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Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.37 発行

 本学は3月15日、本学の強みである医療系分野の研究成果について、革新的な基礎研究や臨床現場、医療産業等に結びつく成果を英語で情報発信するWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」のVol.37を発行しました。
 2012年より本学では、研究成果や知的財産活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年4回発行。国際科学雑誌「Science」を扱うAAAS(米国科学振興協会)のメーリングリストを利用し、世界の研究者等にニュースやトピックスを交えて配信し、本学の海外への情報発信を強化と国際的知名度の向上を推進しています。
 OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、強みある医療系分野の更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行しています。
 本号では、異分野融合先端研究コア システム細胞学研究室の守屋央朗准教授らが発見した、遺伝子発現の乱れをタンパク質分解で調整するメカニズムを明らかにした研究成果について紹介しています。
 守屋准教授と大学院自然科学研究科大学院生で日本学術振興会特別研究員でもある石川浩史特別研究員、カリフォルニア大学バークレー校のニコラス・インゴリア(Nicholas Ingolia)助教、岩崎信太郎研究員(現理化学研究所准主任研究員)らの研究グループは、ヒト細胞のモデルである出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)を用いた研究によって、遺伝子発現の乱れをタンパク質分解により調整するメカニズムを世界で初めて明らかにしました。
 通常、遺伝子コピー数の増加は、そのままタンパク質量の増加に結びつきます。一方、コピー数が増加してもタンパク質量の増加に反映されない遺伝子が知られており、それらの発現プロセスには何らかの調整メカニズムがあると考えられています。本研究では、このような調整を受ける遺伝子が全遺伝子の約10%と見積もれること、それらが複合体を作るタンパク質をコードしていること、調整がタンパク質分解によって行われていることを明らかにしました。本研究は、遺伝子発現の乱れが細胞の機能に悪影響を及ぼすことを防ぐ「頑健性」を、生命システムがどのように達成するかという生命の基本的な理解を深めるものです。また、遺伝子コピー数の増加を特徴とするがん細胞の生理状態の理解にも貢献すると期待されます。
 本学は、平成25年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」の構築のため、強みある分野の国際的な情報発信を力強く推進していきます。また、多様な先導的異分野融合研究から生み出される成果を社会や医療現場が求める革新的技術として、より早く届けられるように研究開発を推進していきます。
 なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されています。

Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.37:Protein dosage compensation mechanism unraveled

<Back Issues:Vol.30~Vol.36>
Vol.30:Cancer stem cells’ role in tumor growth revealed  (大学院自然科学研究科(工学系)妹尾昌治教授)
Vol.31:Prevention of RNA virus replication (大学院自然科学研究科(工学系)世良貴史教授)
Vol.32:Enzyme target for slowing bladder cancer invasion (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)竹田哲也助教)
Vol.33:Attacking tumors from the inside (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)藤原俊義教授)
Vol.34:Novel mouse model for studying pancreatic cancer (大学院自然科学研究科(工学系)妹尾昌治教授)
Vol.35:Potential cause of Lafora disease revealed (大学院自然科学研究科(工学系)佐藤あやの准教授)
Vol.36:Overloading of protein localization triggers cellular defects (異分野融合先端研究コア 守屋央朗准教授)

<参考>
Okayama University e-Bulletin://www.okayama-u.ac.jp/user/kouhou/ebulletin/

【本件問い合わせ先】
広報・情報戦略室
TEL:086-251-7293
E-mail:www-adm@adm.okayama-u.ac.jp

(17.03.15)


本号で紹介した研究成果を担当した守屋央朗准教授と石川浩史日本学術振興会特別研究員(右)