小児神経科

診療科長より

小児神経科は,小児のさまざまな神経疾患や障害の診療を行います。この重要性は他の先進国では広く認識されていますが,日本ではまだ専門科が少なく広く各地から紹介を受けています。様々な障害のある小児の診療であるため,単に疾病の治療だけではなく,患者さんとそのご家族が抱える発達過程での多面的な問題を,紹介医や地域・学校との協力関係の中で解決・軽減するよう努めます。

小林勝弘

小児神経科長小林 勝弘

対象疾患について

小児の神経疾患を広く網羅して主として内科的診療を行います。てんかん,特に難治てんかんの治療では国内でも有数の実績があります。発達障害・行動異常や脳性麻痺も重要な分野です。難治てんかんについては,脳神経外科と協力して外科治療をすすめています。
主な対象疾患
◎ 発作・けいれん性疾患:小児てんかん特に難治てんかん,良性けいれん,けいれん類縁疾患など
◎ 神経筋疾患:末梢神経疾患,筋ジストロフィーなどの筋疾患
◎ 脳性麻痺などの小児の運動障害
◎ 睡眠障害:睡眠時無呼吸症候群,ナルコレプシー,むずむず脚症候群など
◎ 代謝・変性疾患・急性脳症
◎ 脳血管障害など

診療内容と特色について

小児神経科は,欧米においては早くから専門分科とみなされていますが,わが国では先進国の中では例外的に,専門診療科の設立が遅れているのが現状で,小児神経学専門の診療科を有する大学病院は全国でも2カ所しかありません。そこで,毎日多くの小児神経疾患の患者さんが中国・四国地方を中心として西日本各地から紹介されて来院されています。
小児神経科外来では上述の様々な小児神経疾患を対象に診療を行っています。初診は月から木曜日の午前中,再来は月から金曜日の午前中に行っています。

診療科より患者の皆さまへ

脳波検査は再来患者さんについて原則として予約制です。診察時に担当医が予約する他に,お電話での予約も扱っております。初診の患者さんの脳波などの検査は即日にはできず再来していただくことが多いですし,検査希望が集中するとき特に学校の春・夏・冬期休業期間中はご希望に沿えないことがありますが,ご了承ください。小児神経科は病床数が8床しかなく,常に患者さんが入院待機しておられます。緊急の場合は優先いたしますが,初診当日の入院は,まず困難であることをご理解いただければ幸いです。