形成外科

診療科長より

12名の形成外科専門医を含む17名のスタッフで診療を行っております。当院は一施設で形成外科領域の疾患のほとんどを網羅している,国内でも有数の施設です。各専門分野に精通した医師が質の高い医療を提供します。

 

対象疾患について

形成外科は生まれつき,あるいはけがやがんなどで変形した身体の異常を,正常に近い形に再建することによって,機能回復と生活の質(QOL)の維持向上を目的とする外科です。具体的には頭頸部がん術後の変形(顔面骨軟部組織の欠損,顔面神経麻痺,放射線後遺症など),性同一性障害(性別適合手術),乳がん術後の変形(一次,二次乳房再建),リンパ浮腫の集学的治療(リンパ管静脈吻合,リンパ節移植,減量手術,理学療法),外傷や腫瘍により失われた手足,顔面の変形,皮膚のひきつれ,血管奇形(血管腫,動静脈奇形,リンパ管腫など),先天異常(唇裂口蓋裂手術,小耳症手術,その他先天的な手足,頭蓋顔面形成手術),眼瞼下垂,睫毛内反などによるまぶた形成術,瘢痕ケロイド,顔面骨骨折,熱傷,潰瘍があります。

診療内容と特色について

当院ではマイクロサージャリー(顕微鏡下手術)の技術を得意としており,これを活かして頭頸部,手足,乳房など身体各部の機能,形態の回復を行います。この他リンパ浮腫においては特殊な画像検査による診断のもと,外科手術(リンパ管静脈吻合,血管付きリンパ節移植,減量手術)と理学療法(リンパドレナージや圧迫療法など)を組み合わせた集学治療を行っております。性同一性障害(GID)に対する性別適合手術では,精神科,婦人科,泌尿器科と合同で診療にあたっており,GID学会により手術に係る認定施設として認定を受けております。小児の頭蓋変形に対する治療では脳外科,矯正歯科,口腔外科,耳鼻科などと連携し,より高いQOLを目指した治療を行っています。また,Apert症候群やCrouzon病などの非常にまれな疾患に対しても積極的に治療を行っております。

診療科より患者の皆さまへ

患者さんとの信頼関係に基づいた医療を行うことが重要だと考えております。患者さんの要望や精神的側面,社会的背景などを考慮して,患者さんの立場に立った最もふさわしい医療を提供できるように留意しています。科内だけでなく他科との合同カンファレンスを重視し,常に総合的かつ先進的な医療を行うよう心がけております。また基幹病院として常に新しい医療を提供できるよう,臨床研究にも力をいれており,国内外において研究成果を学会や講演会等で積極的に発表することで地域への貢献を目指しております。