本学の研究機器共用体制・整備等強化促進に関するタスクフォースは、2026年3月23・24日に「中四国・播磨ヘリウムリサイクル事業ネットワーク(通称:中四国・播磨HeReNet)」の連携機関である、香川大学(三木町農学部キャンパス)を、3月27日に本学高等先鋭研究院のひとつである惑星物質研究所(鳥取県東伯郡三朝町)を訪問し、本事業を推進すべく、核磁気共鳴装置(NMR装置)からヘリウムガスの回収(フェーズ1)を開始しました。
本学からは畑中耕治副タスクフォース長・機関連携部門長(主任URA)と総合技術部の石井誠課長、浦上久幸技術専門員、廣田聡技術専門職員、安藤晴菜技術職員と研究協力課の山﨑秀顕専門員、友定良太事務職員、研究・イノベーション共創機構の彭子澴コーディネーターが参加しました。
また、香川大学からは農学部の佐藤正資教授と寺岡美沙技術専門職員が、惑星物質研究所からは薛献宇教授、曽根伸介主査、越智奨太主任が参加しました。
各機関には、岡山大学が事前にヘリウムガス回収用圧縮機1台とヘリウムガス回収用ガスバッグ(1㎥)10個を納品しており、当日は、NMR装置とガスバッグを専用のホース等で接続する作業や回収用圧縮機の試運転等を行った後、NMR装置からガスバッグへのヘリウムガスの回収を開始しました。
NMR装置と接続している、ガスバッグがヘリウムガスで満タンになると、各機関の職員がガスバッグから回収用圧縮機を使ってヘリウムガスをガスボンベに圧縮回収する作業を行います。今回、香川大学と惑星物質研究所でヘリウムガスの回収を始めたことで中四国・播磨HeReNetで6機関(鳥取大学・徳島大学・米子工業高等専門学校・岡山理科大学・香川大学・惑星物質研究所)がヘリウムガスの回収を始めたことになり、HeReNet事業は関係者の協力のもと、想定したスケジュールより大幅に早くフェーズ1が進んでいます。
香川大学の佐藤正資教授は、「大型機器の維持費の大部分を学部教員の受益者負担で賄っている我々のような地方大学にとって、昨今の液体ヘリウム価格の高騰は極めて深刻な問題である。本事業のような広域的なヘリウムリサイクルの取り組みは世界的にもまれと聞いており、本事業の成功が地方大学の財政的負担の軽減につながることを強く期待している」と述べました。また、惑星物質研究所の薛献宇教授は、「ヘリウムは地球上に限りのある希少な資源であり、100%海外からの輸入に頼るため装置からの蒸発分を再利用しないのはもったいない。また、ヘリウムの価格高騰や国際情勢による供給の不安定さはNMR装置の維持において大きな懸念材料になるので今回のHeReNet事業により本学津島キャンパスから遠く離れた本NMR施設でもリサイクルが開始されたことでNMRの安定的維持が実現されることを期待している」と述べました。
本学は、開かれた地域中核・特色ある研究大学として「中四国・播磨HeReNet」および「HeliGet」(使用済み設備などから液体ヘリウムを回収)を通じて、学内のみならず近隣の大学や研究機関、高等専門学校、企業等に液体ヘリウムを供給することで、液体ヘリウムを使った研究・開発の裾野を大いに拡げることを目指します。またヘリウムは100%海外に依存しているため、本取り組みは経済安全保障の点からも極めて重要な取り組みです。さらに本学は、次世代のヘリウムユーザーの育成およびヘリウム価格の安定化を目的とした、ヘリウム関連の人材育成プログラムの開発と実装(HeliSET)も進めており、「HeReNet」、「HeliGet」、「HeliSET」を合わせて「”He3”プロジェクト」として今後も推進していきます。
引き続き、地域中核・特色ある研究大学:岡山大学と参画機関らが進めるわが国の研究力向上・イノベーション創出強化、そして経済安全保障の枠組みにおける重要な取り組みへの挑戦に、どうぞご期待ください。
<参考>
・岩手大学技術職員が本学を訪問~地域中核・特色ある研究大学の取り組み「中四国・播磨HeReNet」の北東北地域への展開に向けて意見交換を実施~
・文部科学省職員が地域中核・特色ある研究大学の取り組み「中四国・播磨HeReNetの施設整備を見学
・中四国・播磨HeReNet-本学が岡山理科大学においてヘリウムガスの回収(フェーズ1)を開始
・中四国・播磨HeReNet-HeliGet岡山大学が岩手大学・岩手医科大学実施の使用済MRIからのヘリウム回収に参画~500L超のヘリウムを回収~
・米子工業高等専門学校、鳥取大学、徳島大学においてヘリウムガスの回収(フェーズ1)を開始
・電気通信大学とヘリウムリサイクル事業などについて意見交換を実施
・岩手大学とのヘリウムリサイクル事業についての意見交換を実施
・使用済み核磁気共鳴装置(NMR)からヘリウムガスを回収~「中四国・播磨ヘリウムリサイクルネットワーク」に向けた大きな一歩~
・わが国の研究力の基盤を支える液体ヘリウムの利用促進・安定供給に向けて11大学・高専等と意見交換を実施
・「中四国・播磨ヘリウムリサイクルネットワーク」始動に向け学内説明会を実施
・「中四国・播磨ヘリウムリサイクルネットワーク」始動に向けた学外説明会を実施
・「中四国・播磨ヘリウムリサイクルネットワーク」始動 ヘリウム回収実証実験を開始
・“人機一体”の研究基盤を強化推進するために「研究機器の共用の体制・整備等の強化促進に関するタスクフォース」が始動
・岡山大学 地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)
【本件問い合わせ先】
研究機器の共用の体制・整備等の強化促進に関するタスクフォース(略称:チーム共用) 機関連携部門
TEL:086-251-8705
E-mail:herenetoffice◎adm.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。
香川大学と本学惑星物質研究所において地域中核・特色ある研究大学の取り組み「中四国・播磨HeReNet」の回収(フェーズ1)を開始
2026年04月01日