中塚研究室について

 当研究室は、2006年4月、産婦人科医、助産師、保健師、不妊カウンセラー、看護学生などが集まり、生殖過程に関するテーマを中心に、女性のライフスタイル全般、更に、ジェンダー、性差などに関連した研究を行う場として発足しました。

 生殖補助医療への助成制度、保険適応などの医療経済の問題。不妊症、不育症などの患者への精神的支援の問題。卵子や精子のDonation、売買、凍結保存の精子や卵子による死後生殖、代理母、海外渡航による各種の生殖医療など倫理的問題。生殖医療に関しては、近年、種々の事例が社会問題化しています。

 周産期医療に関しては、産婦人科医、助産師の不足に対する改善策は見えず、産科の過疎地域が全国的に広がっています。また、少子化は止まらず、分娩施設の減少との間で悪循環に陥っています。

 一方で、種々の困難に立ち向かい、子供を持とうとする夫婦もいれば、他方では、望まない妊娠のため妊娠中絶をするティーン・エイジャーもいます。また、ティーン・エイジャーの中では、無防備な性交によるクラミジア感染症で不妊症になったり、HPV感染症で子宮癌になったりというリスクも広がっています。

 核家族のため、育児の相談ができる相手もなく、育児支援のニーズは増加しています。更に、子供への虐待は、世代を超えた連鎖も問題となっています。
 
 性同一性障害に関しては、戸籍の性別変更に関する特例法の改正、性別違和感のある児童の取り扱い、思春期の性同一性障害症例に訪れる種々の危機などに関しても社会問題となっています。