心臓血管外科

診療科長より

岡山大学病院心臓血管外科は,偉大な先人達が築かれた礎のもと,その専門性を高めながら今日に至ります。これまで様々な経験をしてまいりました当科では,そのひとつひとつを丁寧に吟味し学び続けることで,現在では全国から,時には海外からも患者さんが訪れてくださるまでになりました。特に小児心臓血管外科分野では世界的な業績を挙げております。決して驕ることなく謙虚な姿勢で患者さんの診療にあたらせていただきます。

笠原真悟

心臓血管外科長笠原 真悟

対象疾患について

心臓血管外科領域のあらゆる疾患に対応しております。
■小児心臓血管外科疾患
動脈管開存症,心房中隔欠損症,心室中隔欠損症,ファロー四徴症,房室中隔欠損症,総肺静脈還流異常症,大血管転位症,単心室症(左心低形成症候群など)。その他,複雑な先天性心疾患や心筋症・心筋炎を含む重症心不全の外科治療。
■成人先天性心疾患
ファロー四徴症術後の肺動脈弁閉鎖不全症,完全大血管転移症術後の動脈基部拡大,単心室症術後の不整脈など,先天性心疾患未治療例および治療後遠隔期合併症例。
■成人心臓外科疾患
弁膜症,冠動脈疾患,胸部大動脈瘤,大動脈解離,不整脈。経カテーテル大動脈弁置換術,ステントグラフトなどの血管内治療やスーチャーレス人工弁,小切開手術などの低侵襲治療を順次導入。
■血管外科疾患
動脈瘤,閉塞性動脈硬化症,下肢静脈瘤,静脈奇形,透析用シャント作成など,全身の動静脈疾患。

診療内容と特色について

特に,小児心臓血管外科領域では全国有数の症例数と重症度の高い患者さんを診療させていただいてきた実績と自負があります。これらの経験は成人心臓外科領域,血管外科領域にも還元され,既存の治療法に依存しない柔軟な発想でチーム全体が常に活性化されています。各種の低侵襲治療の導入にも注力し,安全で体により負担の少ない治療を提供出来るようになっただけでなく,2021年より,岡山県の大動脈緊急症拠点病院となり,急性大動脈疾患の入院・手術を毎日24時間受入れる体制となりました。大学病院の特色である,他疾患の合併症例や重症例の経験も豊富です。また,多領域・多種職からなる,成人先天性心疾患センターを設け,近隣からはもとより,全国から患者さんを受け入れております。
重症な患者さん,術後間もない患者さんは,ICU/CCU18床およびPICU6床で,術前および退院前の患者さんは,2フロアに及ぶ一般病棟で,いずれも経験豊富なスタッフが,24時間365日体制で診療させていただきます。
チーム医療に力を入れ,One teamとなり,診療にあたらせていただきます。

診療科より患者の皆さまへ

「大学病院で診てもらうことになるなんて思ってもみなかった,そんな重症と思うとショックです」―そうした声を,時に患者さんから伺います。確かに,複雑な病気に対する“最後の砦”としての使命を担う当科ではありますが,よくある基本的な病気にももちろん対応しております。また,お腹の赤ちゃんに心疾患が見つかった場合も,その心配を早い段階から共有できる環境が整っております。出産後の治療まで見据えて対応させていただきます。各方面に専門家が揃う大学病院ならではの方法で,皆様のご期待に沿える道を一緒に考えさせていただきます。まずはかかりつけの先生にご相談いただき,必要に応じて当科を受診してください。