聴覚支援センター

活動内容・特色について

聴覚は人が音声言語によるコミュニケーションを行う上で大変重要です。聴覚障がい者はコミュニケーションに支障を抱えていて,補聴機器や視覚的手段を使用しても完全には解消されないのが現状です。小児をはじめ若い世代では学校や職場で適切な理解や配慮が受けられず,多岐にわたる問題が生じています。一方,認知症の予防しうる危険因子第1位である加齢性難聴で,補聴器装用が有効とされていますが,日本の特に高齢の難聴自覚者では補聴器装用率が非常に低い状況です。
これらの社会課題の解決を目標に,2021年岡山大学耳鼻咽喉科は「聴覚障がい児・者に対する多職種連携による情報バリアフリーおよび共生社会の実現に向けたプロジェクト」を岡山大学SDGsに登録し,聴覚障がい児・者の共生社会実現を目標とした取り組みを開始しました。乳幼児期だけでなく学齢期の児に対する支援体制の構築,就労前・後支援による社会参加の向上,成人・高齢者への大規模補聴導入推進などの実現に向け,始動しています。
今まで不十分であった学齢期以降の聴覚障がい児・者への教育連携下での医療をより拡充するとともに,高齢者,特に県北等のアウトリーチの人々や保健師,民生委員等支援者に対しても啓発しています。
また災害時や緊急時の情報遅れといった課題に対しても,機器開発を含めた実装研究を行っています。
「聴覚支援センター」では,耳鼻咽喉科だけでなく,小児科,産科婦人科をはじめとした各科,SDGs推進本部,教育学部,障がい学生支援室,障がい者雇用推進室,ダイバーシティ推進本部,学外的にも療育・教育,福祉,企業と協働にて聴覚障がいをもつ方々のサポートをしていきます。
 

◆聴覚支援センターの基軸

1. 聴覚・言語障がい者のコミュニケーション手段を確立し,社会的自立を支援する

2. 社会貢献できる聴覚障がい者を育成する

3. 聴覚障がい者が社会参加できるプラットフォームを形成する