緩和支持医療科

診療科長より

医療は何のためにあるのでしょうか?私たちは,医療は患者さんと家族の皆さんが幸せになるためにあるべきだと考えます。病を治すための医療を提供することが私たちの務めであると同時に,痛みをはじめとする様々なつらさをとりのぞくことも大切だと考えます。緩和医療は治療と並行して行われ,治療効果を高め,皆様が幸せになるための医療です。治療中につらいと感じたら,いつでも主治医の先生や看護師さんに気軽にご相談ください。

緩和支持医療科長田端 雅弘

対象疾患について

がん患者さんだけでなく,生命を脅かす状況にある様々な臓器不全の患者さん,神経疾患や免疫不全などと診断された患者さんの,以下の問題に対応します。
◎病気そのものや治療に伴う,痛み・呼吸困難・吐き気・倦怠感など体の症状の緩和
◎気持ちのつらさ・不安などの精神症状の緩和。
◎仕事や経済的な問題への対応
◎在宅療養や緩和ケア病棟などの療養場所の相談(当院には緩和ケア病棟はありません)
◎今後の治療方針についての相談(主科の先生と協働して相談にのります)
◎ご家族のサポート

診療内容と特色について

がんや,そのほかの心臓や腎臓の臓器不全の患者さんなどもそうですが,生命の危機を感じる疾患にかかられている方は,患者さんのみならずそのご家族も,様々なつらさや苦しみを抱えながら治療を受けています。そのつらさは体の問題だけでなく,不安などの心の問題,今後の過ごし方や経済的な問題,家族の問題などの社会的な問題など多岐に渡ります。我々はこのような様々な問題に直面している患者さんやそのご家族に対して,色々な科の医師や看護師,薬剤師やその他の多職種でチームを作り対応していきます。毎週行われるカンファレンスで,患者さんに一番適した治療法を相談させていただきます。一番の目標は,治療中あるいは治療を終わられた患者さんも含めて,患者さんとそのご家族のQOL(Quality of Life, 生活の質)を高め,ご自身にあったより良い治療を受けていただくことです。

診療科より患者の皆さまへ

最近では緩和治療への理解が進んできて,多くの患者さんや医療者の方から早期からの緩和治療が求められてきています。しかしまだ緩和治療は病気が進行した患者さんだけが受ける治療である,終末期の治療であると誤解されている患者さんご家族の方もおられます。早い段階から緩和治療を受けて苦痛や不安を改善した方が,がんなどの病気そのものに対する治療への効果も期待できることがわかってきています。現在治療を受けていながらも苦痛やつらさがありましたら,緩和支持医療科で相談に乗らせていただきますので,遠慮なく主治医に申し出てください。