OHNCC 岡山大学病院頭頸部がんセンター

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頭頸部がん治療における歯科医の役割

放射線治療における口腔内有害事象(副作用)

放射線治療は、頭頸部癌治療において、手術療法とともに、最も必要な治療法の一つですが、口腔乾燥、口内炎、開口障害、齲蝕の多発、味覚障害、顎骨壊死などの有害事象が存在します。

口腔乾燥について

放射線治療を行うと口腔内に口内炎ができます。食物摂食時の疼痛が強く対策として、放射炎治療前からの口腔ケア、口腔内にアズレンなどの軟膏塗布、トローチ製剤の使用、局所麻酔入りの含嗽剤や鎮痛剤使用などで対処していきます。また最近では、胃瘻を造設し、口からの食物摂取をなるべくさける方法が一般的となっています。

放射線治療後の開口障害

放射線治療を行うと、放射線照射部位の筋肉結合組織がかたくなり、開口障害がおこります。顎関節周囲の組織切除を伴う口腔がん、中咽頭がん手術後の放射線治療では、開口障害がつよくでます。対策として早期に開口練習を行うことが望ましいといわれています。

 

放射線性齲蝕について

放射線の影響で、唾液腺が影響をうけて唾液分泌が低下し、唾液の自浄作用、唾液の免疫作用が働かなくなり齲蝕が一気に増加します。対策として、口腔ケアを行い、甘味制限、フッ素塗布、フッ素洗口、フッ素入りの歯磨剤を使用します。

味覚異常

放射線治療の粘膜炎発症とともに、味覚も障害されます。塩味が感じなくなり、濃い味を好むといわれています。

放射線骨壊死

顎骨への放射線照射後に抜歯や義歯による露出した骨面などからおこることが多いといわれています。治療は、局所の洗浄、抗菌剤の投与や少量ずつの腐骨除去、高気圧酸素療法、根治的顎骨切除などがあります。治療が難しい症例も存在します。予防方法としては、顎骨への放射線照射前に保存困難な歯は、抜歯を行い、口腔ケアを励行することです。 下の写真は、放射線骨壊死の症例です。

 
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