頭頸部がんの治療
光免疫療法
頭頸部アルミノックス治療
切除不能な再発頭頸部がんに対する治療の主体は化学療法や免疫療法とされていますが、それらの標準的な治療が終了した後、またはそれらの標準的な治療が受けられない患者様に対する確立された治療法はありません。標準的な治療が終了した後の切除不能再発頭頸部がんに対する治療の選択肢として頭頸部アルミノックス治療(光免疫療法)が開発されました。
頭頸部アルミノックス治療（光免疫療法）とは
本治療はアキャルックス®とBioBlade®レーザシステムを併用する局所治療です。アキャルックス®は、セツキシマブという分子標的薬(抗癌剤のひとつ)と光感受性物質の複合体です。点滴投与され、頭頸部扁平上皮がんに高発現するEGFRというタンパク質に選択的に結合します。点滴静注終了2 0〜2 8 時間後にレーザ光を照射することにより、光化学反応を起こし、腫瘍縮小に至ります。詳細については頭頸部アルミノックス治療の開発元である楽天メディカルのホームページをご参照ください(https://rakuten-med.com/jp/illuminox/)。
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注意すべき副作用
アキャルックス®は分子標的薬のひとつであるセツキシマブと光感受性物質の複合体です。そのため、本治療ではセツキシマブによる副作用が出現することがあります。具体的には、重度のアレルギー症状、ざ瘡用皮疹などの皮膚障害などです。レーザー光の照射により腫瘍が急速に縮小することでも副作用が生じます。疼痛や、出血、舌やのどの腫れ等が挙げられます。ひとたび大量の出血が生じれば命に関わることがあるため、腫瘍が頸動脈などの大血管に接していない場合のみ本治療の適応となっています。また、光感受性物質の投与により、日常生活において光を浴びることで皮膚や目に痛みを感じることがありますので（光線過敏症）、特に治療後数週間は日常生活に制限が必要です。
実施可能施設
頭頸部アルミノックス治療は、どの施設でも実施可能な治療というわけではありません。日本頭頸部外科学会指定研修施設であること、頭頸部がん指導医が在籍していること、医療安全管理委員会を有すること等の施設要件を満たすことで日本頭頸部外科学会より認定されます。当院耳鼻咽喉・頭頸部外科ではすべての要件を満たし、更に日本頭頸部外科学会認定 頭頸部アルミノックス治療指導医が在籍しております。
本治療は有効性および安全性は確立していません。そのため、手術や化学療法・放射線療法併用療法などの標準的な治療を行っていない場合はまずそれらの治療を優先して行う必要があります。本治療に関するご相談を希望される方は、耳鼻咽喉・頭頸部外科宛の紹介状をお持ちのうえ受診ください。
