情報収集し、最近の知見に追いつくよう心掛けました。仕事復帰し始めれば、仕事の感覚は戻ってきて出産前と同様に仕事ができるようになりました。主人も医師をしており育児・家事に時間を割けないことが多く、私が主に育児・家事をしています。出産前に出来ていた病棟業務や外勤は出来ていませんが、主に外来、その他臨床研究の手伝いや症例報告の作成等を仕事としています。臨床のスキル向上を目指すことは難しいですが、病棟回診に参加し、自身で情報収集して臨床のスキルが落ちないよう気を付けています。

脳神経内科には育児・家事と並行して仕事をされている女医さんが多く、それぞれ家庭の状況で出来る仕事内容は異なると思いますが、病棟業務をしたり、いくつか岡山大学病院関連の病院施設で外来を兼務したりと、自身のライフスタイルに合わせて働いていらっしゃいます。岡山大学病院脳神経内科ではライフスタイルに応じて働き方を一緒に考えていただけるので、無理なく働く環境作りができると思います。

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 脳神経内科学講座
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