OHNCC 岡山大学病院頭頸部がんセンター

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頭頸部がん治療における歯科医の役割

頭頚部癌治療後の歯科治療難民について

頭頸部癌術後には、歯科治療において誤嚥などをきたしやすい症例が多くあり、通常の水平位での歯科診療に難儀し、坐位診療でも治療が難しい場合も存在します。また、顎骨への放射線照射後には、抜歯により骨壊死を招くリスクがあります。このような理由により、一般の歯科開業医では、治療が難しい場合も存在し、歯科治療難民となるケースも存在します。

下写真の患者さんは、舌癌術後で、腹直筋皮弁(おなかの皮膚と筋肉)で再建されました。左下8(親知らず)の炎症をおこし、抜歯が必要となりました。

上の写真の患者さんは、舌癌術後で、腹直筋皮弁(おなかの皮膚と筋肉)で再建されました。左下8(親知らず)の炎症をおこし、抜歯が必要となりました。 上の写真では、左下8(親知らず)が水平埋伏歯です(横に向いて生えています)。

通常の歯科における水平診療では、誤嚥があり、治療困難です。また、坐位診療(下写真)でも、歯科処置の内容により、治療の制限があります。今回の場合は、水平埋伏智歯の抜歯であり、局所麻酔下での抜歯は難しいと判断し、全身麻酔下で左下智歯を抜歯しました。

  上の写真では、左下8(親知らず)水平埋伏歯の全身麻酔下での抜歯後のレントゲンです。

上記のような患者さんを歯科治療難民化させないためにも、頭頸部がんセンター顎口腔再建外科をはじめ歯科部門の役割も大きく、軽症例は、開業歯科医の先生とも連携をとりながら、歯科治療をすすめていく必要があると考えています。

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