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Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.89 発行

 本学は3月28日、岡山大学の強みのひとつである医療系分野の研究開発の成果について、革新的な技術に橋渡すことのできる基礎研究や臨床現場、医療イノベーションなどに結びつく成果などを英語で世界に情報発信するWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」のVol.89を発行しました。
2012年より岡山大学では、研究成果や知的財産、技術移転活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年3~4回発行して来ました。またAAAS(American Association for the Advancement of Science)が提供する、世界最大規模のオンラインニュースサービス「EurekAlert!」を利用し、世界の大学・研究機関の研究者やマスコミ関係者などにニュースやトピックスを交えて配信し、岡山大学の海外への情報発信の強化と国際的知名度の向上などを推進しています。
 OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、岡山大学の強みある医療系分野とその融合分野などの更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行しています。
 本号では、大学院医歯薬学総合研究科(医学系)脳神経内科学分野の阿部康二教授と山下徹准教授岡山大学病院の森原隆太助教と田所功医員らの認知症患者さんに対する化粧療法の早期効果を臨床試験で証明した研究成果について紹介しています。
 阿部教授らの研究グループは、一般社団法人日本介護美容セラピスト協会の谷都美子代表理事らと共同で認知症患者さんを対象とした臨床研究を実施し、化粧療法には開始直後から情動機能改善効果があることを証明しました。さらに、AIを用いた顔の解析を行い、化粧療法は見た目年齢を若返らせ、特に日常生活(ADL)の障害が中等度の患者さんでは喜びが増加することを世界で初めて発見しました。
 化粧療法は認知症の非薬物療法として注目されていますが、効果を証明する医学的な根拠はこれまで不十分でした。今回の研究では、女性の認知症患者さんを対象に、化粧療法を実施した群と実施しなかった群で比較したところ、化粧療法では開始直後から認知症の情動症状(BPSD)スコアを有意な改善がみられました。
 また、AIを用いた顔解析を行うことで、見た目年齢の若返りや喜びの増加といった効果を、瞬時に数値化して見出すことに成功しました。有効性が科学的に示されたことで、認知症患者さんに対する化粧療法の普及につながることが期待されます。
 岡山大学は、2013年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示すリサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学を構築し、「岡山から世界に新たな価値を創造し続けるSDGs推進研究大学」となるため、強みある医療系分野などの国際的な情報発信を力強く推進しています。今後も本学から生み出される成果を産学官民共創のオープンイノベーションの加速や社会、医療現場が求める革新的技術、健康維持増進により早く届けられるように研究開発を推進していきます。
 なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されています。

Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.89:Studying Parkinson’s disease with face-recognition software


<Back Issues:Vol.81~Vol.88>
Vol.81:Innovative method for determining carcinogenicity of chemicals using iPS cells (大学院ヘルスシステム統合科学研究科 妹尾昌治教授&杜娟博士)
Vol.82:Making memories — the workings of a neuron revealed (異分野基礎科学研究所 墨智成准教授)
Vol.83:Skipping a beat — a novel method to study heart attacks (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)高橋賢研究准教授)
Vol.84:Friend to Foe — When Harmless Bacteria Turn Toxic (大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)垣内力教授)
Vol.85:Promising imaging method for the early detection of dental caries (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)島田康史准教授)
Vol.86:Plates and belts — a toolkit to prevent accidental falls during invasive vascular procedures (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)大原利章助教)
Vol.87:Therapeutic potential of stem cells for treating neurodegenerative disease (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)阿部康二教授&山下徹准教授)
Vol.88:Nanotechnology for making cancer drugs more accessible to the brain (岡山大学中性子医療研究センター 道上宏之准教授)


<参考>
「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」バックナンバー
岡山大学国際Webマガジン「Okayama University e-Bulletin」

【本件問い合わせ先】
総務・企画部 広報課
TEL:086-251-7293
E-mail:www-adm◎adm.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。


本号で紹介した研究成果を担当した大学院医歯薬学総合研究科の阿部康二教授と山下徹准教授(右)


本号で紹介した研究成果を担当した岡山大学病院の田所功医員と森原隆太助教(右)


A.化粧療法で情動症状 (BPSD) が改善
B.AI顔解析で見た目年齢が若返り、喜びが増加


国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。
また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています