浸透圧, Osm (osmolarity) 

測定法:氷点降下法

外注会社:SRL(平成17年6月16日より)

       SBS(旧住友)(平成17年6月15まで)

臨床的意義
 溶質は通さないが,溶媒(水)は通す性質をもつ半透膜を隔てて濃度の異なる溶液が接した場合,低濃度溶液の溶媒が高濃度溶液の方に拡散しようとする現象を浸透現象といい,その圧力を浸透圧という。浸透圧は単位体積あたりの溶媒に含まれる溶質の分子(種類を問わない)の総数に比例する。すなわち同じ重量の溶質が何種類か存在する場合,低分子量の溶質ほど浸透圧に及ぼす影響が大きいことになる。意義として,血清ないし尿の浸透圧を測定することにより体液の濃縮,希釈の傾向を知ることができる。また,血漿中の主要な浸透圧物質は電解質(Na,Cl),グルコース,尿素でこれらは浸透圧調節系で調節されている。

異常値を示す疾患
高値疾患
尿:ADH分泌過剰・SIADH,副腎不全
血清:高Na血症(脱水,Na過剰),高血糖,高窒素血症
 
低値疾患
尿:ADH分泌低下(中枢性尿崩症),腎疾患(GFR低下) 
血清:低Na血症(水過剰,SIADH,副腎不全)・Na欠乏 

基準値: 血清 276〜292 mOsm/kg    尿 50〜1300 mOsm/kg
(平成12年9月25日より基準値の変更:以前は血清 285〜295 mOsm/kg,尿 50〜1400 mOsm/kg) 

検体採取・測定条件
・血清(血漿)分離後の水分の蒸発に注意する。
・材料の濃縮により高値となる。

生理的変動
・血液の浸透圧は約280mOsm/kgH2Oで,これより高い液を高張液,低い液を低張液という。

採取容器: 血液茶)生化学一般用分離剤入り試験管  尿:SBS(USP

関連項目

尿素窒素(UN)
クレアチニン(CRTN)
ナトリウム(Na)
カリウム(K)
クロール(Cl)  
血糖(グルコース)

先頭に戻る    前ページに戻る