風しんについて

風しん(ふうしん)=三日麻疹(みっかばしか)

風疹情報(学生保健ネットワーク 2014/4/16配信から)
 新年度が始まり,慌ただしい日々をお過ごしかと思います。
さて,昨年3月にも情報提供させて頂きましたが,風しんに関する話題提供です。
平成24年より風しんの罹患者が増加しており,岡山県下でも平成25年は76名の発生が報告されており,風しんが全数報告になって以降最も多い報告となりました(下記参照)。
 ご存知の様に,免疫のない女性が妊娠初期に風しんに罹患すると風疹ウイルスが胎児に感染して,出生児に難聴や心疾患,白内障や緑内障など先天性風しん症候群 (congenital rubella syndrome:CRS)と総称される障がいを引き起こすことがあります。全国的には,平成24年は4名,平成25年は32名,平成26年は8名の先天性風しん症候群が報告されています。
そこで,岡山県・岡山市・倉敷市は,平成26年度から,風しんの無料抗体検査を開始しています。医療機関において風しん抗体検査を行うことにより,予防接種が必要である者を効率的に抽出し接種を促すことを目的としています。

岡山県の場合,対象は以下の方です。
(1)妊娠を希望する女性
(2)(1)の配偶者などの同居者(生活空間を同一にする頻度の高い者)
(3)風しんの抗体価が低い妊婦の配偶者などの同居者
 詳しくは各自治体のホームページをご確認ください。
  http://www.pref.okayama.jp/page/380502.html
  http://www.city.okayama.jp/hofuku/hoken/hoken_00290.html

対象となり得る教職員・学生の方は,抗体が陰性の場合,予防接種が必要で,原則として成人への接種は自己負担となります。ただし,岡山市では,妊娠を希望する女性とそのパートナー(妊婦のパートナーを含む)を対象に,麻しん・風しん混合ワクチンの接種費用の一部を助成しています(平成26年4月1日〜平成27年3月31日)。詳しくは岡山市のホームページをご確認ください。
 http://www.city.okayama.jp/hofuku/hoken/hoken_00284.html

予防接種を実施している医療機関は,おかやま医療情報ネットから検索することができます。ワクチンの費用,在庫及び,予防接種の予約等については,各医療機関にお問い合わせください。

現在ほとんどの学生は中学1年,高校3年時に麻疹・風疹ワクチンの追加接種を受けており基本的には免疫能を持っていると考えられますが,未接種の学生もおります。未接種者は接種することをお奨めいたします。また,20〜40歳に風しんの罹患者が多いため,学生・大学院生のみならず,比較的若い教職員の方も未接種であれば接種することをお奨めいたします。


 岡山県の風しん発生状況(岡山県感染情報センターホームページより)


情報提供( 学生保健ネットワーク 2013/3/29配信から)
 ご存知の様に,先天性風しん症候群(下記参照)の発生予防を含む風しん対策の徹底についての通知が,本年2月に文部科学省よりありました。
 風しんは風疹ウイルスによっておこる急性の発疹性感染症です。平均2-3週間の潜伏期間の後,主な症状として発疹,発熱,リンパ節の腫れが認められます。学校保健安全法第2種の感染症であり、発疹が消失するまでは出席停止とされています。
 先天性風疹症候群:抗体を持たない妊娠中の女性が風しんにかかると,赤ちゃんに心奇形や白内障,難聴などの障害(先天性風疹症候群)が起こる可能性があります。妊娠月別の発生頻度は,妊娠1 カ月で50%,2カ月で35%,3カ月で18%,4カ月で8%程度と高率です。
女性では15〜40歳に風しん罹患者が多いためですが,罹患者の主体は男性であり女性の4倍近い発生が見られます(図1)。しかも累積の報告数は,早くも昨年の総報告数に達する勢いで増加しており(図2),首都圏を中心に全国に拡大の傾向が見られます。岡山県は中国5県の中で百万人当たりの報告数が最も高い状況です。
 現在,中学1年,高校3年時に麻疹・風疹ワクチンの追加接種が施行されており,岡山大学に最近入学したほとんどの学生はワクチン接種をしており(新入生ワクチン接種率:H22年93%,H23年95%,H24年97%)基本的には免疫能を持っていると考えられますが,未接種の学生もいます。
 保健管理センターでは,ワクチン未接種学生に対して大学院学生を含めて接種勧奨を行っているところですが,病院実習のある学生以外には,最終的なワクチン接種の確認はできておりません。
委員の皆様方からも,未接種学生に対して接種するようご指導ください。また,20〜40歳に罹患者が多いため(図1),学生・大学院生のみならず,比較的若い教職員への啓発が必要です。
 明らかに風しんにかかったことがある,又は,抗体が陽性であると確認できた方を除いて,これまで風しんの予防接種を受けた事がない場合は,なるべく早く予防接種を受けることが勧められています
 以下は,国際医療研究センター国際感染症センターからの風しんに関する大学への協力依頼です。
  1)現在の流行は,20〜40歳代の男性を主体としており,職域中心の予防接種勧奨が
    効果的と考えられる。大学においては,大学院生,ポスドク,若手教職員などがこれ
    に当たり,それらターゲットに向けて啓発をお願いしたい。
  2)大学内で大規模流行が起こらないように,患者発生時の対策をお願いしたい。
  3)予防接種の集団接種などが可能な施設ではご検討願いたい。

 資金やマンパワーなど難しい面もありますが,新年度でガイダンスの時期でもあり,健康教育の一環として,皆様方にもお力添えいただければ幸いです。

 検査,ワクチン接種の医療機関は保健管理センター(内線7217)へお問い合わせください。

1.年齢群別風しん累積報告数割合(男女別) 2013年 第111週(n2,021



2.風しん累積報告数の推移20092013年(第111週)


岡山県感染症情報センター
http://www.pref.okayama.jp/page/286955.html
風しん Q&A 2012年改訂(国立感染症研究所)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/rubellaqa.html
厚生労働省/国立感染症研究所 感染症発生動向調査(IDWR)より
http://www.nih.go.jp/niid/images/idsc/disease/rubella/2013pdf/rube13-11.pdf