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Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.31 発行

 本学は11月29日、本学の強みである医療系分野の研究成果について、革新的な基礎研究や臨床現場、医療産業等に結びつく成果を英語で情報発信するWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」をVol.31を発行しました。
 2012年より本学では、研究成果や知的財産活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年4回発行。国際科学雑誌「Science」を扱うAAAS(米国科学振興協会)のメーリングリストを利用し、世界の研究者等にニュースやトピックスを交えて配信し、本学の海外への情報発信を強化と国際的知名度の向上を推進しています。
 OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、強みある医療系分野の更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行。
 本号では、大学院自然科学研究科(工学系)生体機能分子設計学研究室の世良貴史教授らの、インフルエンザウイルスの遺伝情報を5分で切断し増殖を防ぐ革新的技術を開発した成果を紹介しています。
ウイルスはとても危険な微生物ですが、体内に侵入しても増えなければ病気になりません。世良教授らは、ウイルスの遺伝情報であるRNAを侵入した細胞内でズタズタに切ってしまえば、自分のコピーを増やすことが不可能になり、私たちに深刻な被害をもたらしているRNAウイルスを不活性化できると考えました。このウイルスのRNAを切る“ハサミ” が、今回世界で初めて開発に成功した「人工RNA切断酵素」です。
 今回の研究で標的にしたウイルスは、RNAウイルスであるインフルエンザウイルスです。人工RNA切断酵素は、インフルエンザウイルスの遺伝情報に特異的にくっつく人工タンパク質(人工RNA結合タンパク質)とRNAをズタズタに切る酵素を連結したものです。この人工RNA切断酵素を試験管内でインフルエンザウイルスのRNAに混ぜると、ウイルスのRNAを5分以内に完全に切断することに成功しました。
 今回開発した革新的な技術は、インフルエンザウイルスだけでなく、ウイルスの遺伝情報がRNAからなる「RNAウイルス」(例えば、エイズウイルスやC型肝炎ウイルス、エボラウイルスなど)であれば、どのウイルスにも適応が可能です。今後、動物のみならず植物への応用研究などを積極的に進めるとともに、さまざまな産業界とのパートナー連携を模索しつつ、いち早く社会に実用化できるように取り組んでいきます。
 本学は、平成25年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」の構築のため、強みある分野の国際的な情報発信を力強く推進していきます。また、強みある医療系分野や関連する異分野科学から生み出される成果を社会や医療現場などが求める革新的技術としてより早く届けられるように研究を推進していきます。
なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されています。

Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.31:Prevention of RNA virus replication


<Back Issues:Vol.22~Vol.30>
Vol.22:Medical supportive device for hemodialysis catheter puncture Combined gene transduction and light therapy targets gastric cancer (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)大原利章助教)
Vol.23:Development of low cost oral inactivated vaccines for dysentery (大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)三好伸一教授)
Vol.24:Sticky molecules to tackle obesity and diabetes (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)和田淳教授、村上和敏医師)
Vol.25:Self-administered aroma foot massage may reduce symptoms of anxiety (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)江口依里助教)
Vol.26:Protein for preventing heart failure (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)片野坂友紀助教)
Vol.27:Keeping cells in shape to fight sepsis (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)西堀正洋教授)
Vol.28:Viral-based therapy for bone cancer (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)藤原俊義教授)
Vol.29:Photoreactive compound allows protein synthesis control with light (大学院自然科学研究科(工学系)大槻高史教授)
Vol.30:Cancer stem cells' role in tumor growth revealed  (大学院自然科学研究科(工学系)妹尾昌治教授)


<参考>
Okayama University e-Bulletin://www.okayama-u.ac.jp/user/kouhou/ebulletin/

【本件問い合わせ先】
広報・情報戦略室
TEL:086-251-7293
E-mail:www-adm@adm.okayama-u.ac.jp

(16.12.02)


本号で紹介した研究成果を担当した世良貴史教授