国立大学法人 岡山大学

LANGUAGE
ENGLISHCHINESE
MENU

本学が米子工業高等専門学校、鳥取大学、徳島大学においてヘリウムガスの回収(フェーズ1)を開始

2025年12月23日

 本学の研究機器共用体制・整備等強化促進に関するタスクフォースは、2025年12月に「中四国・播磨ヘリウムリサイクル事業ネットワーク(通称:中四国・播磨HeReNet)」の連携機関である、米子工業高等専門学校(12月2日)、鳥取大学(鳥取キャンパス)(12月3日)、徳島大学(常三島地区、12月18日)を訪問し、本事業を推進すべく、核磁気共鳴装置(NMR装置)からヘリウムガスの回収(フェーズ1)を開始しました。
 本学からは畑中耕治副タスクフォース長・機関連携部門長(主任URA)、総合技術部 石井誠課長、浦上久幸技術専門員、廣田聡技術専門職員、研究協力課山﨑秀顕専門員、友定良太事務職員が参加しました。また、米子工業高等専門学校からは技術教育支援センターの日野英壱技術専門職員らが、鳥取大学からは技術部の水田敏史技術専門職員らが、徳島大学からは技術支援部の佐川幾子技術専門職員らが参加し、NMR装置の保守・管理の指導助言者として大阪大学大学院理学研究科の稲角直也技術専門職員が参加しました。
 各機関には、本学が事前にヘリウムガス回収用圧縮機1台とヘリウムガス回収用ガスバッグ10個を納品しており、当日は、NMR装置とガスバッグを専用のホース等で接続する作業や回収用圧縮機の試運転等を行った後、NMR装置からガスバッグへのヘリウムガスの回収を開始しました。
 NMR装置と接続している、ガスバッグがヘリウムガスで満タンになると、各機関の職員が空のガスバッグにつなぎ替える作業を行います。また、満タンになったガスバッグから回収用圧縮機を使ってヘリウムガスをガスボンベに圧縮回収する作業も必要になりますが、この作業も将来的には各機関の職員が実施できるようになることを目標に事業を進めます。なお、今回回収を始めた、ヘリウムガスの本学への回収運搬は2026年春頃を予定しています。
 全体の流れとしては今回のヘリウムガスの回収(フェーズ1)の次は、連携機関からヘリウムガスを回収し、その一部を液化し連携機関に供給する(フェーズ2)、その次は、連携機関からヘリウムガスを回収し、そのほぼ全量を液化し連携機関に供給する(フェーズ3)を順次実施し、その後、本格運用に移行する予定です。今回の訪問では各機関とフェーズ2に関する実施方法や時期についての協議を行うなどフェーズ2以降の準備も始めています。
 本学は、地域の中核大学特色ある研究大学として「中四国・播磨HeReNet」および「HeliGet」(使用済設備などから液体ヘリウムを回収)を通じて、学内のみならず近隣の大学、研究機関、高等専門学校、企業等に液体ヘリウムを供給することで、液体ヘリウムを使った研究・開発の裾野を大いに拡げることを目指します。これはひいては我が国の研究力向上・イノベーション創出強化等につながると期待されます。
 本事業にあたって本学は文部科学省からの支援を受け、2026年度末に既存装置の約2倍の液化能力を備える新しいヘリウム液化装置および周辺設備への更新を予定しています。先日は本学の周辺設備である長尺ボンベ増設の基礎工事が完成するなど、設備の更新計画は順調に進んでいます。
 引き続き、地域中核・特色ある研究大学:岡山大学と参画機関の挑戦に、どうぞご期待ください。

<参考>
電気通信大学とヘリウムリサイクル事業などについて意見交換を実施
岩手大学とのヘリウムリサイクル事業についての意見交換を実施
使用済み核磁気共鳴装置(NMR)からヘリウムガスを回収~「中四国・播磨ヘリウムリサイクルネットワーク」に向けた大きな一歩~
わが国の研究力の基盤を支える液体ヘリウムの利用促進・安定供給に向けて11大学・高専等と意見交換を実施
「中四国・播磨ヘリウムリサイクルネットワーク」始動に向け学内説明会を実施
「中四国・播磨ヘリウムリサイクルネットワーク」始動に向けた学外説明会を実施
「中四国・播磨ヘリウムリサイクルネットワーク」始動 ヘリウム回収実証実験を開始
“人機一体”の研究基盤を強化推進するために「研究機器の共用の体制・整備等の強化促進に関するタスクフォース」が始動
岡山大学 地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)


【本件問い合わせ先】
研究機器の共用の体制・整備等の強化促進に関するタスクフォース(略称:チーム共用)
機関連携部門
TEL:086-251-8705
E-mail:herenetoffice◎adm.okayama-u.ac.jp
   ※@を◎に置き換えています。

年度