小児頭蓋顔面形成センター

診療・運営体制

頭蓋骨縫合早期癒合症を代表とする,小児期から頭蓋が狭くなる,顔面が変形する,稀な疾患に対して治療を行っています。手術による頭蓋拡大により脳の成長を促すのみならず,成長に応じて頭蓋・顔面の形、咀嚼(かむ)機能を整えることで,より長期的に満足の得られる治療を目標としています。岡山小児頭蓋顔面形成センター(OCFC)は,脳神経外科,形成外科,矯正歯科,口腔外科を中心とした協力的な診療体制を取っている全国的にも進んだ施設です。科の垣根は無く,それぞれの専門分野に気軽に相談できる体制ですので,安心して治療を受けていただけると思います。

 


センター長

田中 將太

 

診療内容・特色

2009年に岡山小児頭蓋顔面形成センターを設立以降,頭蓋骨縫合早期癒合症に対して100名近くの患者さんに対して治療を行ってきた経験と研究をもとに,治療を行っています。頭蓋骨縫合早期癒合症は2500-3000出生あたりに1人程度発症する稀な病気ですが,癒合部位や程度により変形や症状が様々です。乳児期から頭蓋や顔面に変形が生じていることが多く,成長が進むにつれ変形が強くなることで発見されます。クルーゾン症候群,アペール症候群,ファイファー症候群をはじめとする症候群性頭蓋骨縫合早期癒合症のなかには頭蓋内圧亢進症や水頭症という生命に関わる状態になることもあり,さらに複数回の手術が必要になることも多いです。このため,成長時期に応じて適切な治療を行うことが大切です。
当センターでは,縫合切除術,一期的頭蓋形成術,一方向の骨延長法のほか,多方向に自在に骨延長を行うMCDO法で治療を行っています。これらの術式は,月齢や頭蓋変形に応じて最適な方法を選択して計画します。顔面・顎形成異常のある患者さんは学童期頃になると矯正歯科で嚙み合わせを整える治療を始めていきます。また,成長の過程で新たに生じ得る顔面や顎の変形に対しても,その病状毎に治療していきます。
頭蓋骨縫合早期癒合症以外にも,顔面列や口蓋裂,小顎症や片側顔面低形成などについて形成外科,矯正歯科,口腔外科で診療を行っています。
 

スタッフ紹介

氏名 所属 専門分野 認定医・専門医 等
田中 將太
脳神経外科 教授
脳腫瘍
悪性脳腫瘍
がんゲノム医療
神経内視鏡
脳神経外科一般
日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本神経内視鏡学会技術認定医
米国医師免許(ミネソタ州・マサチューセッツ州医師免許)
石田 穣治
脳神経外科 小児神経外科
脳腫瘍
日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本小児神経外科学会認定医
日本神経内視鏡学会技術認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
妹尾 貴矢
形成外科 小児先天性疾患
血管奇形
日本形成外科学会専門医
Craniosynostosis研究会世話人
上岡  寛
矯正歯科 教授
矯正歯科
口唇裂・口蓋裂
顎変形症
日本矯正歯科学会 認定医・指導医
早野  暁 矯正歯科
矯正歯科
口唇裂・口蓋裂
顎変形症
日本矯正歯科学会 認定医・指導医
ヨーロッパ矯正歯科学会 専門医(EBO)
英国矯正歯科 認定医(MOrth RCSEd)
飯田 征二 顎口腔再建外科 教授
口腔外科
口唇裂・口蓋裂
顎変形症
日本口腔外科学会専門医・指導医
日本口蓋裂学会 認定師(口腔外科)
日本口腔科学会 認定医・指導医