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2025/10/23お知らせ

タマサート大学医学部との国際連携に向けた意見交換を実施

9月9日,本学学術研究院医療開発領域 新医療研究開発センター(岡山大学病院)の内田大輔准教授(特任)をはじめとする訪問団が,タイ王国のタマサート大学医学部を訪問し,医療機器の研究開発における国際連携の可能性について意見交換を行いました。
タマサート大学は1934年に設立されたタイを代表する国立大学であり,医学部では国際的な研究・教育活動に積極的に取り組んでいます。今回の訪問では,研究・イノベーション担当副学部長のThipaporn Tharavanij教授をはじめとする教員から,同大学における研究や技術革新の取り組みが紹介されました。
本学からは,BIZENプログラムや医療機器開発に関する活動を紹介しました。また,参加企業からはAIを活用した診断支援システムなどの先端医療技術が紹介され,技術協力の可能性について活発な議論が交わされました。記念品の交換や集合写真の撮影も行い,両大学の友好と信頼をさらに深める貴重な機会となりました。
本訪問は,令和6年度「優れた医療機器の創出に係る産業振興拠点強化事業」の一環として,国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもと,オルバヘルスケアホールディングス株式会社およびタイオルバヘルスケア株式会社の協力により実現しました。
今後は,共同研究や技術協力の具体的なテーマの検討,学術交流プログラムの展開,医療機器開発やデジタルヘルス分野でのさらなる連携が期待されます。

【本件問い合わせ先】
岡山大学病院 新医療研究開発センター 次世代医療機器開発部
岡山大学 研究・イノベーション共創機構 医療系本部
TEL:086-235-6979, 7697
BIZEN ホームページ

BIZENプログラム紹介の様子(内田准教授)
BIZENプログラム紹介の様子(内田准教授)

2025/10/20プレスリリース

切除可能な膵臓がんに対する術前化学療法で長期生存率が向上

岡山大学病院では,肝・胆・膵外科と消化器内科が連携して膵臓がん治療の合同プロトコールを作成し,これまで集学的治療を行ってきました。今回,岡山大学学術研究院医療開発領域(岡山大学病院)所属の,肝・胆・膵外科の高木弘誠講師,臓器移植医療センター(肝・胆・膵外科)の安井和也助教(特任),光学医療診療部(消化器内科)の松本和幸講師らのグループは,切除可能な膵臓がんに対する術前化学療法(GS療法)の安全性と有効性を検証しました。
これらの研究成果は10月10日,欧州のがん関連研究学術誌「Cancers」に掲載されました。
術前化学療法群では全例が外科切除に臨むことができ,2年全生存率は術前化学療法群で83%,従来の治療法である手術先行群では61%であり,術前化学療法の導入で有意に予後を改善しました。また予後に関連する事項として,「術前化学療法の導入,病理学的リンパ節転移の有無,術後補助療法の完遂」の3つの因子が確認できました。
本研究成果は切除可能膵臓がんに対する術前化学療法の有効性を示したのみならず,合併症の少ない安全な手術と術後補助化学療法の実施の重要性も示しました。今後,さらなる膵臓がん治療成績の改善に役立つことが期待されます。

*詳細はこちらをご覧ください。

切除可能な膵臓がんに対する術前化学療法で長期生存率が向上

2025/10/16プレスリリース

歯周病が血糖値の日内変動を乱す!~糖尿病や糖尿病合併症の病態に悪影響を及ぼす可能性を実証~

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯周病態学分野の高盛萌可大学院生,同大学学術研究院医歯薬学域(歯)歯周病態学分野の大森一弘准教授,高柴正悟教授,同大学学術研究院医歯薬学域(医)腎・免疫・内分泌代謝内科学分野の和田淳教授らの研究グループは,口腔疾患である歯周病の進行が糖尿病の病態に関与する血糖値の日内変動を悪化させることを,持続型血糖測定(Continuous Glucose Monitoring:CGM)センサーを装着した歯周病マウスモデルを用いて実証しました。本研究成果は2025年10月6日付で国際学術誌Scientific Reportsに掲載されました。
糖尿病患者さんにおける血糖値の管理には,従来,血液検査であるHbA1cや空腹時血糖値等が用いられています。しかし,最近は,CGMを用いた血糖管理が主流となってきており,糖尿病合併症のリスクを下げる上でも血糖値の日内変動を管理することが重要となってきています。
今回の研究成果は,口(くち)の病気である歯周病が血糖値の日内変動を質的に悪化させるメカニズムの一端を解明するものであり,従来から進められている糖尿病医療における医科歯科連携の重要性をさらに後押しする重要なエビデンスとなります。

*詳細はこちらをご覧ください。

CGMセンサーを装着した歯周病マウスモデルにおいて,歯周病の進行とともに血糖値の日内変動が乱れる(1日の平均血糖値の上昇,TARの亢進)
CGMセンサーを装着した歯周病マウスモデルにおいて,歯周病の進行とともに血糖値の日内変動が乱れる(1日の平均血糖値の上昇,TARの亢進)

2025/10/16プレスリリース

不妊と歯周病が関連する!~不妊原因としての歯周病原細菌感染の可能性~

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯周病態学分野の永田千晶客員研究員,同大学学術研究院医歯薬学域(歯)歯周病態学分野の大森一弘准教授,高柴正悟教授,三宅医院・不妊治療-生殖医療センター(岡山市南区)の三宅貴仁院長らの研究グループは,不妊治療中の患者さんは,歯周病原細菌の一つであるPorphyromonas gingivalis(Pg菌)の感染度が高いこと,そしてPg菌を感染させた歯周病マウスモデルを用いた動物実験において,雌性マウスの子宮に異常(肥大化)が生じて,出生数の減少,胎児の低体重化といった悪影響が出ることを世界で初めて確認しました。本研究成果は2025年10月7日付で国際学術誌Scientific Reportsに掲載されました。
今回の研究成果は,口の病気である歯周病が,これまでに報告されていた早産・低体重児出産だけではなく,不妊環境の構築にも関与する可能性を示唆するものです。少子化が進む現代社会において,不妊治療の成功率を高めていくことが望まれます。そして,不妊治療の成功だけではなく,授かった新たな命が無事誕生することも重要です。そのためにも,口(くち)の環境を妊娠活動または不妊治療開始前までに整えることが重要であることをあらためて提案するものです。

*詳細はこちらをご覧ください。

不妊治療患者群では歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalisに対するIgG抗体価が上昇している。(A)全体での解析,(B)年齢で分けた解析,(C)不妊期間で分けた解析
不妊治療患者群では歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalisに対するIgG抗体価が上昇している。(A)全体での解析,(B)年齢で分けた解析,(C)不妊期間で分けた解析

2025/10/16お知らせ

院内でのマスク着用について(10月20日~)

岡山大学病院では,新型コロナウイルス感染対策の一環として,院内でのマスク着用をお願いしてまいりましたが,2025年10月20日より,医療スタッフを含め,マスク着用は個人の判断に委ねることといたします。
ただし,次のような場合には,感染拡大防止のため,マスクの着用をお願いいたします。

  • 咳やくしゃみなどの感冒症状がある方
  • 医療スタッフからマスク着用をお願いした場合
  • インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症流行期
引き続き,皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。
岡山大学病院 感染制御部

2025/10/14プレスリリース

先天性心疾患の原因解明に挑む!岡山大学病院がクラウドファンディングを開始~未来の子どもたちの命を守るための全ゲノム解析プロジェクト~

岡山大学病院心臓血管外科(科長・教授:笠原真悟)は,「先天性心疾患の原因解明と未来の医療への貢献」を目的としたクラウドファンディングを開始しました。先天性心疾患は約100人に1人が発症する生まれつきの心臓病であり,重症例では複数回の手術や生涯にわたる医療的支援が必要となります。国内では治療技術の進歩により成人患者が増加し,現在では50万人を超えると推定されています。本プロジェクトでは,患者さんから提供いただいた検体をもとに,全ゲノムシークエンス解析を行い,疾患に関連する可能性のある遺伝子の特定を目指します。これにより,原因不明の疾患の理解を深め,将来的な治療法開発や予防医療への応用が期待されます。
寄付金は解析費用のほか,クラウドファンディングに伴う諸経費や返礼品の制作・発送費用に充てられます。クラウドファンディングは「All in方式」で実施され,寄付総額に応じて解析対象検体数を決定します。

<プロジェクトの概要>
【募集期間】2025年10月6日(月)9時 ~ 12月19日(金)23時
【寄付の方法】 https://readyfor.jp/projects/okayamaCVS
         クレジットカード、銀行振込、コンビニ支払いに対応。
【使用目的】全ゲノムシークエンス解析費用,関連経費(返礼品制作・発送含む)
【寄付の取扱い】寄付は国立大学法人岡山大学への寄付となり,税制上の優遇措置の対象となります。領収書は2026年4月ごろに発送予定,寄付日は岡山大学への入金日(2026年2月10日ごろ)となります。

*詳細はこちらをご覧ください。

2025/10/10お知らせ

救急医療への支援が評価され,カンボジア・バッタンバン州保健局から感謝状をいただきました

2021年から「JICA草の根事業 カンボジア救急医療支援事業」に技術専門家として本院の看護師が参加しています。カンボジア・バッタンバン州において,現地医療従事者による医療教育システムの構築を目標に,インストラクターの養成や医療従事者の知識・技術の向上に取り組んできました。これまでに延べ1500人の医療従事者を対象に,BLS(一時救命処置)や外傷初期診療などの講義を実施しています。また,現地のインストラクター候補者を本院で実習生として受け入れ,日本の救急医療の現場を見学・研修していただきました。
これらの活動が高く評価され,バッタンバン州保健局より感謝状が授与されました。10月8日には,入院棟西3階EICUの三橋乙矢看護師らが前田嘉信病院長を訪問し,活動内容と感謝状授与について報告しました。

★当院での実習およびカンボジアでの活動の様子などは,公式インスタグラムでも紹介しています。
 


病院長へ報告する三橋看護師(右から2人目)ら

現地インストラクター候補者が当院で実習。ドクターカーの前で記念撮影
 

当院・救命救急科の医師による講義

当院・産科婦人科の医師による講義
 

カンボジアでの活動の様子

現地で医療従事者らと記念撮影


【本件問い合わせ】
岡山大学病院 総務企画課
TEL086-235-6749

救急医療への支援が評価され,カンボジア・バッタンバン州保健局から感謝状をいただきました

2025/10/06プレスリリース

肺がん治療薬オシメルチニブによる心不全入院リスクを大規模データで検証―国内12万人規模のデータ解析で有意なリスク上昇を確認―

岡山大学病院薬剤部の建部泰尚薬剤師,田中雄太副薬剤部長,岡山大学学術研究院医療開発領域薬剤部の座間味義人教授(岡山大学病院 薬剤部長)らの研究グループは,日本の大規模医療データベースに含まれる肺がん患者約12万人分のデータを解析し,EGFR変異陽性の非小細胞肺がんの治療薬である 「オシメルチニブ」を使用する患者さんでは,他の治療薬を使う患者さんと比較して心不全で入院するリスクが2倍以上高いことを明らかにしました。 加えて,特に高齢者や治療開始前に高血圧,心房細動,心不全,慢性腎臓病といった疾患がある患者さんでは,より心不全入院のリスクが高い可能性が示されました。
今回の発見は,オシメルチニブによる薬物治療を受ける患者さんの心臓の状態を,これまで以上に注意して見守る必要があることを示しています。これにより,副作用の早期発見・予防につながり,患者さんがより安全に治療を受けられるようになることが期待されます。
この研究成果は9月12日,米国心臓病学会機関誌 「JACC: CardioOncology」(Q1,Impact Factor 12.8)に掲載されました。

*詳細はこちらをご覧ください。

肺がん治療薬オシメルチニブによる心不全入院リスクを大規模データで検証―国内12万人規模のデータ解析で有意なリスク上昇を確認―

2025/09/25お知らせ

エレベーター乗り降りができる検体搬送ロボットの稼働を開始しました

岡山大学病院では医療従事者の負担軽減や業務の効率化を目指す取り組みとして,9月25日から検体搬送ロボット「GAEMI(ゲミ)」の稼働を開始しました。1階の救急外来と2階・3階の検査室を往復し,血液や尿などの検体を搬送します(経路は下図参照)。ロボットは音楽を鳴らして居場所を知らせながら走行しますが,人や物を感知すると自動で停止し,音声で知らせます。
導入前にはテスト走行を繰り返し,安全性や誤動作がないか等について確認したり,改善点を共有してアップデートを行ってきました。テスト走行の結果,現場の職員からは「検体搬送にかかる人手を削減できた」「検体搬送を依頼しないければならないストレスから解放され,患者対応に集中できる」などメリットの声が多く聞かれました。
搬送ロボットはすでに多くの医療機関や飲食店などの施設で導入されていますが,自走でエレベーターの乗り降りができ,インターフォンなどのボタンを押したりドアをノックできる機能(アーム)がついているのは珍しく,異なるフロアへの移動が可能なため活用範囲が広がります。

現在は,外来患者さんが多い時間帯を避けて平日夜間(午後4時半~翌日午前8時15分)と休診日の終日(24時間)のみの稼働ですが,救急患者さんが増えてスタッフの人手が必要になる時間帯でもあるのでとても助かっています。★万が一,接触した場合や危険な場面に遭遇した場合などは職員にお声がけください。

公式インスタグラムに動画あり。



【本件問い合わせ】
岡山大学病院 総務企画課
TEL086-235-6749
 

エレベーター乗り降りができる検体搬送ロボットの稼働を開始しました

2025/09/24プレスリリース

令和7年度 AMED「医学系研究支援プログラム」に採択

国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学,国立大学法人 岡山大学,学校法人順天堂 順天堂大学が共同で提案した「豊かな人生を育む多世代共生・健康社会を目指す医学研究者育成プログラム」が,令和7年度 文部科学省・日本医療研究開発機構(AMED)「医学系研究支援プログラム」【特色型】に採択されました。
本プログラムは少子・超高齢社会という我が国の喫緊の課題に対し,すべての人が健康に活動できる社会基盤の構築を目指します。関東,中部,中国・四国でそれぞれ中核的な医療・医学研究を担ってきた3大学が,それぞれの強みを活かして協働し,若手医学研究者が萌芽的・挑戦的な研究に専念できる環境を抜本的に整備します。経験豊富な研究者と臨床医が一体となって若手をサポートする新たな体制を構築し,日本の医学研究や産学連携の未来を切り拓くロールモデルとなることを目指します。

*詳細はこちらをご覧ください。

2025/09/19イベント

10月25日(土)中国・四国広域がんプロ養成コンソーシアム市民公開講座『遺伝とがんの話〜若いうちに知っておきたいがん予防~』開催のお知らせ

タイトル:中国・四国広域がんプロ養成コンソーシアム市民公開講座
      『遺伝とがんの話〜若いうちに知っておきたいがん予防~』

日時:2025年10月25日(土)14:00~16:30
場所:三木記念ホール ※オンラインで同時配信(ハイブリット開催)
対象:どなたでもご参加いただけます。
参加費:無料

プログラム
■ミニ講座1:知っておいてほしい「AYAがんの人々が子どもを持つこと」
■ミニ講座2:遺伝とがんのこと
■メッセージ 会場:当事者の方から
      オンライン:遺伝性腫瘍症候群と診断されたら~当事者さんの経験を紡ぐ~
■トークセッション
■相談カフェ

《申込方法》
申込フォームより必要事項をご入力ください。
オンライン参加の方には開催前に視聴用URLをお送りいたします。
https://forms.gle/RMpt45srwobfzSCv7

《申込み締切》
10月20日(月)

《お問合せ先》
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科等学務課
中四がんプロ事務局 市民公開講座係
Tel:086-235-7812 Fax:086-235-7045
E-mail:chushiganpro@gmail.com



10月25日(土)中国・四国広域がんプロ養成コンソーシアム市民公開講座『遺伝とがんの話〜若いうちに知っておきたいがん予防~』開催のお知らせ

2025/09/18お知らせ

消化器外科学の藤原俊義教授(消化管外科診療科長)が「第30回松岡良明賞」を受賞しました

岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)消化器外科学の藤原俊義教授(岡山大学病院 消化管外科診療科長)が,山陽新聞社会事業団より,がん撲滅に功績のあった個人・団体をたたえる「第30回松岡良明賞」を受賞しました。表彰式は9月8日,山陽新聞社で行われ,山陽新聞社社会事業団の桑原功理事長から表彰状と賞金が授与されました。表彰式には,山陽新聞社より松田正巳代表取締役会長,山陽新聞社会事業団より江見肇専務理事らも出席し,藤原教授の功績を顕彰しました。
藤原教授は,がん細胞だけを攻撃するウイルス製剤「テロメライシン」を開発し,医療現場での実用化に向けた研究を進めてきました。今年中には食道がん治療薬として薬事承認申請を予定しており,手術や抗がん剤治療が難しい患者さんへの新たな治療選択肢として期待されています。藤原教授は「今回の受賞を大きな励みとし,今後も研究を続けていきたいです。現在,次世代のウイルス製剤の開発も進めています。がん患者さんにとって光となり希望となることを心から望んでいます」とコメントしました。
今後は,本学学術研究院医歯薬学域(医)消化器外科学の黒田新士准教授を研究代表者として,すい臓がん治療を目指した次世代ウイルス製剤の臨床試験も開始する予定です。

【本件問い合わせ】
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
岡山大学病院 消化管外科
TEL086-235-7257

(写真右から)松田代表取締役会長,藤原教授,桑原理事長,江見専務理事
(写真右から)松田代表取締役会長,藤原教授,桑原理事長,江見専務理事

2025/09/17プレスリリース

コロナ後遺症の診断における酸化ストレスマーカーの有用性

岡山大学学術研究院医療開発領域(岡山大学病院総合内科・総合診療科)の大塚勇輝助教(特任)と同大学病院総合内科・総合診療科の櫻田泰江医員,同大学大学院医歯薬学総合研究科博士課程(総合内科学)の目瀬修大学院生,同大学学術研究院医歯薬学域(医)総合内科学の大塚文男教授らのグループは,山口大学大学院医学系研究科基礎検査学講座の野島順三教授らとの共同研究において,2024年5月~11月に岡山大学病院のコロナ・アフターケア外来(コロナ後遺症外来)を受診したオミクロン株期の感染による患者77人(女性41人・男性36人:中央値44歳)を対象に,血清中の酸化ストレスマーカー((血清d-ROM(酸化ストレスの強さを示す指標),BAP(抗酸化力を示す指標),OSI(酸化ストレスと抗酸化力のバランスを示す指標))を測定しました。
その結果,後遺症患者では健康な人と比べて酸化ストレスの程度が高く,それに対抗する抗酸化力が低下していることが分かり,診断指標としての有用性が示されました。後遺症患者のうち,女性は男性よりも酸化ストレスが高く,年齢・肥満の程度,一部の炎症マーカーと相関していました。また,甲状腺ホルモンや副腎皮質ホルモンとの関連も示唆され,後遺症の複雑な病態の一端が示されました。症状ごとの解析では,特に思考力や集中力の低下を訴える「ブレインフォグ」症状を持つ女性の後遺症患者において,酸化ストレスの程度が高く,これらが後遺症のバイオマーカーの1つとして有用であることが明らかになりました。
この研究成果は2025年8月30日付で国際学術雑誌「Antioxidants」に掲載されました。

*詳細はこちらをご覧ください。
 

コロナ後遺症患者における酸化ストレスマーカーの性別,年齢,BMIによる特徴
コロナ後遺症患者における酸化ストレスマーカーの性別,年齢,BMIによる特徴

2025/09/16採用情報

看護助手(週29時間,週20時間,週18時間)の募集要項掲載のお知らせ

看護助手(週29時間,週20時間,週18時間)の募集要項を掲載しました。
*詳細はこちらをご覧ください。

2025/09/10プレスリリース

線維芽細胞が心不全を引き起こす? ―非心筋細胞の意外な役割と新たな治療標的の発見―

岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)循環器内科学の湯浅慎介教授,東京大学大学院医学系研究科先端循環器医科学講座の小室仁日本学術振興会特別研究員,慶應義塾大学医学部内科学教室(循環器)の家田真樹教授および国際医療福祉大学の小室一成教授らは,心不全の進行に“心臓の線維芽細胞”が深く関与する新たな仕組みを明らかにしました。
研究チームは,心不全モデルマウスを用いた解析により,これまで「構造を支持しているだけの細胞」と考えられていた線維芽細胞が,c-MYCというタンパク質を介してCXCL1という分子を分泌し,心筋細胞のCXCR2という受容体を介して心不全を増悪させることを発見しました。さらに,このc-MYC-CXCL1-CXCR2経路の働きをブロックすることで心不全の悪化を防げることも示され,心不全の新たな原因解明とともに,非心筋細胞を標的とする新しい治療法の可能性が示唆されました。本研究成果は基礎研究段階ですが,ヒト心不全患者でも同様のメカニズムが確認されており,今後の臨床応用が期待されます。
本成果は,2025年9月10日,国際学術誌「Nature Cardiovascular Research」に掲載されました。

*詳細はこちらをご覧ください。

線維芽細胞が心不全を引き起こす? ―非心筋細胞の意外な役割と新たな治療標的の発見―

2025/09/08イベント

9月28日(日)岡山大学病院 乳がん治療・再建センター 市民公開講座 開催のお知らせ

乳がんは女性に最も多いがんの一つですが,正しい知識と適切なケアによって,治療後も自分らしい生活を続けることができます。
今回の市民公開講座では,乳がんに関わるさまざまな側面の中で,下記のテーマに関して専門家がわかりやすく解説し,皆さまの日常に役立つ情報をお届けします。
 

  • 知っておきたい乳がん検診豆知識
  • がん治療におけるアピアランスケア
  • 乳がん術後に日常生活への復帰を支援するリハビリテーション
乳がんは「早く見つけること」「正しく治療すること」「安心して生活に戻ること」がとても大切です。この講座が,ご自身やご家族の健康を守る第一歩となれば幸いです。
皆さまのお越しを心よりお待ちしております。
 
―開催概要―
 
【日時】2025年9月28日(日)13:30~16:00
【会場】杜の街グレースオフィススクエア3階会議室(E/F)(岡山市北区下石井2-10)
【内容】
 講演1:「知っておきたい乳がん検診豆知識」 <30分>
 岡山大学病院 乳腺・内分泌外科 講師 高橋 侑子先生

 講演2: 「がん治療におけるアピアランスケア」 <30分>
 岡山大学病院 形成再建外科 教授 高成 啓介先生

 講演3:「乳がん術後に日常生活への復帰を支援するリハビリテーション」 <30分>
 岡山大学病院 総合リハビリテーション部 小川 香苗先生
 
【参加費】無料・どなたでもご参加いただけます
【問い合わせ先】岡山大学病院 乳がん治療・再建センター  TEL:086-235-7265



 

9月28日(日)岡山大学病院 乳がん治療・再建センター 市民公開講座 開催のお知らせ

2025/09/01お知らせ

大塚文男教授(総合内科・総合診療科)が日本下垂体研究会学術賞「吉村賞」を受賞

岡山大学学術研究院 医歯薬学域(医)総合内科学の大塚文男教授(総合内科・総合診療科)が,脳下垂体や内分泌の研究で顕著な成果をあげた研究者に贈られる 「吉村賞」を受賞しました。表彰は,8月22日に愛知県蒲郡市で開催された第39回日本下垂体研究会学術集会で行われました。
吉村賞は,下垂体を中心とした基礎内分泌学の分野において,研究の進歩・発展に大きく貢献した研究者をたたえるものです。今年で24回目を迎え,岡山大学からは2006年に理学部の高橋純夫名誉教授が受賞して以来,2人目となります。
大塚教授はこれまで,成長因子である骨形成蛋白やホルモンの日内リズムに着目し,視床下部-下垂体-性腺・副腎軸といった体内の重要な内分泌システムを調節する機序について,継続的に研究してきました。これらの知見が高く評価され,今回の受賞につながりました。
表彰式では,学会長の大蔵 聡先生(名古屋大学教授)から賞状が授与され,大塚教授は,「このような栄誉ある賞をいただき,大変光栄に思います。私たちが行ってきた基礎研究は,患者さんの診療から生まれた疑問点を起点として継続してきました。生体のホルモン調節の仕組みを理解し,さまざまな疾患の病態解明や治療法の開発に繋げるために,今後もさらに研究を発展させるとともに,若手研究者がこの分野に挑戦できる環境づくりにも努めていきたい」と受賞の喜びを語りました。
 
■日本下垂体研究会■
日本下垂体研究会は日本学術会議協力学術研究団体で,脳下垂体に関する研究の進歩向上を目指し,会員相互の学術交流を図ることを目的としています。その前身である「下垂体研究者の集い」は1976年に発足しており,半世紀近くの歴史がある研究会です。会員は下垂体ならびにその関連分野の研究者で広く内分泌学の基礎研究に携わる者で農学,理学,水産,薬学,医学などの広い分野の研究者によって構成されています。年1回の学術集会およびその他の集会の開催などを通して活動の輪を広げています。

【本件問い合わせ先】
岡山大学病院 総合内科・総合診療科
TEL:086-235-7342

吉村賞を受賞した大塚教授(右)。大蔵会長から賞状と盾が授与された
吉村賞を受賞した大塚教授(右)。大蔵会長から賞状と盾が授与された

2025/08/22プレスリリース

救命の一歩を軽くする 全自動型AEDがもたらす変化

AEDには,救助者がボタンを押す「半自動型」と,機械が自動でショックを行う「全自動型」の2種類があります。「全自動型」は2021年から日本で導入され,公共施設で広がりつつありますが,まだ一般市民にはなじみが薄く,非医療者である一般市民が使う際の使用感や心理的負担を比較した調査はありませんでした。
岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)地域二次救急・災害医療推進講座の野島剛講師(特任)と同学域救命救急・災害医学の中尾篤典教授らの研究グループは,国内初となる両タイプの使いやすさ比較調査を実施。その成果は国際医学誌『Internal Medicine』に掲載されました。

*詳細はこちらをご覧ください。

コースで使用したトレーニング用AED(引用:日本光電株式会社)。[A]半自動型(従来型)AED(TRN-3100),[B]全自動型AED(TRN-3150),[C]全自動型AEDを示すロゴマーク(引用:一般社団法人電子情報技術産業協(JEITA))
コースで使用したトレーニング用AED(引用:日本光電株式会社)。[A]半自動型(従来型)AED(TRN-3100),[B]全自動型AED(TRN-3150),[C]全自動型AEDを示すロゴマーク(引用:一般社団法人電子情報技術産業協(JEITA))

2025/08/20お知らせ

腸健康科学研究センターの萩谷英大准教授(感染症内科)と今村大輔准教授がインド国立細菌感染症研究研究所を訪問

岡山大学腸健康科学研究センターの萩谷英大准教授(岡山大学病院 感染症内科)と今村大輔准教授は,7月10~11日にインド・西ベンガル州・コルカタ市の国立細菌感染症研究研究所および隣接する病院施設を訪問しました。
訪問では,コルカタで感染者が多く報告されるコレラ菌における薬剤耐性化をテーマとした研究の立案や日本では診療することのない熱帯感染症を学ぶための定期的な医学研修制度の提案を行いました。また,現地のスラム街や市中薬局を巡り,薬剤耐性菌が蔓延する背景を視察しました。さらに,在コルカタ日本国総領事公邸の夕食会に参加し,本学がインドで展開している研究活動を紹介しました。
当センターでは,今後も腸とヒトの健康増進に貢献することを目指し,研究を進めていきます。

【本件問い合わせ先】
腸健康科学研究センター/岡山大学病院感染症内科 准教授
萩谷 英大
TEL:086-235-7342

国立細菌感染症研究所にて
国立細菌感染症研究所にて

2025/08/19お知らせ

クラウドファンディングプロジェクト公開「メタバースを用いた小児・AYAがん患者交流支援プロジェクト」ご支援のお願い

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科医療情報化診療支援技術開発講座では,このたび,クラウドファンディング「メタバースを用いた小児・AYAがん患者交流支援プロジェクト」を開始しました。
骨肉腫をはじめとする希少がんは,小児・AYA(思春期・若年成人)世代に好発しますが,患者数が少ないため,入院中に同じ病気や境遇にある同世代の仲間と出会う機会がほとんどありません。その結果,多くの患者さんが長期にわたる治療期間中,深い孤独感を抱えながら闘病生活を送っています。
この状況を少しでも改善したいとの思いから,私たちはメタバース(仮想現実空間)を活用し,全国の病院に入院している患者さんたちが,場所や身体的な制約,あるいは治療による外見の変化などを気にすることなく,アバターを通じて気軽に交流し,悩みや経験を共有できるオンライン上のコミュニティ作りを進めています。この仮想空間は,患者さん同士の交流だけでなく,がんサバイバーとの対話や医療者による情報提供の場としても活用し,患者さんの精神的な負担軽減(メンタルケア)やウェルビーイング向上につなげることを目指しています。
現在,岡山大学病院をはじめ,全国の主要ながん治療病院20施設からご協力を得て運用を進めていますが(下図),この活動を今後さらに安定的に継続・発展させ,より多くの患者さんにこの“つながり”を届けるためには,メタバース環境の維持・開発、各施設での利用機材の整備,交流イベントの企画運営などに資金が必要な状況です。今回は,参加施設を新たに20施設増やすことを目指し,配布するタブレットと,VRゴーグルの購入などの経費として456万円を目標としています。

本プロジェクトの趣旨にご賛同いただき,クラウドファンディングプラットフォーム「READYFOR」を通じて,温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。


        現在の運用中の施設一覧

●プロジェクト概要●
[プロジェクト名]メタバースを用いた小児・AYAがん患者交流支援プロジェクト
[公開ページ]https://readyfor.jp/projects/okayama-metaverse
       もしくは「READYFOR代表ページ」からの検索も可
[募集期間]2025年8月1日~2025年10月30日

※本クラウドファンディングによる岡山大学へのご寄付は,税制上の優遇措置(寄付金控除)の対象となります。いわゆる「ふるさと納税」と同じシステムであり,ご寄付いただいた方には,後日,岡山大学より「寄付金控除証明書」を発行いたします。
 
【本件問い合わせ】
岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)医療情報化診療支援技術開発講座(岡山大学整形外科内)
担当: 長谷井 嬢
TEL:086-235-7273
E-mail:py3g9rcw@s.okayama-u.ac.jp
 

昨年実施したメタバースを用いたクリスマスの交流会の様子
昨年実施したメタバースを用いたクリスマスの交流会の様子

2025/08/18お知らせ

「令和7年度大藤内分泌医学賞」授賞式を行いました

令和7年8月8日に,令和7年度大藤内分泌医学賞授賞式を開催しました。
本医学賞は,元学長・医学部長の大藤眞氏のご遺族の意志に基づき,学術研究院医歯薬学域(医学系),大学院医歯薬学総合研究科(医学系),医学部及び大学病院(医学系)において視床下部・下垂体の内分泌学に関する医学研究を行う若手の研究者・医師・大学院生に対して与える賞であり,表彰状の授与及び研究費の助成を行っています。
受賞者は2名で,大学院医歯薬学総合研究科の成瀬恵治研究科長より賞状が授与され,「内分泌分野の発展のため,今後もより一層研究に励んでいただきたい」との激励のことばが贈られました。
 
【令和7年度受賞者】
■大塚 勇輝(総合内科・総合診療科 助教)
「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)における下垂体内分泌機能の新たな評価指標と治療応用」

■大矢芳男(精神科神経科 医員)
「神経性やせ症に対するコルチゾール阻害を介した新規治療法探索と腸内代謝の解明」

右から,成瀬恵治医歯薬学総合研究科長,大塚勇輝助教(受賞者・総合内科・総合診療科),大矢芳男医員(受賞者・精神科神経科),髙木学教授,大塚文男教授(大藤内分泌医学賞運営委員会委員長)

【本件問い合わせ】
岡山大学病院 研究推進課
TEL086-235-7982

「令和7年度大藤内分泌医学賞」授賞式を行いました

2025/08/13採用情報

理学療法士(特別契約職員 2名)の募集要項掲載のお知らせ

理学療法士(特別契約職員 2名)の募集要項を掲載しました。
*詳細はこちらをご覧ください。

2025/07/30プレスリリース

オミクロン株期のコロナ後遺症診療~半数以上で180日以上の長期通院が必要~

岡山大学病院 総合内科・総合診療科の櫻田泰江医員と,岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 総合内科学の秋山博史大学院生,岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)総合内科学の大塚文男教授らのグループは,岡山大学病院のコロナ・アフターケア外来(コロナ後遺症外来)を受診した患者の通院期間を検討し,症状の長期化に関わる臨床的な特徴についての研究を行いました。その結果,半数以上(52.2%)が初診から数えて半年(180日)以上の長期通院を必要としていること,また長期通院を要した患者では訴える症状の数も多く,特に男性より女性の方が多いことが分かりました。女性であること,また3つ以上の多くの症状を持っていることがコロナ後遺症の長期化につながると明らかになり,継続的な診療をすることの重要性が再認識されました。
この研究成果は2025年7月11日,国際学術雑誌「Journal of Clinical Medicine」に掲載されました。

*詳細はこちらをご覧ください。

コロナ後遺症患者の外来通院期間とその割合
コロナ後遺症患者の外来通院期間とその割合

2025/07/29採用情報

救急救命士(特別契約職員 2名)の募集要項掲載のお知らせ

救急救命士(特別契約職員 2名)の募集要項を掲載しました。
*詳細はこちらをご覧ください。

2025/07/25プレスリリース

岡山大学「BIZENエコシステム」スタートアップ支援でAMED事業に採択~医療×産業で世界へ挑む,イノベーション拠点形成~

岡山大学学術研究院医療開発領域 新医療研究開発センターの櫻井淳教授,および同センター次世代医療機器開発部の内田大輔准教授らが中心となり推進する「BIZENエコシステム構築による産業振興拠点形成」が,令和7年6月20日付で,国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による令和6年度「優れた医療機器の創出に係る産業振興拠点強化事業(スタートアップ支援拠点)」に採択されました。
本事業では,岡山大学独自のオープンイノベーションプログラム「BIZEN」を核に,医療機器開発からスタートアップ創出,そしてグローバル展開までを一貫して支援する体制の構築を目指します。プロジェクトの特性に応じた適切なマネジメントを通じて,岡山から世界を舞台に飛躍するスタートアップの育成を図り,地域産業の活性化にもつなげていきます。

*詳細はこちらをご覧ください。

2025/07/25プレスリリース

消化器内科・佐藤亮介医員がAMED「令和7年度医療機器等研究成果展開事業 チャレンジタイプ」に採択

岡山大学病院消化器内科の佐藤亮介医員を代表とする研究グループの研究開発課題「人工知能による胆道内視鏡画像診断システムの開発」が,国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和7年度「医療機器等研究成果展開事業 チャレンジタイプ」に採択されました。
本研究は,佐藤医員と岡山大学学術研究院医療開発領域・光学医療診療部の松本和幸講師,岡山大学学術研究院医療開発領域・新医療研究開発センターの内田大輔准教授が,研究開発分担者である株式会社両備システムズの冨谷昌弘(サブリーダー)らと共同で,予後不良である胆道がんの診断精度を飛躍的に向上させることを目指すものです。AI技術を用いて,これまで診断が困難であった胆道がんの悪性度や進展範囲をより正確に評価する新しい診断システムを開発し,根治手術率の向上と患者の予後改善に貢献することが期待されます。

*詳細はこちらをご覧ください。

2025/07/25お知らせ

内閣府地方創生推進事務局審議官らが岡山大学病院を視察

7月23日,デジタル技術と規制改革を通じて地域課題の解決を図る「デジタル田園健康特区」に指定されている吉備中央町との連携事業を展開する岡山大学病院に,内閣府地方創生推進事務局(国家戦略特区担当)の小山和久審議官をはじめ,松平健輔参事官,深井駿参事官補佐らが視察に訪れました。

*詳細はこちらをご覧ください。

取り組み内容の説明を聞く関係者
取り組み内容の説明を聞く関係者

2025/07/22プレスリリース

子どもを救う“ひと息”が減っている!?~コロナ禍で蘇生時の人工呼吸が敬遠,小児の救命に影響~

岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)地域救急・災害医療学講座の小原隆史講師(特任),同学域救命救急・災害医学の内藤宏道准教授,中尾篤典教授,および学術研究院医療開発領域(岡山大学病院)高度救命救急センターの塚原紘平講師(小児救急科長)らの研究グループは,学術研究院医歯薬学域(医)疫学・衛生学分野の松本尚美助教,賴藤貴志教授らと共同で「All-Japan Utstein Registry」(総務省消防庁)を用いて,コロナ流行前(2017-2019)とコロナ禍(2020-2021)の期間において,小児の院外心停止患者に対する目撃者による蘇生法の変化が,死亡などの転帰に与えた影響を調査しました。その結果,もともと減少傾向にあった人工呼吸の実施率は,コロナの流行をきっかけにさらに約12%も低下していることが判明しました。一方で,増加した胸骨圧迫のみの蘇生法は,子どもの死亡や重い後遺症のリスクと関係しており,コロナ禍には年間10.7人の子どもが,本来助けられたはずの命を失っていた可能性が示されました。
本研究成果は7月5日,オランダ Elsevier社の『Resuscitation』に掲載されました。

*プレスリリースの詳細はこちらをご覧ください。

子どもを救う“ひと息”が減っている!?~コロナ禍で蘇生時の人工呼吸が敬遠,小児の救命に影響~

2025/07/17お知らせ

消化器外科学の藤原俊義教授(消化管外科診療科長)が「小林がん学術賞」を受賞しました

岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)消化器外科学の藤原俊義教授(岡山大学病院 消化管外科診療科長)が,公益財団法人小林がん学術振興会「小林がん学術賞」(がん薬物療法に関する革新的治療法に対する表彰)を受賞しました。
6月21日,厚生労働省がん・疾病対策課の鶴田真也課長らが出席して経団連会館(東京都大手町)で贈呈式が行われ,公益財団法人小林がん学術振興会の垣添忠生会長より表彰状と盾が授与されました。藤原教授は受賞にあたり「これまでの研究が評価され大変光栄です。がんで苦しむ患者さんのために,今後も革新的な治療法の研究開発を進めていきたい」と語りました。
同賞は,がん薬物療法に関する革新的な治療法の研究・開発に対して贈られるもので,藤原教授は研究課題名「遺伝子改変ウイルス製剤を用いた革新的ながん治療のための創薬研究」において,アデノウイルスを改変した腫瘍融解ウイルス療法の開発を黎明期からリードし,国際的にも優れた評価を受けていること,さらに,テロメラーゼ特異的腫瘍融解ウイルス製剤や次世代型武装化アデノウイルス製剤を開発し臨床応用に至るなど,長年にわたる創薬研究の業績は顕著であることが評価されました。

公益財団法人 小林がん学術振興会
がん薬物療法に関する革新的研究に対する助成及び表彰並びに先駆的研究に対する助成,がん治療分野における優れた社会活動に対する表彰及び最新の学術情報の普及啓発を通じた人材育成活動に対する助成を行うことにより,当該分野の学術及び科学技術の振興を図り,もってがん治療成績の向上及び進展に寄与することを目的としています。

【本件問い合わせ】
岡山大学病院 消化管外科
TEL 086-235-7257
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
岡山大学病院 消化管外科
 

垣添会長から表彰状を受ける藤原教授(左)
垣添会長から表彰状を受ける藤原教授(左)

2025/07/16イベント

7月24日(木)第18回BIZEN活動発信会のお知らせ

2025年7月24日(木) “BIZEN”の活動発信会 『BIZEN ラボから…活動発信!』の開催をお知らせいたします。
病院でのオープンイノベーション活動にご興味・ご関心のある,もしくは入会・入居をご検討されている企業様,研究者様それに学生の皆様へ BIZENと関わりのある情報を共有することにより,イノベーションの種を広げることを目的とし,開催いたします。
今回は,BIZENラボを拠点にご活躍されておられる方々の活動発信の今期第二弾として,岡山大学名誉教授の四方賢一先生と 株式会社Medswellの木村郁哉先生にご講演いただきます。
皆様のご参加をお待ちいたしております。

第18回 BIZEN活動発信会 『BIZEN ラボから…活動発信!』
◆開催日時:2025年7月24日(木) 17:00~18:00
◆場 所:岡山大学病院 鹿田会館 2階 BIZENフリースペース および オンライン
 申込URL より登録いただいた後,指定のメールアドレスに ZOOM アドレスをお送りします。
◆対象者  企業関係者,研究者,医療従事者,学生
◆主催   岡山大学病院 新医療研究開発センター
◆申込 URL  https://forms.gle/b4DLyiH9VajDKreF9
◆申込期限  2025年7月21日 (月)

 《プログラム》
 17:05~17:25
 活動発信講演「特定臨床研修による糖尿病性腎症治療薬の新たなエビデンスの創出」
 岡山大学 名誉教授・特命教授  四方 賢一
 
  17:30~18:00
 活動発信講演「薬剤師・薬学部向けアプリを全国へ展開する戦略と反省」
 株式会社 Medswell 代表取締役 木村 郁哉 
 

<お問い合わせ>
岡山大学病院 研究推進課 BIZEN運営事務局(担当:工藤)
〒700-8558 岡山市北区鹿田町2-5-1  
TEL:086-235-7983
E-mail: byouin-kensui@adm.okayama-u.ac.jp

7月24日(木)第18回BIZEN活動発信会のお知らせ