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センター　理念・特色・沿革

理念

1. 生活の質の維持を目指した頭頸部癌治療の推進

   頭頸部（あたま・かお・舌・のどなど）は、人間の機能で最も大切な会話・摂食・呼吸・外観機能に関わってくる部位です。当センターでは、それらの機能をいかに維持してがんを克服するかに取り組んでいます。また、がん治療後の後遺症で苦しんでいる患者さんの治療にも積極的に取り組んでいます。

2. 多職種チーム医療による最高水準の医療の実践

   医科、歯科、看護師、コ・メディカルなど、職種を超えた頭頸部癌治療における専門的能力を有する医療従事者チームにより、常に最高水準の医療を実践します。

3. 患者さんに優しくて安全な医療の提供

   患者さんや家族との対話に基づく優しい心の医療、そして安全な医療を提供します。

4. 生活疾患病にも対応した総合的医療の提供

   頭頸部癌の患者さんは、喫煙や糖尿病、高血圧などの生活疾患病を合併することが少なくありません。総合病院として、それらにも対応した医療を提供します。

5. 頭頸部癌診療拠点としての活動

   頭頸部癌の予防を含めた啓蒙活動や地域医療との連携、医療の透明性を保つための情報公開など、頭頸部癌の診療拠点としての活動を推進します。

6. 頭頸部癌における人材育成と研究活動の推進

   頭頸部癌における教育と研修活動による人材育成と、技術革新を目指した研究を推進します。

特色

国立大学初の医科・歯科連携の多職種チーム医療

頭頸部は人間が生活していくための機能で最も大切な、会話、摂食、呼吸、外観などに関わってくる部位です。この領域に発生する頭頸部癌（舌、のど、あご、鼻、耳などのがん）はこれらの機能を著しく障害します。従って、これらの治療はがんの根治を求めながら手術後の生活の質を維持するために、複数分野にわたる幅広い専門性が求められます。当センターは、国立大学病院で初めての医科、歯科、看護師、コ・メディカルなど診療科の枠を超えたチーム医療を一貫して行うことが大きな特色です。耳鼻咽喉・頭頸部外科、形成外科、放射線科、脳神経外科、血液・腫瘍内科、消化管外科、病理診断科、精神神経科、緩和ケアや歯科系の顎口腔再建外科、歯科放射線科など約15以上の関連した医師・歯科医師、そして看護師、薬剤師、言語聴覚士、専門栄養士、社会福祉士らで組織し、耳鼻咽喉頭頸部外科の外来に当センター窓口を設けています。

外来、入院、社会復帰まできめ細かな医療福祉サービス

頭頸部癌の治療により、声を失ったり、普通の食事ができなくなったり、いろんな機能的障害が起こることがあります。また、精神的な苦痛や身体的な痛み、そして再発などに悩まされることもあります。当センターでは、病状や社会的背景などを考慮した治療方針を患者さんごとに決定し、入院中から退院後、そして社会復帰まで、きめ細かな医療福祉サービスを提供いたします。また社会福祉士を通して地域医療との連携も図っていきます。

がん治療後の後遺症に対する生活の質の向上を目指した医療

頭頸部癌の治療には、手術治療、放射線治療、抗がん剤治療などが選択されます。そして、がんは根治できたものの治療による後遺症、すなわち顔貌の変形、会話や摂食の障害、あごの骨の感染、創部の痛みなどで苦しんでいる患者さんがいます。当センターでは、このようながん治療後の後遺症で苦しんでいる患者さんに対して、生活の質の向上を目指した医療を提供しています。

総合病院としての幅広い疾患に対応した医療

頭頸部癌の患者さんの多くは喫煙歴や糖尿病、高血圧、心臓疾患などの生活疾患病を有しています。当センターは総合病院内に設置されているため、これらの生活疾患病にも対応した安全な医療を提供いたします。

大学病院としての高度な医療、研究、教育活動の推進

大学病院として最新で高度な医療を提供するとともに、技術革新を追求する研究や、疾患情報の提供をしていきます。また、教育面にも配慮し全国的に不足している頭頸部癌専門の人材育成を含めた頭頸部癌治療の拠点としての活動を推進します。

沿革