国立大学法人 岡山大学

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Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.110 発行

2022年12月23日

 本学は12月23日、岡山大学の強みのひとつである医療系分野の研究開発の成果について、革新的な技術に橋渡すことのできる基礎研究や臨床現場、医療イノベーションなどに結びつく成果などを英語で世界の一般のみなさんなどに届けるWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」のVol.110を発行しました。
 本号では、学術研究院医歯薬学域(医)の頼藤貴志教授と松本尚美助教の研究グループの「コロナ禍に子どもの喘息新規診断率が減少~感染症対策による呼吸器ウイルス感染症減少と関連か~」の研究成果を紹介しています。
 松本助教らは、日本最大規模の医療情報データベース「RWD データベース」のデータを用いて、全国一斉休校前後での子どもたちの喘息新規診断数の変化を解析しました。その結果、コロナ禍では新しく診断される喘息の子どもの数がアトピー性皮膚炎と比較して大幅に減少し、中でも呼吸器ウイルス感染症にかかりやすい2歳以下の子どもで最も大きな減少を示しました。こうした傾向は、ライノウイルスやRSウイルスのサーベイランス報告における減少に近似していました。
 本研究の結果は、呼吸器ウイルス感染症と子どもの喘息発症との関連を示唆するものです。喘息発症のリスクの高い子どもにとって、これらの呼吸器ウイルス感染を予防することは喘息発症を抑えることにつながるかもしれません。
 岡山大学は、2013年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示すリサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学を構築し、「岡山から世界に新たな価値を創造し続けるSDGs推進研究大学」となるため、強みある医療系分野やその関係する分野の国際的な情報発信を力強く推進しています。今後も本学から生み出される成果を産学官民共創のオープンイノベーションの加速や社会、医療現場やヘルスケアに活かせる革新的技術、健康維持増進により早く届けられるように研究開発を推進していきます。
 なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されています。

Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.110:Respiratory infections and asthma: The COVID-19 connection.

○Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)
 2012年より岡山大学では、研究成果や知的財産、技術移転活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年3~4回発行して来ました。またAAAS(American Association for the Advancement of Science)が提供する、世界最大規模のオンラインニュースサービス「EurekAlert!」を利用し、世界の大学・研究機関の研究者やマスコミ関係者などにニュースやトピックスを交えて配信し、岡山大学の海外への情報発信の強化と国際的知名度の向上などを推進しています。
 OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、岡山大学の強みある医療系分野とその融合分野などの更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行しています。

<OU-MRU Back Issues:Vol.103~Vol.109>
Vol.103:High-quality growth (学術研究院自然科学学域(工)鈴木弘朗助教)
Vol.104:The determinants of persistent and severe COVID-19 revealed (異分野基礎科学研究所 墨智成准教授)
Vol.105:The dynamics of skin regeneration revealed (本学異分野融合先端研究コア 佐藤伸准教授)
Vol.106:The skin electrically modelled (学術研究院保健学域 中村隆夫教授)
Vol.107:COVID-19 mRNA vaccines and fever: A possible new link (学術研究院医歯薬学域(医)頼藤貴志教授)
Vol.108:Track changes: A new test to study cancer progression (学術研究院ヘルスシステム統合科学学域(工)二見淳一郎教授)
Vol.109:Track changes: Eye scratching mechanisms in rats (学術研究院自然科学学域(牛窓臨海) 坂本浩隆准教授)


<参考>
「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」バックナンバー
岡山大学国際Webマガジン「Okayama University e-Bulletin」


【本件問い合わせ先】
総務・企画部広報課
TEL:086-251-7293
E-mail:www-adm◎adm.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。

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