呼吸器外科

診療科長より

岡山大学病院の呼吸器外科では,肺がんなどの悪性腫瘍から肺移植まで様々な手術を担当しております。呼吸器外科手術の最後の砦として多くの経験を積んだ10名の専門医が,内視鏡を使った低侵襲手術だけでなく難しい大きな手術にも対応しています。大学病院は敷居が高いという印象があるかもしれませんが,私たちは安全で質の高い手術を,多くの患者の皆さまにできる限り提供させていただきたく思っております。「病気にかかる」ということは大変不安なことだと思います。ご相談も含めお気軽にお問い合わせください。

呼吸器外科長豊岡 伸一

対象疾患について

原発性肺がん,悪性胸膜中皮腫,さまざまな原発巣からの転移性肺腫瘍,縦隔腫瘍,胸壁腫瘍,重症筋無力症,気胸,膿胸,多汗症,外科治療の対象となる感染性肺疾患から肺移植が必要となるような疾患に至るまで,胸部疾患の外科治療を行っています。各疾患の詳細については,当科ホームページ(http://www.nigeka-okayama-u.jp/)をご参照ください。

診療内容と特色について

1998年,岡山大学において日本初の肺移植が成功し,日本における肺移植がスタートしました。以来,岡山大学では国内トップクラスの肺移植経験より培った高い技術と経験豊富なスタッフにより,さらに高水準の肺移植医療をめざし,日々挑戦し続けています。臓器提供の少ない日本だからこそ,移植のチャンスもなく命を落としている移植待機患者救命のため,新しい手術方法の開発に取り組んでいます。
肺がんの治療については,根治性を損なうことなく患者さんの体への負担が極力小さくなるような手術方法を取り入れています。具体的には,胸腔鏡を用いた肺葉切除・肺区域切除を積極的に行っています。また,肺がん・縦隔腫瘍に対するロボット支援下手術(da Vinci)も開始しています。一方で,たとえ肺がんが進行した状態で見つかった場合でも,呼吸器内科や放射線科等と協力しながら周術期に抗がん剤治療・放射線治療を行い,肺がんの根治を目指した治療を行っています。

診療科より患者の皆さまへ

私たちの使命は,患者さんに満足のいく治療を提供することです。各々の患者さんに最適な治療を提供できるよう,毎週行うカンファレンスで全ての患者さんの治療方針を決定しています。また,呼吸器内科・放射線科と定期的に合同カンファレンスを行うことで,判断が難しい症例に関してはさまざまな観点から,手術・化学療法・放射線療法・ラジオ波焼灼などの適応を議論し,最終的には患者さんと相談しながら治療方針を決定しています。さらに,多職種からなる周術期管理センター(PERIO)と協力しながら術後の合併症を最大限に防ぐよう努力を行っています。