国立大学法人 岡山大学

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平成30年7月豪雨被災地でのボランティア活動に参加して—自分がやるべきことをする—

タイトル

 平成30年7月豪雨による災害を受け、岡山大学では7月7日に災害対策本部を立ち上げ対策に乗り出しています。ボランティア説明会の開催や、岡山大学災害ボランティア支援センター(OVC)を設置したほか、日本財団学生ボランティアセンターとの連携によるボランティア活動も精力的に行っています。今回は、ボランティア活動に参加した学生に集まっていただき、青尾OVC副センター長を交えて 自身の体験や考えについて話していただきました。(聞き手=髙橋伸二総務・企画部広報・情報戦略室長)

参加者(写真左から)
青尾 謙(あおお けん) 副理事・大学院ヘルスシステム統合科学研究科講師・OVC副センター長
TAN Xian Wen(タン・シャンウェン) 大学院医歯薬学総合研究科博士課程2年生、マレーシア出身
久保 葵(くぼ あおい) 工学部4年生 愛媛県出身
中尾友則(なかお とものり) 経済学部4 年生 島根県出身

―ボランティアに参加しようと思った動機と、活動の状況を教えてください。

中尾 テレビで見た被災地は衝撃的な状況で、自分のすぐ近くで起きているので何か貢献したいと思っていました。最初は、岡山市北区の災害 ボランティアセンターでボランティアに参加していました。OVCがボランティアの体験談を話せる人を募集していたので志願し、今はOVCで運営の手伝いをしています。倉敷市での活動にも参加しました。
久保 私も、何かできればと思って北区の災害ボランティアセンターに電話しました。現地まで自分で行かないとボランティアに参加できないと言われ諦めていましたが、OVCができて、バスを用意してくれたので参加することができました。岡山市東区でニーズ調整や泥かきの作業をしました。
タン 災害がないといわれている岡山で、人々が苦しむ姿を見るのはショックでした。母国のマレーシアでワールドビジョン国際(NGO)の委員会のメンバーだったこともあり、civic responsibility(市民としての責任)をボランティアや災害救援で果たしたいと思って参加しました。総社市と倉敷市の活動に参加しました。

―ボランティアに参加して感じたことを教えてください。

中尾 最初は、被災者の方に涙を流して「ありがとう」と言われて、どう声をかけて良いか分かりませんでした。一緒に参加した人が声をかけるのを見て、作業より被災者の心のケアをすることが重要と思いました。
久保 聞き取り調査に参加しました。調査でお話しした時には「他人の助けは必要ない」と言われていたのが、後からお手伝いに行くと喜ばれるということがあり、 現場に行かなければ分からないことがたくさんあると実感しました。
タン 壊滅的な状況の中、地元の人達が諦めず、ほほえみを持って乗り越えようとする姿が印象に残りました。私は留学生ですが、ボランティアに参加することにためらいはありませんでした。日本人と留学生では言葉の違いが障壁になりますが、good cause(大義)があるときは、言葉の壁、人種の違いを乗り越えて行動することで一緒になれると思っています。

中尾さん
中尾さん

―ボランティアに参加して、自分自身が得たものは何でしょうか。また、ボランティアに対する今後の関わり方やOVCに期待することをお話しください。

久保さん
久保さん

中尾 就職も決まり時間をもてあましていた中で、ボランティアに参加することができ、やりがいが生まれました。自分の知らないことを知ることができたのは、大きな収穫でした。災害の復興には時間がかかるので、風化させないことが重要です。継続して支援に関わっていきたいと思います。
久保 ボランティア先の女性が、長年大事にされていた庭が泥に浸かってしまい、悲しい思いをされていました。泥かきのお手伝いをしながら庭への思いを伺うことで、一時でも災害を忘れてもらうことができてよかったです。今後は、この経験を皆さんに伝えていきたいと思っています。
タン 今回の経験で人生の見方が変わりました。被災者の方々は、皆、笑顔で前向き。それを見ていると、明日は良くなると信じて生きていくことが大事だと思うようになりました。来日して1年半になりますが、日本人・日本社会は正確で、秩序だっていると思っています。被災地でも変わることなく、慌てず秩序だった様子を見て、日本人のたくましさ、強さを改めて感じました。OVCが引き続きボランティアの情報を提供することは、安全なボランティア活動のためにも重要です。英語による情報提供があれば、なお良いと思います。

―これからボランティアに参加する人へのアドバイスがあればお願いします。

中尾 ボランティアに参加して、一歩踏み出すことの大切さが分かりました。躊躇(ちゅうちょ)することもあるかと思いますが、参加することはこれからの防災にもつながります。参加することに意味があるので、経験を重ねてほしいです。
久保 OVCであらかじめ仕事の内容を教えてもらい、私にもできる仕事があることが分かりました。女性にはできることがないと思っている人が多いと思いますが、一度行ってみて、できることがあると分かってほしいです。まずは一度行くことが大事です。これからも、ボランティアの仕事が無くなることはありません。必ず何か役に立つことがあるので、参加していただきたいです。
タン OVCが熱中症対策などのサポートをしてくれるので、安心して参加できます。ボランティアへの参加は、思ったほど大変なことではありません。一人一人ができることは小さいですが、積み重ねることで大きな効果が生まれます。

タンさん
タンさん

―最後にOVCの副センター長の青尾先生に、皆さんのお話を伺った感想をお願いします。

青尾先生
青尾先生

青尾 災害直後からOVC副センター長としてボランティアに関する支援をしてきました。OVCは、学生のみなさんの力によってなり立っています。皆さんには、本当に感謝しています。
 災害時には、自分たちなりに考えて、自分がやるべきだと思うことを少しずつするしかありません。20 年前、私は学生ボランティアの一人として活動してきましたが、今は支援する側になっています。それを考えると、最初の一歩が大事だと思います。自分にできることをすることで、次の一歩を踏み出すことができ、そうすると一歩ずつ見える景色が変わってきます。前には見えなかったことが見え、自分らしいことができるようになるのではと感じています。

OVCの取り組み

説明会
7月11日
災害ボランティアの説明会を本学津島キャンパスで開催し、学生ら237人が参加しました。ボランティアにおける注意事項や学内での手続きなどについて説明しました。
センター
7月17日
岡山大学災害ボランティア支援センターを設置しました。一般教育棟A棟1階で活動しています。
現地
7月21、28日、8月4日
OVCによる学生・教職員ボランティア活動を総社市(7月21日)、岡山市東区(同28日)、倉敷市(8月4日)で行いました。

(18.9.3)