肝・胆・膵外科

診療科長より

肝移植や肝胆膵疾患の外科診療を担当しています。肝胆膵外科領域は,手術の難易度が高く難治性のがんが多いのが特徴ですが,肝移植で培った高度な手術手技と周術期管理力を駆使し,岡山大学病院は中四国地方トップクラスの手術件数と手術成績を誇ります。また近年は,肝移植や進行・再発がんへの挑戦だけでなく,腹腔鏡やロボット手術にも力を入れてきました。
病に苦しむ患者さんに,勇気と真心を持って向き合い,最高の外科医療で希望と未来を与えることができるよう全力を尽くします。

肝・胆・膵外科長楳田 祐三

対象疾患について

小児・成人の末期肝硬変や急性肝不全に対して肝移植を行います。
肝胆膵領域悪性疾患では,肝がん,胆道がん,膵がんに対する手術を行っています。また胆石症や膵胆管合流異常症,総胆管拡張症,慢性膵炎などの良性疾患,さらに門脈圧亢進症に対する脾臓摘出やシャント手術なども行っています。

診療内容と特色について

消化器内科・放射線科と緊密な診療体制を構築し,正確ながんの進展評価から術前・術後の化学療法まで,患者さん個々に最適で質の高いがん治療を展開しています。また手術後も,麻酔科を中心とした周術期管理センターと連携し,早期の術後回復・社会復帰を目標としています。手術だけでなく,こうした診療連携・チーム医療によって,安全で良好な手術成績を堅持できていることが私達の強みです。さらに近年は,腹腔鏡やロボットを中心とした低侵襲手術に力を入れてきました。特にロボット手術は,肝切除・膵切除・胆管拡張症手術の全てを行う全国有数の最先端施設となっております。

診療科より患者の皆さまへ

肝移植は,25年の歴史を持つ生体肝移植のほか,これまでに中四国地方初となる脳死肝移植・腎移植,本邦初となる脳死肝腎同時移植を成功させてきました。累計肝移植数は2022年末時点で489例(脳死肝移植51例)であり,中国・四国地方随一の移植実績です。悪性疾患に対しては,他施設で切除不能と判断された高度進行がんであっても,化学療法や肝移植手技を駆使することで切除の可能性を追求できます。また手術方法についても,通常は開腹手術と判断されるような術式でも,最新のロボット手術で“身体に優しい”低侵襲手術を提供させていただきます。