お知らせ

2022/09/01 お知らせ

「聴覚支援センター」を9月1日に開設

岡山大学病院は9月1日,聴覚障がい児・聴覚障がい者の医療的,社会的支援に特化した「聴覚支援センター」を開設しました。
聴覚は,人が音声言語によるコミュニケーションを行う上で大変重要です。聴覚障がい者はコミュニケーションに支障を抱えていて,補聴機器や視覚的手段を使用しても完全には解消されないのが現状です。中でも,小児をはじめ若い世代では学校や職場で適切な理解や配慮が受けられず,多岐にわたる問題が生じています。また,加齢性難聴には補聴器装用が有効とされていますが,日本では,特に高齢の難聴自覚者の補聴器装用率が非常に低いという状況があります。
これらの社会課題の解決を目標に,2021年岡山大学病院耳鼻咽喉科は「聴覚障がい児・者に対する多職種連携による情報バリアフリーおよび共生社会の実現に向けたプロジェクト」を岡山大学のSDGs取組事例に登録し,聴覚障がい児・者の共生社会実現を目標とした取り組みを開始しました。乳幼児期だけでなく学齢期の児童・生徒に対する支援体制の構築,就労前・後支援による社会参加の向上,成人・高齢者への大規模補聴導入推進などの実現に向け,始動しています。今まで不十分であった学齢期以降の聴覚障がい児・者への教育連携下での医療をより拡充するとともに,高齢者,特に県北等のアウトリーチの人々や保健師,民生委員等支援者に対しても啓発しています。また災害時や緊急時の情報遅れといった課題に対しても,機器開発を含めた実装研究を行っています。
「聴覚支援センター」は当院の耳鼻咽喉科だけでなく,小児科,小児神経科,産科婦人科,臨床遺伝子診療科や,岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の災害医療マネジメント学講座,地域医療人材育成講座,老年医学等により構成しています。また,岡山大学SDGs推進本部,教育学部,障がい学生支援室,障がい者雇用推進室,グッドジョブセンター,ダイバーシティ推進本部との連携や,さらには学外の療育・教育,福祉,企業と協働して聴覚障がいをもつ方々のサポートをしていきます。
 
 
◆聴覚支援センターの基軸◆
1.聴覚・言語障がい者のコミュニケーション手段を確立し,社会的自立を支援する
2.社会貢献できる聴覚障がい者を育成する
3.聴覚障がい者が社会参加できるプラットフォームを形成する
 
 
【本件問い合わせ】
岡山大学病院 耳鼻咽喉科
TEL086-235-7307