小児心臓血管外科

診療科長より

岡山大学病院小児心臓血管外科は,先天性心疾患を持って生まれた患者さんに最高の外科治療を提供すべく設置されました。当科は年間手術数約350例を有す,国内有数の施設として,県内,中四国地方はもとより,日本全国や海外からも患者の受け入れを行っています。

笠原真悟

小児心臓血管外科長笠原 真悟

対象疾患について

■小児心臓血管外科疾患
動脈管開存症,心房中隔欠損症,心室中隔欠損症,ファロー四徴症,房室中隔欠損症,総肺静脈還流異常症,大血管転位症,単心室症(左心低形成症候群など)。その他,複雑な先天性心疾患や心筋症・心筋炎を含む重症心不全の外科治療。
■成人先天性心疾患
ファロー四徴症術後の肺動脈弁閉鎖不全症,完全大血管転移症術後の動脈基部拡大,単心室症術後の不整脈など,先天性心疾患未治療例および治療後遠隔期合併症例。

診療内容と特色について

小児循環器科,小児麻酔科,産婦人科,新生児科との協力体制のもと,新生児手術や複雑心奇形の治療経験が豊富です。新生児手術,複雑心奇形を含めた死亡率は1%以下です。特に左心低形成症候群に対するノルウッド佐野手術を用いた初回手術は,現在まで180例を超え,その成功率は92%と非常に良好な成績をあげています。心房中隔欠損症や心室中隔欠損症などに対しては,患者さんの審美性も考慮し,右腋窩小切開手術を行っており,負担の少ない手術を心がけています。また小児用補助人工心臓実施施設として,重症心不全治療を行っている他,日本唯一の小児単心室患者に対する心筋再生医療を手がけています。岡山大学病院小児医療センターの一診療科として,他科と連携し,補助循環併用の多臓器手術にも参加します。
患者さんそれぞれの年齢,性別,背景などに合わせ,将来のライフスタイル,QOLを考慮した治療の選択を心がけています。小児先天性心疾患治療における「最後の砦」として,どんな重症な緊急の患者さんの受け入れも迅速に行います。

診療科より患者の皆さまへ

「大学病院で診てもらうことになるなんて思ってもみなかった,そんな重症と思うとショックです」―そうした声を,時に患者さんから伺います。確かに,複雑な病気に対する“最後の砦”としての使命を担う当科ではありますが,よくある基本的な病気にももちろん対応しております。また,お腹の赤ちゃんに心疾患が見つかった場合も,その心配を早い段階から共有できる環境が整っております。出産後の治療まで見据えて対応させていただきます。各方面に専門家が揃う大学病院ならではの方法で,皆様のご期待に沿える道を一緒に考えさせていただきます。まずはかかりつけの先生にご相談いただき,必要に応じて当科を受診してください。