国立大学法人 岡山大学

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身近なお菓子とビールから考える、環境とビジネスの新しいカタチ CFP Nexus WGセミナー「食品カーボンフットプリント最前線」を開催

2026年10月07日

 本学が事務局を務める「おかやまデジタルイノベーション創出プラットフォーム(OI-Start)」の「カーボンフットプリントを起点とした価値創造ワーキンググループ(CFP Nexus WG)」は9月30日、公開セミナー「食品カーボンフットプリント最前線~身近なお菓子とビールから考える、環境とビジネスの新しいカタチ~」を岡山大学共創イノベーションラボKIBINOVEにて開催しました。当日は会場・オンライン合わせて約50人が参加し、本学の学生のほか、食品業界にとどまらず鉄鋼加工や作業服メーカーなど幅広い業種の企業関係者が集まりました。
 第一部では、岡山県里庄町の洋菓子メーカー・株式会社サンラヴィアンの占部龍弘代表取締役副社長、村田敦宣商品保証グループ室長、若林祐三子副社長特命担当がリレー形式で登壇しました。同社は2025年12月から本学とCFPを通じた企業ブランド価値向上に関する共同研究を進めており、本年9月には農林水産省の令和8年度「加工食品CFPに係るモデル事業」に国内で唯一採択され、中小食品メーカーがCFP算定に用いるプラットフォームづくりのモデルとなる取り組みを始めています。占部副社長は「CFPは将来、国際的なルールになると思っている。排出の多い工程がわかれば具体的な削減対策が打て、それは経済価値にもつながる」と取り組みの狙いを説明。村田室長はベルギーワッフルなど4品目を対象に、17~18種類の原材料ごとに排出係数を掛け合わせて算定するフォーマットづくりから手探りで始めた実務の苦労を紹介し、若林氏は学生に向けて「店頭で商品を手に取ったとき、何からできて、どこで作られ、どう運ばれてきたのかを少し立ち止まって考えてみてほしい」と呼びかけました。
 第二部では、株式会社中国銀行コンサルティング営業部の西村真也氏が、同行が昨年度実施したCFP人財育成プログラムの成果として、宮下酒造株式会社の地ビール「独歩ピルスナー」(瓶・330ml)のCFP算定事例を報告しました。大企業によるサプライチェーン全体での排出削減の要請が地域の中小企業にも及ぶ中、算定を支援できる行員の育成に取り組んでいることを説明。算定の結果、1本あたりのCFPは946.28g-CO2eで、原材料調達と生産の2段階で全体の95%以上を占め、最大の排出源は海外からの原料輸送ではなくガラス瓶の製造であることが明らかになりました。これを踏まえ、空き瓶回収の促進と重油ボイラーからガスボイラーへの燃料転換で約130gの削減が見込めるとし、CFPラベルの表示や回収BOXを活用したブランディングについても提案しました。
 第三部のトークセッションでは、学術研究院社会文化科学学域の天王寺谷達将教授のモデレートのもと、両社の登壇者に宮下酒造株式会社マーケティング部マーケティング課の狩山太郎課長が加わり、学生からの質問を中心に意見が交わされました。「ボイラーの更新は多額の投資にならないか」という学生の問いに、狩山課長は「設備はいずれ更新が必要で、長期的には省エネで回収できる。今回の算定をきっかけの一つとして実際に高効率ボイラーへ更新した」と応じ、燃料データが社内の各部署に散在していたことから「情報の一元化の必要性に気づけたことも想定外の効果だった」と語りました。占部副社長は、上質さを追求した「醍醐味」シリーズが標準品よりもCFPが低いという「思わぬ発見」を紹介し、「それを消費者やバイヤーにどう価値として伝えるかが次の課題」と述べました。天王寺谷教授は、算定のプロセスそのものが製品理解や従業員の学びにつながること、他社との横並び比較よりも自社の時系列での比較が重要であることを指摘しました。本学は今後も、地域企業や金融機関、支援機関とともに、CFPを起点とした実践的な脱炭素化と新たな価値創造に取り組んでいきます。

※カーボンフットプリントとは、製品やサービスの原材料調達から廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2排出量に換算し、製品に表示された数値もしくはそれを表示する仕組みのことです。
出典:カーボンフットプリント ガイドライン(経済産業省・環境省)

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【本件問い合わせ先】  
研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部 舩倉  
TEL:086-251-8466  
Email: co-creation◎adm.okayama-u.ac.jp  
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