臨床遺伝子診療科 遺伝外来

遺伝外来について

臨床遺伝子診療科遺伝外来では,遺伝や遺伝と関連した病気に関する疑問や気になることに応じて,ひとりひとりに対するサポートを行います。詳しく話を聞きたい方を対象に,病気に関する情報をお伝えし,今後について一緒に考えます。病気にかかっているかは問いません。例えば以下のような方はご連絡ください。

  • 遺伝性の病気の可能性があるといわれたが,遺伝について詳細な情報が欲しい。
  • がん治療法の選択のためのコンパニオン診断やがん遺伝子パネル検査で遺伝性の病気である可能性を指摘された。
  • 家系内に同じ病気の人が多いが,自分も病気に発症する可能性はあるか知りたい。
  • 医療機関で遺伝学的検査を勧められたが,どういったものなのか詳しく知りたい。
  • 最初の子が遺伝性の病気と診断された。次に子供が生まれた場合は同じ病気になるのか。
  • 出生前診断について相談したい。
 

診察内容の例

   
遺伝性腫瘍
(本人ががんを発症していなくても,血縁者にがんを発生している方が多くいる場合も含む)
がんの約1割が遺伝因子によるものであることが知られています。がんに罹りやすいという遺伝的な特徴を調べる(遺伝学的検査)ことで,さまざまな診療科と協力してがん予防を目指します。
また,多数の遺伝子を同時に検査することが可能な多遺伝子パネル検査(multi-gene panel testing: MGP)も採用しています。
 
遺伝学的検査の結果に応じて,様々な診療科と緊密に連携して,適切なサーベイランス(定期的な精密検査)や,場合によってはリスク低減乳房切除術(RRM)やリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)についての一緒に考えて行きます。
 
紹介状や当院の受診歴が無くても受診可能です。

なお当院は一般社団法人日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構認定の「遺伝性乳癌卵巣癌総合診療基幹施設」です。
HBOC情報サイト(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 臨床遺伝子医療学分野)
周産期・出生前診断 母体血胎児染色体検査(NIPT)をはじめとした出生前診断における遺伝カウンセリングを実施しています。
先天性難聴 生まれた時からの高度難聴の約半数は,遺伝子の変化が関係しているとされ,検査によって難聴の原因遺伝子が分かり,今後の見通しを立てることが可能な場合があります。検査は全年齢を対象に基本的に保険診療で行っております。また,研究レベルでの追加検査を信州大学と連携して行っております。
皮膚疾患 ネザートン症候群(SPINK5), 悪性黒色腫(BRAF変異),隆起性皮膚線維肉腫(COL1A1-PDGFRB遺伝子),種痘様水痘症と蚊刺過敏症を含むEBV関連リンパ増殖性疾患(網羅的遺伝子解析)(EBV関連の解析は倫理委員会立ち上げの下で2022年までで名古屋大学と連絡を取りながら現在行っています)
口唇裂・口蓋裂 初診時に矯正歯科によるガイダンス説明を行っています。口唇裂・口蓋裂の発症率は,外表奇形の中では内反足に次いで高く,日本人を含むアジア人1/500(0.2%)の割合で発症します。原因不明のものが大多数(70%)ですが,発症理由として遺伝的要因と環境的要因が挙げられます。最近の研究によって,これらの遺伝的要因と環境的要因の相乗効果で発症率が増加することも明らかにされつつあり,このような背景を正確に伝えることは,患者をもつ両親の今後のライフプランにおいて重要であると思われ,患者さんに分かりやすく伝えるよう心掛けています。
小児遺伝 小児に関わる原因不明の発達遅滞を含め,先天性疾患や遺伝性疾患を対象に診療を行っています。
※親子鑑定は実施しておりません。

これらはごく一部のものであり,遺伝に関するものであれば,様々なご相談内容が対象となります。各領域の専門家の医師・歯科医師・認定遺伝カウンセラー等がきめ細かく対応いたします。

 

遺伝外来の料金

遺伝カウンセリング,遺伝学的検査には保険診療の場合と自費診療の場合とがあります。自費診療の場合の遺伝外来料金は原則として下表の通りです(税込)。
 
院外からの所回時の診療 7,150円
2回目以降の受診,または院内紹介受診 3,575円

遺伝学的検査は別途料金がかかります。

母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査(NIPT)の遺伝カウンセリング料については別に定めるところによります。

 

予約方法 

  • 当院で外来受診している患者さんの予約方法
    外来受診の際に直接外来担当医にご相談ください。別日の遺伝外来を予約致します。
 
  • 当院で外来受診していない患者さんの予約方法
     1)現在,病院等に受診されている方は,下記の「FAX診療申込書」と「紹介状(診療情報提供書)」をダウンロード後プリントアウトして,現在おかかりの病院に提出し,予約を依頼してください。今受診している病院から,下記の要領により地域医療連携室に申し込みをしてもらってください。

     2)遺伝性腫瘍の遺伝カウンセリングについては希望があれば紹介状がなくても受診可能です。ご本人ががんを発症していなくても,血縁者にがんを発生している方が多いなどの理由で,遺伝カウンセリングや遺伝学的検査を希望されている場合でも受診可能です。また当院の受診歴の有無も問いません。臨床遺伝専門医や遺伝カウンセラーが事前に相談にのりますので,お気軽にご連絡ください。なおご家族(血縁者)の遺伝学的検査結果の資料をお持ちの場合はご持参ください。
 
  • 他の病院でコンパニオン診断としてBRCA1/2 遺伝学的検査を受けた乳がんや卵巣がんの患者さんへ
​​岡山大学病院以外の病院において,乳がんや卵巣がんの治療薬選択のために BRCA1/2 遺伝学的検査を受けて,HBOCであるといわれた方の遺伝カウンセリングは,当院受診歴の有無を問わず受け付けています。ご自分の病院の主治医にお伝えいただくか,当科にご予約ください。
   
  • FAX受付時間
    平日9時から16時まで,それ以降については翌日の返事になります。
     (FAXは24時間受付対応)
 
  • 予約についての問い合わせ
    TEL:086-235-7205 / FAX:086-235-6761
 
  • FAX予約用紙
    下記によりダウンロード可能です。
FAX診療予約申込書 
※「遺伝外来受診希望」の旨、記載ください。
Excel PDF
診療情報提供書 Word PDF
診察申込書 Excel PDF
ご本人とご家族の病気に関する調査票 Word PDF

また,「診察申込書」は,当院に初めて受診する患者さんには,受診日までにご記入してお持ちいただきますようお伝えください。