岡山大学 農学部

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はじめに

はじめに

地球・人類・農学 地球共生系の実現に向けた挑戦

 Biosphere-。バイオは生命,スフィアは領域,地球上の生物の生存圏のことを意味する言葉。地球を直径1mの大きさとすると,地表の深海も高山もわずか2mmにも満たない薄い層におさまってしまう。地球のあらゆる生物は,このごく限られた領域で生命活動を営んでいるのである。
 広大な宇宙の中の小さな惑星の表面で,人類はその環境と資源を巧みに利用することで繁栄を築いてきた。人類の文明の基盤である農業生産は,水・土地・森林といった自然環境と一体化し,動植物や自然の有機的なサイクルを有効に利用することで発展を遂げてきた。

 しかし,近代から現代にいたる工業技術の発展は,生産力を飛躍的に増大させた反面,人口増加による食料危機,エネルギー問題,公害や環境破壊といった地球規模の深刻な問題を発生させた。かけがえのない地球の生存圏が,人類の生産活動によって脅かされはじめているのである。

 この人類の危機を救うのは,単に生産性を向上させるだけでなく,地球環境を破壊から守る実践的な農学である。これまでの産業活動は,地球を資源としてとらえ,また生産活動の場としてとらえるだけで,生物の生活の場であるという基本的な認識に欠けていた。自然との有機的なつながりの中で,生産と生活の調和を総合的に追及できる学問は農学をおいてほかにない。さらに,近年の農学は,バイオサイエンス,バイオテクノロジーの導入により,生物学,医学,薬学といった周辺領域を幅広く取り込んだ総合的な科学として発展している。エレクトロニクスとともに,産業界からも大きな期待が寄せられている分野なのである。

地球
芽生え
 資源には限りがあるがその利用は無限の可能性を秘めている。21世紀を迎えた人類の前に横たわる諸問題の解決に農学の果たすべき役割は大きい。地球は一つの巨大な共生系。豊かでうるおいに満ちた"地球共生系"の実現に向け,岡山大学農学部はチャレンジする。