二万大塚古墳 第2次調査 概要報告
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  1 調査の経過

調査は、2002226日から44日までの期間、岡山大学考古学研究室の1年生から3年生と4年生の一部、及び大学院生が参加して行った。本年度は、石室での床面の検出と遺物の出土状況の把握、墳丘北側における造り出しの全容の解明、墳丘南側における造り出しの有無の確認、そして後円部墳端とテラスを確認するために調査を行った。

本年度は調査を開始する2日前の224日に現地に機材を搬入した。そして、発掘初日には、昨年度に引き続いて本年度も継続して調査する後円部石室と、昨年度のくびれ部西トレンチを拡張する形で調査する北くびれ部トレンチにおいて、土嚢の除去および埋土の除去等を行い、二日目から後円部石室と北くびれ部トレンチ、南くびれ部トレンチ、後円部東トレンチの各トレンチにおいて本年度の調査を開始した。

後円部石室では、昨年度の封鎖を除去した後に掘り下げを開始した。玄室内は十字のベルトを設定し、羨道部では千鳥状に残して掘り下げを開始した。37日には先行トレンチを設定し、10日にはその部分で床面を検出した。14日にはいったん掘り下げを中断し、ベルト部分を除去し、再度ベルトを設定して掘り下げを続行した。42日には、掘り下げおよび遺物の取り上げ等のすべての作業を終了し、44日に石室の封鎖を行った。

北くびれ部トレンチでは、ベルトを残して掘り下げを開始し、造り出しの主軸を確定した後に、310日から主軸に沿ってベルト部分の東半を除去した。そして、主軸のセクション検討・実測を終了した後、26日より残りの部分の掘り下げも行った。埋め戻しは、44日に完了し、本年度の調査を終了した。

南くびれ部トレンチでは、314日にトレンチ全面で、遺構面を検出するに至り、16日には調査を終了した。28日に埋め戻しを完了し、本年度の調査は終了した。

また、後円部東トレンチにおいては、314日に全面で遺構面を検出したのち、翌15日にトレンチの拡張と掘り下げを開始した。24日に、拡張部を含め全面で遺構面を検出した後、主軸ラインに沿ってタチワリを設定し、掘り下げを行った。29日には、埋め戻しを完了し、本年度の調査を終了した。

勝負砂古墳では、37日から調査を開始し、翌8日には第2トレンチを設定し掘り下げを行い、15日をもって埋め戻し、調査を終了した。10日には第1トレンチを設定した後に掘り下げを開始し、その日のうちに基盤層が検出されたため、掘り下げを終了した。翌11日から第3トレンチの発掘を開始し、17日ですべての調査を終了した。その後、第3トレンチで検出されていた溝状の遺構が、本古墳に伴う周溝である可能性が指摘され、それを確認するために321日から5mの拡張を行い、掘り下げを開始した。そして24日には、掘り下げを完了し、26日に本年度の調査を終了している。

今年は、323日に現地説明会を開催し、200名におよぶ参加者があった。

また、今回の調査では、インターネットを通じて調査の経過およびその成果を随時紹介し、発掘期間中のニュースや現地説明会資料なども掲載している。



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