病院長挨拶

金澤右

今だからこそ, Faceを大事に

「顔を向き合ってご飯を食べてはいけません,長時間向き合っておしゃべりしてはいけません,集まるときは2メートルの距離を保ちましょう」。ほぼ世界中の人々が,こんな注意をかけあうことを誰が予想したでしょうか。しかし,現実の私たちは,新型コロナウイルスの世界的大規模感染という未曽有の災害のなかで,その収束を目指すために,そのような生活を送らざるを得ません。

でも,私たち岡山大学病院職員一同は,患者さんやご家族と,しっかりと顔を向き合いたいと思っています。また,職員同士心をつなぎ,そして,地域につながり,さらに世界に私たちの医療を広げていきたいと思っています。その思いを,岡山大学病院は日本語では「向きあう,つながる,広がる」,英語ではFacing your face, facing our community, facing the worldと表現してきました。

病に苦しまれている患者さんを治して差し上げるには,私たちは,患者さんから顔をそらすことはできません。もちろん,新型コロナウイルスに感染している患者さんにも,私たちは,しっかりと感染防護策をとりながら,患者さんの顔をみつめて治療します。また,感染対策には,地域・コミュニティでの協力体制は欠かせません。私たち病院だけが感染対策に臨んでも,感染症の広がりを抑えることはできません。病院も地域とつながりながら,その役割を果たします。さらには,世界の動向を見つめ,世界的な感染対策の中で,私たち岡山大学病院は機能して,学びます。

今だからこそFaceを大事に,私はそう思います。Facing your face, facing our community, facing the world,この合言葉は,まさしく,新型コロナウイルスと戦う私たちの合言葉でもあるのです。
加えて,岡山大学病院の診療にとって大事なのは,hospitality(思いやりの心),quality(高い質),sustainability(絶え間ない持続性)だと思う私たちの気持ちも変わりません。この三つの言葉の英語の頭文字を合わせて,hospitality+quality+sustainability=HOQUASをもう一つの岡山大学病院の合言葉として引き続き,お示ししたいと思います。

1870年に岡山の地に創設された本院の歴史は,途切れることなく,今年2020年には創設150周年を迎えました。この意義深い年に,このような苦難を迎えることは思いだにしませんでしたが,私たちは現実から目をそらすことなく,日々真摯に診療活動に当たり,医療イノベーションに貢献していきたいと思います。

今だからこそ,FaceそしてHOQUAS,岡山大学病院を本年もよろしくお願いいたします。

2020年5月

 岡山大学病院長
文字金澤右