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テラヘルツケミストリーが切り開く新しい化学 第29回フューチャーセッションを開催

 本学大学院自然科学研究科(工学系)生命医用工学専攻の塚田・紀和研究室とリサーチ・アドミニストレーター(URA)執務室は7月26日、「第29回フューチャーセッション」を津島キャンパスで開催。本学がリードする光技術のひとつ「テラヘルツ」1)による新しい化学の発展についての対話を行いました。
 今回のセッションでは、大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの斗内政吉教授が「Terahertz emission study of molecular adsorption dynamics onto atomic layer materials」と題して、1原子層材料であるグラフェン(炭素原子のシート)に吸着する分子の活性化エネルギーの分布をレーザーテラヘルツの技術を応用して計測する最新の手法について説明しました。続いて、国立研究開発法人理化学研究所光量子工学研究領域の大谷知行グループディレクターが「Terahertz Spectroscopy and beyond」と題して、テラヘルツ分光を用いて高分子材料の詳細な様子を計測した結果や、テラヘルツを用いて積極的に高分子の原子構造を改変する方法について紹介。世界を先導する光技術の産業応用や将来、私たちの生活への恩恵などについて、参加者らに熱心に語りかけました。
 セッション・ファシリテーターを務めた大学院自然科学研究科(工)の紀和利彦准教授は「現在、テラヘルツとケミストリー(化学)の融合が急速に進んでおり、そこから出来上がる新しい分野は、今後、学術分野にとどまらず、医療など幅広い分野へ貢献していくことができるだろう」と総括しました。
 なお、今回のフューチャーセッションは、グローバルな研究教育を行う岡山大学として、英語で実施。フランス、カナダ、台湾など幅広い国々と地域の学生が参加し、これから広がる新しいテラヘルツ分野について対話を熱心に行いました。
 セッション終了後には、紀和准教授の開発した生体関連物質検出用の新しい装置「テラヘルツ波ケミカル顕微鏡」を見学。これからのテラヘルツ波技術についての意見交換も行いました。
 本学は、平成25年8月に文部科学省が日本のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」としての高い研究力を有しています。また、紀和准教授の研究力を核とした共同研究や人材交流など、実施的な研究力の強化・促進を着実に進めています。
 今回のセッションで得られた研究力強化促進の知見や人脈、アイデアを最大限に利活用して、社会を革新する研究開発や学術・人材の基幹を築いていく予定です。

1) テラヘルツ
 周波数にして1兆Hz付近の高周波電磁波のことです。レーザー工学・電子工学の発展とともに、そのアプリケーションが世界的に注目されています。近年では、テラヘルツにより生命科学を解明する研究が数多く立ち上がっています。

※本学が開催する「フューチャーセッション(Future Session)」とは、次世代シーズ・ニーズ創出を探るとともに、未来について多様な立場から解決すべき問題を提起し、少人数で活発な対話を通してより良い未来を実現する解決策を構築するセッションのことです。

※直近3回の岡山大学フューチャーセッション
第26回(テーマ「アメリカ英語における教育研究」)はこちら
第27回(テーマ「サイバーセキュリティ2」)はこちら
第28回(テーマ「医療と工学の融合」)はこちら

【本件問い合わせ先】
 大学院自然科学研究科(工学系)生命医用工学専攻 准教授 紀和利彦
 TEL:086-251-8130

(16.08.09)



(左から)ファシリテーター務めた紀和准教授と話題提供者の斗内教授、大谷グループディレクター