本学は、2023年12月22日に文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(実施主体:日本学術振興会)に採択されました。本事業はこれまでにない規模の大型の大学支援事業(1件あたり約5年間で55億円)であり、我が国全体の研究力の発展等を牽引する研究大学群を形成するものです。
本学では、岡山大学長期ビジョン2050「地域と地球の未来を共創し、世界の革新に寄与する研究大学」の実現に向け、J-PEAKSの趣旨に共感し、これを活用するとともに、さまざまなステークホルダーとともに研究力強化・イノベーション創出戦略を強力に推進しています。
これらの取り組みを中心とした本学の活動状況をタイムリーにお知らせする「岡山大学J-PEAKS MONTHLY DIGEST」の第16号を8月18日に発行しました。
本号では、前号に引き続きJ-PEAKSの取り組みに深く関係するトピックスについて紹介しています。巻頭特集では、長期ビジョン2050実現に向け、誰一人取り残さないCity for Better Hearing(聞こえを支えるまち)について紹介しています。また巻末には、「イチオシの研究設備」として「ICP発光分光分析装置」の共同利用について取り上げています。
本学はJ-PEAKSにおいて、単に研究開発拠点を築くだけではなく、地域の中核大学として、我が国を代表する研究大学群として矜持ある歩みを続けるため、“常識”にとらわれない大学法人全体の組織・制度改革を実行しています。この改革こそが従来の「学内の一部の組織だけが汗を流す改革」や「“国立大学法人”ではなく、狭い“大学”の枠組みでしか捉えなかった改革」とは異なる点ともいえます。そのため、これらの法人全体の組織・制度改革などについても併せて掲載しており、採択⼤学間に共通する課題について、好事例・ノウハウ等を共有する一助となればと考え、「岡山大学J-PEAKS MONTHLY DIGEST」を刊行しています。岡山大学のみならず、「世界に誇れる研究大学の山脈(PEAKS)」を築きあげようとする挑戦に、どうぞご期待ください。
○岡山大学病院聴覚支援センター 片岡祐子センター長補佐・准教授のコメント
「City for Better Hearing」は、J-PEAKSの医療系プロジェクトの一つとして、加齢性難聴に対する持続可能な“聞こえ”の支援モデルの創出を目指して進めています。
難聴は社会的孤立や認知症とも関連しており、超高齢社会にある日本にとって、早期発見と早期補聴器装用への道筋を整えることは喫緊の課題です。
本プロジェクトでは、行政、企業と連携し、聴覚検診で難聴を早期に発見し、正しい補聴導入へとつなげる社会的な仕組みを構築し、その効果を検証します。特に、耳鼻咽喉科医療機関や補聴器販売体制といったシーズが限られている非都市部において、住民の方々へ新たな医療的価値を提供できるポテンシャルがあると考えています。このプロジェクトは、医療技術の提供にとどまらず、地域自治体・企業・市民と連携しながら、高齢者の自立や社会参加を支えるとともに、地域全体のQOLを底上げする力を持っています。「聞こえを支えるまち」という新たな社会インフラを創っていけたらと思っています。
私たちは、持続可能な社会デザインとしての地域包括ケアモデルを構築し、岡山県全体へ、さらには全国へと展開していきたいと考えています。そして、それこそがJ-PEAKSにおける使命であるとの強い意識のもと、責任を持って取り組んでいます。
<参考>
・文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~
・岡山大学広報「いちょう並木」Vol.105 -J-PEAKS採択特別企画 世界に誇れる研究大学の山脈を築く-
・第1回 岡山大学 地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)シナジーセッションを開催~わが国の研究大学の山脈を築くためのシナジーの種をまく~
・JSPS主催「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)キックオフシンポジウム」に那須学長が登壇~わが国の研究大学の山脈(PEAKS)形成のために、「競争」から「共創」への転換で社会変革を!~
・那須学長が文部科学省主催シンポジウムに登壇 J-PEAKSでの本学の挑戦を紹介
・岡山大学 R&D Showcase を初開催 ~Community Healthの実現に向け、研究シーズと取り組みを発表~
・岡山大学-信州大学 地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)連携シンポジウムを開催~水と植物・光エネルギーから社会変革の実現方略を先鋭化~
・「第3回岡山大学地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)シナジーセッション~岡山大学クライオ電顕・トモグラフィワークショップ~」を開催~アカデミア・インダストリーネットワーク形成に向けて~
・「岡山大学J-PEAKS MONTHLY DIGEST」の本号(最新号)は下記からぜひご覧ください。
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/freetext/J-PEAKS/file/vol16.pdf
・「岡山大学J-PEAKS MONTHLY DIGEST」のバックナンバーは下記からご覧ください。
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/profile/jpeaks_digest.html
・岡山大学J-PEAKS HPは下記からぜひご覧ください。
https://j-peaks.orsd.okayama-u.ac.jp/
掲載Topics
①City for Better Hearing 岡山市 × 岡山大学 × デマント・ジャパン株式会社 三者連携で挑む加齢性難聴対策の地域包括モデル創出
②本学事務職員を「岡山大学研究開発マネジメント人材」に認定!~研究者の研究専念環境強化・教職員の高度化を推進~
③「中四国・播磨ヘリウムリサイクルネットワーク」始動に向け学内説明会を実施
④技術職員として初!中村有里技術専門職員が「JSEE AWARD」を受賞
⑤人事戦略のさらなる推進に向けて 三重大学と意見交換会を開催
⑥岡山大学「BIZENエコシステム」スタートアップ支援でAMED事業に採択~医療×産業で世界へ挑む、イノベーション拠点形成~
⑦高等先鋭研究院 惑星物質研究所の大竹真紀子教授がNASAの「コラディーニアワード」を日本人初受賞!
⑧地域共創型取り組み「シネコカルチャー(協生農法)プロジェクト」本格始動~産学官共同開発の遠隔操縦式草刈機 実証予定地で初作業~
⑨異分野融合と拠点形成を志向した「微生物エクスプローラーズ」第4回ミーティングを開催
⑩高分子化学・機能性材料分野の国際シンポジウムを開催~国内外の第一線研究者が最新成果を発表、若手研究者と交流~
【本件問い合わせ先】
岡山大学研究力・イノベーション創出強化実現会議(担当窓口:研究・イノベーション共創管理統括部 研究協力課)
TEL:086-251-8442
E-mail:innovation◎adm.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。
「岡山大学J-PEAKS MONTHLY DIGEST」のVol.16を発行~文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(実施主体:日本学術振興会)に関連する岡山大学の社会変革の取り組みなどを月刊で発信~
2025年08月21日