水痘について

水痘(水ぼうそう)とは (学生保健ネットワーク 2017/09/08配信分より)

最近,本学医療系の学生が水痘(みずぼうそう)を発症しました。

 

水痘は水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の初感染によって発生する急性の伝染性疾患です。

感染力は極めて強く,空気(飛沫核)感染,飛沫感染,接触感染によってウイルスは体内に侵入し,通常は2週間前後(1021日)の潜伏期間を経て発病し,発疹,倦怠感,発熱を主症状として発症します。

発疹は全身性でかゆみを伴い,紅色の斑点から盛り上がった発疹(丘疹)を経て短時間で
水疱(水ぶくれ)となり,痂皮(かさぶた)化
します。

年間を通じて発症の報告が見られますが,冬季と春から初夏にかけて多い傾向があります。



(岡山県感染症週報 2017年第34週)

 

水痘は,201410月より生後1236ヵ月未満を対象としてようやく定期予防接種となりましたが,それ以前は任意接種であったため接種率は低く,そのため成人では90%近くは過去に感染の既往を持ち,基本的には生涯免疫を獲得すると言われるため,大学内での集団発生の危険はあまりないと思います

実際に医療系の学生に行った抗体検査では,90%で抗体を保有していました。しかしながら,学生をはじめとして学内でも罹患する例を散見します

 

この疾患は成人が発症すると重症となる場合が多いとされ,入院が必要となる場合があります。
また,感染症法で
届け出が必要であり,学校保健安全法では一定の期間出席停止となる(公欠の対象ため,教育や病院実習に際して注意が必要です。

有効な抗ウイルス薬が開発され予後は改善したものの,現在においても免疫抑制状態下に発症すると時に致死的となる場合があります。

 

さらに,水痘に罹患し治癒した後でも,ウイルスは終生そのひとの体内に潜伏感染します。この潜伏しているウイルスが免疫抑制状態あるいは高齢化に伴って再活性化し,帯状疱疹を発症する可能性があるといわれています(生涯で約20%)。

 

水痘の罹患歴,予防接種歴などの有無を母子手帳などで確認すること,疑わしい症状が有れば早めに医療機関を受診しましょう。

 


<参考>



岡山県感染症情報センター
週報  2017年 第34週(821日 〜 827日)

http://www.pref.okayama.jp/page/99228.html


国立感染症研究所 感染情報センター 注目すべき感染症 水痘

https://idsc.niid.go.jp/idwr/douko/2011d/47douko.html#chumoku1