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2025/11/21イベント

12月5日(金)岡山大学名誉博士称号授与記念講演会のご案内

エッスル財団創設者 Martin Essl 氏への岡山大学名誉博士称号授与を記念し,称号授与式および記念講演を開催します。
記念講演1では,Essl 氏が「Zero Project」を立ち上げた背景,その発展の経緯,目指す目的,世界での運営体制,さらに岡山との関わりや今後の展望について紹介します。
記念講演2では,岡山大学学術研究院医療開発領域(岡山大学病院 聴覚支援センター)の片岡祐子准教授が,「Designing Tech Solutions for People with Hearing Loss(難聴者のコミュニケーションバリア解消に向けた開発)」をテーマに講演します。
学生・教職員のみならず,地域の皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

<Zero Projectとは?>
Zero Project は,オーストリアに本部を置くエッスル財団が2008年に開始した国際プロジェクト。「ゼロバリア(障壁のない世界)」を合言葉に,障がいのある方々の課題解決や生活向上につながる取り組みを支援しています。毎年,オーストリア・ウィーンの国連事務所で国際会議を開催し,世界各国の先進的な取り組みを紹介するとともに,「ゼロ・プロジェクト・アワード」の表彰を行っています。
 
●岡山大学名誉博士称号授与記念講演会●
日時:令和7年12月5日(金)14:00~15:00
会場:岡山大学 鹿田キャンパス内 Junko Fukutake Hall(岡山市北区鹿田町2-5-1)
参加費:無料
言語:日本語
※事前申し込み不要

 《プログラム》
第1部 14:00〜14:15 名誉博士称号授与式
第2部 14:20〜 記念講演1
     14:40〜 記念講演2

【本件問い合わせ】
岡山大学企画部国際企画課,グローバルエンゲージメントセンター
E-mail:ougeo@adm.okayama-u.ac.jp
TEL:086-251-7036

12月5日(金)岡山大学名誉博士称号授与記念講演会のご案内

2025/11/21お知らせ

重症新生児を救う迅速ゲノム診断-日本最大規模のNICU連携体制を岡山大学が牽引

重症新生児の約1割は遺伝性疾患を背景に発症するとされ,原因が不明のまま急速に病状が悪化するケースも少なくありません。これらの疾患は種類が数千に及ぶ一方で,症状が「活気がない」「哺乳が進まない」など非特異的で,従来の検査のみでは診断が困難でした。
こうした課題に対し,岡山大学の武内俊樹教授らの研究グループは,ゲノム解析を用いた迅速診断の医療実装に取り組んでいます。
武内教授は,2019〜2023年度に実施された新生児ゲノム診断研究において,診断に苦慮する新生児467例に解析を行い,51%で遺伝学的診断を確定しました。そのうち55%はゲノム診断が治療方針の変更や救命につながる可能性が高い疾患であることが明らかになっています。
実際に,ビタミン輸送に関わる遺伝子(SLC5A6)の変異が原因で重篤な貧血・心機能低下を起こしていた乳児に対し,遺伝子診断を契機としてビオチンとパントテン酸の大量投与を早期に開始した結果,劇的に改善した症例も報告されています。ご家族が「原因が早く分かり,治療に結びついたことで笑顔が増えた」と語るように,迅速診断は臨床現場と家庭に大きな安心をもたらしています。
これらの成果は国内外でも注目されており,2023年8月には第6回日本医療研究開発大賞(AMED理事長賞)を受賞しました。
さらに,2024年度からは「重症新生児に対する迅速なゲノム診断の医療実装に関する研究開発」を主導し,岡山大学が全国的な研究拠点として新たに役割を担っています。
とりわけ特筆すべきは,全国のNICUと連携した162施設(わが国の全NICU病床の56%)に及ぶ大規模解析ネットワークの構築です。専門医が都市部に偏在するなか,遠隔遺伝カウンセリングの仕組みを導入し,「日本のどこで生まれた重症新生児にもゲノム診断を届ける」体制づくりを進めています。この取り組みは,地域医療格差の是正にも大きく貢献するものです。
新聞各紙(2025年3月11日,7月29日,10月7日,11月13日)でも,本研究は「ゲノム分析で迅速治療」「新技術で診断が可能に」「希少疾患AIで早期診断」などの見出しで紹介され,臨床ゲノム医療を切り開く次世代医療モデルとして広く注目されています。
武内教授は今後,解析のさらなる高速化,ネットワーク拡大,臨床現場での運用プロトコルの確立を進め,重症新生児の迅速診断を日本の標準医療として根付かせることを目指しています。本学は,ゲノム医療研究の司令塔として,引き続き新生児・小児医療の質向上に貢献していきます。

【本件問い合わせ先】
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 小児発達病因病態学分野
岡山大学病院 小児神経科
教授 武内 俊樹
TEL:086-235-7372
Email:toshiki.take@okayama-u.ac.jp

重症新生児を救う迅速ゲノム診断-日本最大規模のNICU連携体制を岡山大学が牽引

2025/11/21イベント

医療安全推進週間 関連イベントを開催/11月25日(火)~28日(金)

11月25日(いい医療に向かってGO)を含む1週間は,厚生労働省が定める「医療安全推進週間」です。当院でも,11月25~28日を医療安全推進週間として,下記のとおり院内で推進イベントを開催します。

日 時:11月25日(火)~28日(金)
※11月25日は,鹿田遺跡マスコットキャラクター「しかたん」,岡山県マスコット「ももっち」「うらっち」,岡山市イメージキャラクター「ミコロ」「ハコロ」,日本看護協会「看護の日」キャラクター「かんごちゃん」,美作学園公式マスコット「ミマッパちゃん」,美作大学マスコットキャラクター「ミマダイン」,献血キャラクター「けんけつちゃん」が参加し,病院玄関周辺で患者さんたちをお出迎えします(各キャラクターの参加は午前10時~11:30ごろまで)。

場 所:岡山大学病院 外来棟1階
内 容:医療安全推進ポスター展示,鹿田遺跡埋蔵物・しかたんの紹介

昨年のイベントに参加したゆるキャラたちと医療安全管理部職員
昨年のイベントに参加したゆるキャラたちと医療安全管理部職員

2025/11/17イベント

11月28日(金)第19回BIZEN活動発信会のお知らせ

岡山大学“BIZEN”(Business Innovation Zone for Entrepreneurship)の第19回活動発信会開催のお知らせです。
病院でのオープンイノベーション活動にご興味・ご関心のある,もしくは入会・入居をご検討されている企業様,研究者様,また学生の皆様へ,BIZENと関わりのある情報を共有することにより,イノベーションの種を広げることを目的とし,開催いたします。
今回は,海外展開支援という視点から,株式会社キャンパスクリエイトの近藤百合様と岡山大学病院准教授の内田大輔先生にご講演いただきます。
皆さまのご参加をお待ちしております。

第19回 BIZEN活動発信会 『BIZEN ラボから…活動発信!』
◆開催日時:2025年11月28日(金) 17:00~18:00
◆場 所:岡山大学病院 鹿田会館 2階 BIZENフリースペース および オンライン
      申込URLより登録いただいた後,指定のメールアドレスにZOOMアドレスをお送りします。
◆対象者  企業関係者,研究者,医療従事者,学生
◆主催   岡山大学病院 新医療研究開発センター
◆申込URL  https://forms.gle/cHusCqVZ9VRWiRmW6
◆申込期限  2025年11月25日(火)

 《プログラム》
17:05~17:25
講演「産学連携の知を,国際共創の力へ~日本とASEANを結ぶ双方向型イノベーションハブへの挑戦」
株式会社キャンパスクリエイト 技術移転部 産学官連携コーディネータ  近藤 百合 

17:30~17:45
講演「世界へ羽ばたく医療イノベーション~岡山大学の伴走型グローバル展開支援」
岡山大学 学術研究院医療開発領域 新医療研究開発センター 次世代医療機器開発部長  内田 大輔(消化器内科医師)

17:50~18:00
ディスカッション「医療機器開発において,大学に求められる役割」
近藤 百合  内田 大輔  仙石 喜也(岡山大学病院 新医療研究開発センター 次世代医療機器開発部 シニアリサーチマネージャー)

<お問い合わせ>
岡山大学病院 研究推進課 BIZEN運営事務局(担当:工藤)
〒700-8558 岡山市北区鹿田町2-5-1  
TEL:086-235-7983
E-mail: byouin-kensui@adm.okayama-u.ac.jp

11月28日(金)第19回BIZEN活動発信会のお知らせ

2025/11/14お知らせ

冨樫庸介教授(呼吸器内科長)が日本医師会医学研究奨励賞を受賞

岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)の冨樫庸介教授(岡山大学病院 呼吸器内科長)が,日本医師会医学研究奨励賞を受賞しました。この賞は,日本医師会会員で,医学上将来性に富む研究を行っている研究者に授与されるものです。受賞テーマは「ミトコンドリア伝播の難治性肺疾患への影響の解明」で,授賞式は11月1日に執り行われました。

<冨樫教授のコメント>
このたびは栄えある賞をいただき大変光栄です。日本医師会の方々に加えて,多くの共同研究者の先生方や研究費のおかげで研究をできており,併せて深謝申し上げます。今回の受賞も励みに,将来の医療の発展のために研究を進めてまいりたい所存です。

【本件問い合わせ先】
学術研究院医歯薬学域(医)腫瘍微小環境学分野
岡山大学病院呼吸器・アレルギー内科
教授 冨樫 庸介
TEL:086-235-7390
腫瘍微小環境学分野 HP
血液・腫瘍・呼吸器・アレルギー内科 HP(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科)

冨樫庸介教授(呼吸器内科長)が日本医師会医学研究奨励賞を受賞

2025/11/11お知らせ

岡山市北消防署でドクターカーとの救助訓練を実施しました

11月8日,岡山市北消防署屋内訓練室において,岡山大学病院ドクターカーとの合同による救助事故想定訓練を実施しました。本訓練は,2024年3月に発生した岡山駅前再開発地区での事故を教訓に企画されたものです。
今回の訓練では,足場の崩落事故を想定し,複数の作業員が転落や挟まれなどにより負傷したという設定で実施しました。参加者は,岡山市北消防署の指揮隊,救助隊,救急隊など約22名,岡山大学病院からは医師,看護師,救急救命士に加え,多くの学生が参加し,総勢約40名規模の訓練となりました。
訓練は,北消防署屋内訓練室の4階を「地下現場」,6階を「地上」と設定し,救急隊の現場到着からドクターカー到着までを実践的な時系列で進行しました。6名の傷病者を設定し,トリアージの実施,搬送優先順位や搬送先の選定,処置などについて,ドクターカーチームと救急隊が連携して救助活動を行いました。
本訓練の目的は,消防隊と医療チームの連携をさらに強化し,現場での迅速かつ的確な判断力を高め,適切な医療処置を提供できる体制を確立することにあります。
今後も継続的な訓練を重ねることで,一人でも多くの命を救えるよう,技術の向上と関係機関との協力体制のさらなる充実に努めてまいります。

【本件問い合わせ】
岡山大学病院 総務企画課
TEL086-235-6749

参加者が集合し記念撮影
参加者が集合し記念撮影

2025/11/11お知らせ

横浜市会健康福祉・医療委員会が岡山大学病院を視察

10月31日,デジタル技術と規制改革を通じて地域課題の解決を図る「デジタル田園健康特区」に指定されている吉備中央町との連携事業を展開する岡山大学病院に,横浜市会健康福祉・医療委員会(望月康弘委員長)の委員らが視察に訪れました。
吉備中央町が推進する地域医療の変革モデルに対し,岡山大学病院は深く関与しており,当日は那須保友学長のほか,櫻井淳デジタル田園健康特区担当副病院長をはじめとする岡山大学病院関係者が,吉備中央町関係者らとともに対応しました。
はじめに,那須学長より歓迎のあいさつがあり,デジタル田園健康特区に関する取り組みとして,吉備中央町企画課の安延直樹主幹から「誰一人取り残さないエンゲージメント・コミュニティの創生」について,構想の経緯と取り組み状況を説明しました。次に,吉備中央町の救急DXに携わるバーズ・ビュー株式会社の夏井淳一代表取締役社長兼CEOが「救急DXへの取組み」について,学術研究院医歯薬学域地域医療DX推進講座の上田浩平助教が,岡山大学病院で実証調査を行った「救急救命士における病院前超音波検査」について,これまでの経過と今後の課題を説明しました。続いて,櫻井副病院長より「岡山県内での医療DX推進に向けた状況」について説明がありました。
横浜市会健康福祉・医療委員会の委員から,救急医療現場におけるデジタルデバイスやAIの利活用とその将来展望に関する質問があり,中山間地域や大都市圏に必要な医療DXについて活発な意見交換が交わされました。
その後,上田助教の案内のもと,ドクターカーを見学。現場における実践的な取り組みに対する理解を深めました。
岡山大学は,長期ビジョン2050「地域と地球の未来を共創し,世界の革新に寄与する研究大学」の実現を目指し,研究・教育・医療のあらゆる現場で多様なステークホルダーと連携したイノベーション創出を強力に推進しています。
デジタル田園健康特区での取り組みも,「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」とのシナジーを最大限に生かし,地域に根付いたCommunity healthの実現に向けて,全学を挙げて強力に推進しています。引き続き,地域と地球の未来を共創し,社会変革を実現させる研究大学:岡山大学の取り組みと挑戦にご期待ください。

【本件問い合わせ先】
岡山大学病院 新医療研究開発センター
TEL:086-235-6504

あいさつをする那須学長
あいさつをする那須学長

2025/11/11お知らせ

岡山大学病院で「絵描き 海太郎展」を開始しました

岡山大学病院は総合診療棟1階において,11月8日より新たな院内展示として「絵描き 海太郎展」を開始しました。昨年展示した国吉康雄の実寸大模写作品に続く企画で,岡山大学大学院教育学研究科「国吉康雄記念・美術教育研究と地域創生講座」(以下,国吉講座)が企画・制作を行いました。
今回の展示では,岡山を拠点に活動するアーティスト・海太郎氏による,生命力あふれる筆致と豊かな色彩が印象的な作品群を紹介しています。海太郎氏は,人物や動物,自然を独自の視点で描き出し,観る人の心に温かさと力強さを届ける作風で知られています。本展では,描くことの喜びや生命へのまなざしをテーマとした代表作を中心に構成し,病院を訪れる患者さんやご家族,職員が日々の中でアートに触れ,心安らぐひとときを過ごせる空間を目指しました。
本展示の開催にあたっては,海太郎氏ご本人をはじめ,ご家族の皆さまにも多大なご協力をいただきました。作品の提供や展示構成へのご理解・ご支援に心より感謝申し上げます。温かなご厚意により,病院を訪れる多くの方々がアートを通して癒やしと希望を感じられる場が実現しました。
岡山大学病院では,ホスピタルアートの導入をはじめ,院内外から寄付された絵画や職員・学生による作品展示などを通じて,アートを取り入れた環境づくりに積極的に取り組んでいます。本展示も,国吉講座の才士真司准教授,伊藤駿助教,ならびに自主ゼミナールの有志学生スタッフの協力により実現しました。
今後も,岡山大学5D Lab.,附属図書館,当院を巡回する形で,定期的に展示替えを行う予定です。展示を通して,アートがもたらす癒やしと創造の力を多くの方々に感じていただければ幸いです。
岡山大学病院は,今後もアートの持つ力を取り入れながら,患者さんに優しい環境づくり,優れた医療人の育成と医療の発展に貢献してまいります。
 


国吉講座の教員と同講座受講生有志で
作品を設置

動物や自然を描いたカラフルな色彩が
特徴の作品たち
 

【本件問い合わせ】
岡山大学病院 総務企画課
TEL 086-235-6749

総合診療棟1階で展示を開始した「絵描き 海太郎展」
総合診療棟1階で展示を開始した「絵描き 海太郎展」

2025/11/11イベント

11月17日(月)特別講演会「世界初の異種移植について学ぼう!ブタから人への異種腎移植」開催のお知らせ

ハーバード大学医学部外科教授の河合達郎先生をお招きし,【異種移植の最前線】ブタから人への異種腎移植についての特別講演会を開催します。どなたでもお気軽にご参加ください。
 

―開催概要―
日  時:2025年11月17日(月)19:00~20:00
場  所:鹿田会館2階講堂(岡山大学鹿田キャンパス内)
対  象:ご興味のある方どなたでも
参加費 :無料
申込み:不要
問合せ:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 腎泌尿器科学分野
      TEL086-235-7287

11月17日(月)特別講演会「世界初の異種移植について学ぼう!ブタから人への異種腎移植」開催のお知らせ

2025/11/05プレスリリース

高齢者に対するロボット支援膵切除術の安全性を報告

岡山大学病院は,藤田医科大学と協力して,多施設共同研究を行ってきました。今回,岡山大学学術研究院医療開発領域(岡山大学病院)所属の,肝・胆・膵外科の高木弘誠講師,藤田医科大学病院肝胆膵外科の髙原武志教授らのグループは,高齢者に対するロボット支援膵切除術の安全性と有効性を検証しました。これらの研究成果は9月17日,欧州のがん関連研究学術誌「Cancers」に掲載されました。
高齢化社会に伴い,近年,肝胆膵外科領域でも高齢の患者さんが増加しています。膵臓手術は手術での侵襲が大きいため,基礎疾患の多い高齢者に対する手術適応は慎重に判断する必要があります。2020年4月から2024年12月の間に,岡山大学病院と藤田医科大学病院で実施したロボット支援膵切除術を受けた380人の患者のうち,59人(15.5%)が80歳以上の高齢者でした。高齢者は基礎疾患,悪性疾患が多く,非高齢者(79歳以下)と比較して術後の入院期間は長かったものの,合併症の発生頻度は同等でした。
本研究成果は,合併症の少ない低侵襲手術であるロボット支援手術の高齢者に対する安全性と有効性を示しました。今後,さらなる高齢者に対する治療成績の改善に役立つことが期待されます。

*詳細はこちらをご覧ください。

2025/11/04プレスリリース

光駆動プロトンポンプで体内のがん腫瘍を消去することに成功~がん治療に光を!~

岡山大学学術研究院医歯薬学域(薬)の須藤雄気教授,小島慧一講師,大学院医歯薬学総合研究科博士課程4年(薬学系)の中尾新大学院生,学術研究院医歯薬学域(医)の冨樫庸介教授,大内淑代教授,佐藤恵太助教,岡山大学病院(脳神経外科)の劒持直也医員の共同研究グループは,光に反応して細胞内をアルカリ化させるタンパク質を利用し,マウス体内に存在するがん腫瘍を選択的に光で死滅させることに成功しました。
これまで,がん細胞を死滅させる治療法としては主に薬剤が用いられてきました。しかし多くの薬剤は,がん細胞だけでなく周囲の正常な細胞にも作用してしまい,副作用が避けられないという課題があります。今回開発された「光がん治療法」は,特定の細胞にだけ作用することが可能であり,将来的にはヒトのがんに応用することで,がん細胞のみを選択的に除去できる,副作用の少ない新しい光がん治療法の実現が期待されます。
本研究成果は,アメリカ化学会誌「Journal of the American Chemical Society」電子版(現地時間(米国東部標準時):11月4日9:00,日本時間:同日22:00)に掲載されました。

*詳細はこちらをご覧ください。

(A)くすりを用いた細胞死滅法。(B)光を使った細胞死滅法。
(A)くすりを用いた細胞死滅法。(B)光を使った細胞死滅法。

2025/10/31お知らせ

「広報誌 move on」(Vol.32)を発行しました

「広報誌 move on」(Vol.32)を発行しました。
こちらからご覧いただけます。

「広報誌 move on」(Vol.32)を発行しました

2025/10/30プレスリリース

膀胱三角部は尿意の感覚中枢だった~頻尿,夜間頻尿,切迫性尿失禁や膀胱痛の原因解明に一歩前進~

岡山大学学術研究院医療開発領域(岡山大学病院 腎泌尿器科)の定平卓也研究准教授,同領域(岡山大学病院 新医療研究開発センター)の渡部昌実教授らの研究グループは,膀胱三角部(膀胱の出口側に位置する三角形領域)が単なる構造物ではなく,感覚情報の集約拠点として機能していることを文献的に考察し,発表しました。本研究は,膀胱三角部の神経構造・分子発現・臨床的意義を総合的に整理したレビューであり,2025年10月19日,米国誌「Cureus」に掲載されました。
膀胱三角部には,伸展や化学刺激に反応する感覚神経が高密度に存在し、ATP(アデノシン三リン酸)や神経ペプチドを介して尿意や痛みを中枢に伝達しています。さらに,機械刺激受容体PIEZO2,プリン受容体P2X3,カプサイシン受容体TRPV1の発現が高く,過活動膀胱や間質性膀胱炎などの疾患で過敏化することも分かっています。これらが過活動膀胱や間質性膀胱炎における異常な尿意や痛みの発生に深く関与していることが示唆されました。さらに同領域の神経は,炎症や加齢によって可塑的変化を示し,慢性的な過敏化へつながることも報告されています。臨床的には,この膀胱三角部に発現する受容体等を標的とする薬剤,すなわちボツリヌストキシンなどが過剰に興奮した感覚神経を抑制し,一連の症状を軽減する可能性が示唆されています。

*詳細はこちらをご覧ください。

2025/10/28プレスリリース

国産手術支援用ロボットhinotori(ヒノトリ)を用いた岡山県内初の消化器がん手術を成功~将来的に遠隔手術による地域医療支援にも期待~

岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)消化器外科学・藤原俊義教授と黒田新士准教授を中心とする手術チームは,2025年10月上旬,岡山県内で初となる国産手術支援用ロボットhinotoriTMを用いた胃がん手術を成功させました。消化器がんに対する手術としては県内初となります。岡山大学病院におけるhinotoriTMを使用した胃がん手術は,シスメックス株式会社との共同研究として,その安全性と有用性を検証することを目的として行っています。
hinotoriTMは,日本国内で多くのシェアを占める米国産の手術支援用ロボットであるダヴィンチとその基本仕様は類似しており,より日本の外科医と医療現場に即した開発が進められている機種です。患者さんの体壁にかかる負担が軽くなるような設計になっており,手術後の痛みが軽くなることが期待されています。また,hinotoriTMは遠隔手術に向けた開発も行われており,外科医不足に悩む地域医療支援にも期待が持たれている医療技術です。
岡山大学病院は,地域の中核病院として,より質の高い外科医療を地域・都会関係なく,ひとりでも多くの患者さんにお届けできるよう尽力します。

*詳細はこちらをご覧ください。

10月上旬にヒノトリを用いて岡山大学病院で行われた手術の様子
10月上旬にヒノトリを用いて岡山大学病院で行われた手術の様子

2025/10/27お知らせ

株式会社第一エンタープライズ様からご寄付を賜りました

岡山大学病院は,株式会社第一エンタープライズ様より,岡山大学病院の「想い虹」基金へのご寄付を賜りました。これに伴い,9月24日,学⻑室において形⼭舜⽌郎代表取締役と奥様のほか,関係の皆さまご臨席のもと,目録の贈呈式を執り行いました。
贈呈式では,形山様から「中四国の基幹病院として医療を支えてほしい」とのお言葉をいただきました。那須保友学長からは,岡山大学病院への,2020年4月の新型コロナウイルス感染症対策へのご寄付に続くご支援に対し感謝の意を表しました。また,前田嘉信病院長からは,ご期待に沿うようご寄付は移植医療をはじめとする先進的な医療の推進,すべての患者さんが安心して安全な治療を受けることのできる療養環境の実現,ならびに医療従事環境の整備に役立たせることをお伝えしました。
岡山大学病院は,今後も患者さんのため,医学の発展のため,そして社会のために,職員一丸となって全力で取り組んでいきます。

【本件お問い合わせ先】
岡山大学病院 研究推進課研究支援・推進グループ総務担当
TEL:086-235-7982
Eメール:kensui-soumu(at)adm.okayama-u.ac.jp
※ (at) は @ に置き換えて送信してください。

(左から)形山ご夫妻,那須学長,前田病院長
(左から)形山ご夫妻,那須学長,前田病院長

2025/10/27お知らせ

岡山大学で開発した針穿刺ロボットの研究が,プレジデントオンラインで紹介されました

岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)放射線医学の平木隆夫教授(岡山大学病院放射線科),学術研究院環境生命自然科学学域(工) の亀川哲志教授,松野隆幸教授,学術研究院医療開発領域新医療研究開発センター(岡山大学病院)の櫻井淳教授らのグループが開発した針穿刺ロボットが,プレジデントオンラインで紹介されました。

*詳細はこちら(外部サイトに遷移)をご覧ください。

2025/10/23お知らせ

タマサート大学医学部との国際連携に向けた意見交換を実施

9月9日,本学学術研究院医療開発領域 新医療研究開発センター(岡山大学病院)の内田大輔准教授(特任)をはじめとする訪問団が,タイ王国のタマサート大学医学部を訪問し,医療機器の研究開発における国際連携の可能性について意見交換を行いました。
タマサート大学は1934年に設立されたタイを代表する国立大学であり,医学部では国際的な研究・教育活動に積極的に取り組んでいます。今回の訪問では,研究・イノベーション担当副学部長のThipaporn Tharavanij教授をはじめとする教員から,同大学における研究や技術革新の取り組みが紹介されました。
本学からは,BIZENプログラムや医療機器開発に関する活動を紹介しました。また,参加企業からはAIを活用した診断支援システムなどの先端医療技術が紹介され,技術協力の可能性について活発な議論が交わされました。記念品の交換や集合写真の撮影も行い,両大学の友好と信頼をさらに深める貴重な機会となりました。
本訪問は,令和6年度「優れた医療機器の創出に係る産業振興拠点強化事業」の一環として,国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもと,オルバヘルスケアホールディングス株式会社およびタイオルバヘルスケア株式会社の協力により実現しました。
今後は,共同研究や技術協力の具体的なテーマの検討,学術交流プログラムの展開,医療機器開発やデジタルヘルス分野でのさらなる連携が期待されます。

【本件問い合わせ先】
岡山大学病院 新医療研究開発センター 次世代医療機器開発部
岡山大学 研究・イノベーション共創機構 医療系本部
TEL:086-235-6979, 7697
BIZEN ホームページ

BIZENプログラム紹介の様子(内田准教授)
BIZENプログラム紹介の様子(内田准教授)

2025/10/20プレスリリース

切除可能な膵臓がんに対する術前化学療法で長期生存率が向上

岡山大学病院では,肝・胆・膵外科と消化器内科が連携して膵臓がん治療の合同プロトコールを作成し,これまで集学的治療を行ってきました。今回,岡山大学学術研究院医療開発領域(岡山大学病院)所属の,肝・胆・膵外科の高木弘誠講師,臓器移植医療センター(肝・胆・膵外科)の安井和也助教(特任),光学医療診療部(消化器内科)の松本和幸講師らのグループは,切除可能な膵臓がんに対する術前化学療法(GS療法)の安全性と有効性を検証しました。
これらの研究成果は10月10日,欧州のがん関連研究学術誌「Cancers」に掲載されました。
術前化学療法群では全例が外科切除に臨むことができ,2年全生存率は術前化学療法群で83%,従来の治療法である手術先行群では61%であり,術前化学療法の導入で有意に予後を改善しました。また予後に関連する事項として,「術前化学療法の導入,病理学的リンパ節転移の有無,術後補助療法の完遂」の3つの因子が確認できました。
本研究成果は切除可能膵臓がんに対する術前化学療法の有効性を示したのみならず,合併症の少ない安全な手術と術後補助化学療法の実施の重要性も示しました。今後,さらなる膵臓がん治療成績の改善に役立つことが期待されます。

*詳細はこちらをご覧ください。

切除可能な膵臓がんに対する術前化学療法で長期生存率が向上

2025/10/16プレスリリース

歯周病が血糖値の日内変動を乱す!~糖尿病や糖尿病合併症の病態に悪影響を及ぼす可能性を実証~

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯周病態学分野の高盛萌可大学院生,同大学学術研究院医歯薬学域(歯)歯周病態学分野の大森一弘准教授,高柴正悟教授,同大学学術研究院医歯薬学域(医)腎・免疫・内分泌代謝内科学分野の和田淳教授らの研究グループは,口腔疾患である歯周病の進行が糖尿病の病態に関与する血糖値の日内変動を悪化させることを,持続型血糖測定(Continuous Glucose Monitoring:CGM)センサーを装着した歯周病マウスモデルを用いて実証しました。本研究成果は2025年10月6日付で国際学術誌Scientific Reportsに掲載されました。
糖尿病患者さんにおける血糖値の管理には,従来,血液検査であるHbA1cや空腹時血糖値等が用いられています。しかし,最近は,CGMを用いた血糖管理が主流となってきており,糖尿病合併症のリスクを下げる上でも血糖値の日内変動を管理することが重要となってきています。
今回の研究成果は,口(くち)の病気である歯周病が血糖値の日内変動を質的に悪化させるメカニズムの一端を解明するものであり,従来から進められている糖尿病医療における医科歯科連携の重要性をさらに後押しする重要なエビデンスとなります。

*詳細はこちらをご覧ください。

CGMセンサーを装着した歯周病マウスモデルにおいて,歯周病の進行とともに血糖値の日内変動が乱れる(1日の平均血糖値の上昇,TARの亢進)
CGMセンサーを装着した歯周病マウスモデルにおいて,歯周病の進行とともに血糖値の日内変動が乱れる(1日の平均血糖値の上昇,TARの亢進)

2025/10/16プレスリリース

不妊と歯周病が関連する!~不妊原因としての歯周病原細菌感染の可能性~

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯周病態学分野の永田千晶客員研究員,同大学学術研究院医歯薬学域(歯)歯周病態学分野の大森一弘准教授,高柴正悟教授,三宅医院・不妊治療-生殖医療センター(岡山市南区)の三宅貴仁院長らの研究グループは,不妊治療中の患者さんは,歯周病原細菌の一つであるPorphyromonas gingivalis(Pg菌)の感染度が高いこと,そしてPg菌を感染させた歯周病マウスモデルを用いた動物実験において,雌性マウスの子宮に異常(肥大化)が生じて,出生数の減少,胎児の低体重化といった悪影響が出ることを世界で初めて確認しました。本研究成果は2025年10月7日付で国際学術誌Scientific Reportsに掲載されました。
今回の研究成果は,口の病気である歯周病が,これまでに報告されていた早産・低体重児出産だけではなく,不妊環境の構築にも関与する可能性を示唆するものです。少子化が進む現代社会において,不妊治療の成功率を高めていくことが望まれます。そして,不妊治療の成功だけではなく,授かった新たな命が無事誕生することも重要です。そのためにも,口(くち)の環境を妊娠活動または不妊治療開始前までに整えることが重要であることをあらためて提案するものです。

*詳細はこちらをご覧ください。

不妊治療患者群では歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalisに対するIgG抗体価が上昇している。(A)全体での解析,(B)年齢で分けた解析,(C)不妊期間で分けた解析
不妊治療患者群では歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalisに対するIgG抗体価が上昇している。(A)全体での解析,(B)年齢で分けた解析,(C)不妊期間で分けた解析

2025/10/16お知らせ

院内でのマスク着用について(10月20日~)

岡山大学病院では,新型コロナウイルス感染対策の一環として,院内でのマスク着用をお願いしてまいりましたが,2025年10月20日より,医療スタッフを含め,マスク着用は個人の判断に委ねることといたします。
ただし,次のような場合には,感染拡大防止のため,マスクの着用をお願いいたします。

  • 咳やくしゃみなどの感冒症状がある方
  • 医療スタッフからマスク着用をお願いした場合
  • インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症流行期
引き続き,皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。
岡山大学病院 感染制御部

2025/10/14プレスリリース

先天性心疾患の原因解明に挑む!岡山大学病院がクラウドファンディングを開始~未来の子どもたちの命を守るための全ゲノム解析プロジェクト~

岡山大学病院心臓血管外科(科長・教授:笠原真悟)は,「先天性心疾患の原因解明と未来の医療への貢献」を目的としたクラウドファンディングを開始しました。先天性心疾患は約100人に1人が発症する生まれつきの心臓病であり,重症例では複数回の手術や生涯にわたる医療的支援が必要となります。国内では治療技術の進歩により成人患者が増加し,現在では50万人を超えると推定されています。本プロジェクトでは,患者さんから提供いただいた検体をもとに,全ゲノムシークエンス解析を行い,疾患に関連する可能性のある遺伝子の特定を目指します。これにより,原因不明の疾患の理解を深め,将来的な治療法開発や予防医療への応用が期待されます。
寄付金は解析費用のほか,クラウドファンディングに伴う諸経費や返礼品の制作・発送費用に充てられます。クラウドファンディングは「All in方式」で実施され,寄付総額に応じて解析対象検体数を決定します。

<プロジェクトの概要>
【募集期間】2025年10月6日(月)9時 ~ 12月19日(金)23時
【寄付の方法】 https://readyfor.jp/projects/okayamaCVS
         クレジットカード、銀行振込、コンビニ支払いに対応。
【使用目的】全ゲノムシークエンス解析費用,関連経費(返礼品制作・発送含む)
【寄付の取扱い】寄付は国立大学法人岡山大学への寄付となり,税制上の優遇措置の対象となります。領収書は2026年4月ごろに発送予定,寄付日は岡山大学への入金日(2026年2月10日ごろ)となります。

*詳細はこちらをご覧ください。

2025/10/10お知らせ

救急医療への支援が評価され,カンボジア・バッタンバン州保健局から感謝状をいただきました

2021年から「JICA草の根事業 カンボジア救急医療支援事業」に技術専門家として本院の看護師が参加しています。カンボジア・バッタンバン州において,現地医療従事者による医療教育システムの構築を目標に,インストラクターの養成や医療従事者の知識・技術の向上に取り組んできました。これまでに延べ1500人の医療従事者を対象に,BLS(一時救命処置)や外傷初期診療などの講義を実施しています。また,現地のインストラクター候補者を本院で実習生として受け入れ,日本の救急医療の現場を見学・研修していただきました。
これらの活動が高く評価され,バッタンバン州保健局より感謝状が授与されました。10月8日には,入院棟西3階EICUの三橋乙矢看護師らが前田嘉信病院長を訪問し,活動内容と感謝状授与について報告しました。

★当院での実習およびカンボジアでの活動の様子などは,公式インスタグラムでも紹介しています。
 


病院長へ報告する三橋看護師(右から2人目)ら

現地インストラクター候補者が当院で実習。ドクターカーの前で記念撮影
 

当院・救命救急科の医師による講義

当院・産科婦人科の医師による講義
 

カンボジアでの活動の様子

現地で医療従事者らと記念撮影


【本件問い合わせ】
岡山大学病院 総務企画課
TEL086-235-6749

救急医療への支援が評価され,カンボジア・バッタンバン州保健局から感謝状をいただきました

2025/10/06プレスリリース

肺がん治療薬オシメルチニブによる心不全入院リスクを大規模データで検証―国内12万人規模のデータ解析で有意なリスク上昇を確認―

岡山大学病院薬剤部の建部泰尚薬剤師,田中雄太副薬剤部長,岡山大学学術研究院医療開発領域薬剤部の座間味義人教授(岡山大学病院 薬剤部長)らの研究グループは,日本の大規模医療データベースに含まれる肺がん患者約12万人分のデータを解析し,EGFR変異陽性の非小細胞肺がんの治療薬である 「オシメルチニブ」を使用する患者さんでは,他の治療薬を使う患者さんと比較して心不全で入院するリスクが2倍以上高いことを明らかにしました。 加えて,特に高齢者や治療開始前に高血圧,心房細動,心不全,慢性腎臓病といった疾患がある患者さんでは,より心不全入院のリスクが高い可能性が示されました。
今回の発見は,オシメルチニブによる薬物治療を受ける患者さんの心臓の状態を,これまで以上に注意して見守る必要があることを示しています。これにより,副作用の早期発見・予防につながり,患者さんがより安全に治療を受けられるようになることが期待されます。
この研究成果は9月12日,米国心臓病学会機関誌 「JACC: CardioOncology」(Q1,Impact Factor 12.8)に掲載されました。

*詳細はこちらをご覧ください。

肺がん治療薬オシメルチニブによる心不全入院リスクを大規模データで検証―国内12万人規模のデータ解析で有意なリスク上昇を確認―

2025/09/25お知らせ

エレベーター乗り降りができる検体搬送ロボットの稼働を開始しました

岡山大学病院では医療従事者の負担軽減や業務の効率化を目指す取り組みとして,9月25日から検体搬送ロボット「GAEMI(ゲミ)」の稼働を開始しました。1階の救急外来と2階・3階の検査室を往復し,血液や尿などの検体を搬送します(経路は下図参照)。ロボットは音楽を鳴らして居場所を知らせながら走行しますが,人や物を感知すると自動で停止し,音声で知らせます。
導入前にはテスト走行を繰り返し,安全性や誤動作がないか等について確認したり,改善点を共有してアップデートを行ってきました。テスト走行の結果,現場の職員からは「検体搬送にかかる人手を削減できた」「検体搬送を依頼しないければならないストレスから解放され,患者対応に集中できる」などメリットの声が多く聞かれました。
搬送ロボットはすでに多くの医療機関や飲食店などの施設で導入されていますが,自走でエレベーターの乗り降りができ,インターフォンなどのボタンを押したりドアをノックできる機能(アーム)がついているのは珍しく,異なるフロアへの移動が可能なため活用範囲が広がります。

現在は,外来患者さんが多い時間帯を避けて平日夜間(午後4時半~翌日午前8時15分)と休診日の終日(24時間)のみの稼働ですが,救急患者さんが増えてスタッフの人手が必要になる時間帯でもあるのでとても助かっています。★万が一,接触した場合や危険な場面に遭遇した場合などは職員にお声がけください。

公式インスタグラムに動画あり。



【本件問い合わせ】
岡山大学病院 総務企画課
TEL086-235-6749
 

エレベーター乗り降りができる検体搬送ロボットの稼働を開始しました

2025/09/24プレスリリース

令和7年度 AMED「医学系研究支援プログラム」に採択

国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学,国立大学法人 岡山大学,学校法人順天堂 順天堂大学が共同で提案した「豊かな人生を育む多世代共生・健康社会を目指す医学研究者育成プログラム」が,令和7年度 文部科学省・日本医療研究開発機構(AMED)「医学系研究支援プログラム」【特色型】に採択されました。
本プログラムは少子・超高齢社会という我が国の喫緊の課題に対し,すべての人が健康に活動できる社会基盤の構築を目指します。関東,中部,中国・四国でそれぞれ中核的な医療・医学研究を担ってきた3大学が,それぞれの強みを活かして協働し,若手医学研究者が萌芽的・挑戦的な研究に専念できる環境を抜本的に整備します。経験豊富な研究者と臨床医が一体となって若手をサポートする新たな体制を構築し,日本の医学研究や産学連携の未来を切り拓くロールモデルとなることを目指します。

*詳細はこちらをご覧ください。

2025/09/19イベント

10月25日(土)中国・四国広域がんプロ養成コンソーシアム市民公開講座『遺伝とがんの話〜若いうちに知っておきたいがん予防~』開催のお知らせ

タイトル:中国・四国広域がんプロ養成コンソーシアム市民公開講座
      『遺伝とがんの話〜若いうちに知っておきたいがん予防~』

日時:2025年10月25日(土)14:00~16:30
場所:三木記念ホール ※オンラインで同時配信(ハイブリット開催)
対象:どなたでもご参加いただけます。
参加費:無料

プログラム
■ミニ講座1:知っておいてほしい「AYAがんの人々が子どもを持つこと」
■ミニ講座2:遺伝とがんのこと
■メッセージ 会場:当事者の方から
      オンライン:遺伝性腫瘍症候群と診断されたら~当事者さんの経験を紡ぐ~
■トークセッション
■相談カフェ

《申込方法》
申込フォームより必要事項をご入力ください。
オンライン参加の方には開催前に視聴用URLをお送りいたします。
https://forms.gle/RMpt45srwobfzSCv7

《申込み締切》
10月20日(月)

《お問合せ先》
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科等学務課
中四がんプロ事務局 市民公開講座係
Tel:086-235-7812 Fax:086-235-7045
E-mail:chushiganpro@gmail.com



10月25日(土)中国・四国広域がんプロ養成コンソーシアム市民公開講座『遺伝とがんの話〜若いうちに知っておきたいがん予防~』開催のお知らせ

2025/09/18お知らせ

消化器外科学の藤原俊義教授(消化管外科診療科長)が「第30回松岡良明賞」を受賞しました

岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)消化器外科学の藤原俊義教授(岡山大学病院 消化管外科診療科長)が,山陽新聞社会事業団より,がん撲滅に功績のあった個人・団体をたたえる「第30回松岡良明賞」を受賞しました。表彰式は9月8日,山陽新聞社で行われ,山陽新聞社社会事業団の桑原功理事長から表彰状と賞金が授与されました。表彰式には,山陽新聞社より松田正巳代表取締役会長,山陽新聞社会事業団より江見肇専務理事らも出席し,藤原教授の功績を顕彰しました。
藤原教授は,がん細胞だけを攻撃するウイルス製剤「テロメライシン」を開発し,医療現場での実用化に向けた研究を進めてきました。今年中には食道がん治療薬として薬事承認申請を予定しており,手術や抗がん剤治療が難しい患者さんへの新たな治療選択肢として期待されています。藤原教授は「今回の受賞を大きな励みとし,今後も研究を続けていきたいです。現在,次世代のウイルス製剤の開発も進めています。がん患者さんにとって光となり希望となることを心から望んでいます」とコメントしました。
今後は,本学学術研究院医歯薬学域(医)消化器外科学の黒田新士准教授を研究代表者として,すい臓がん治療を目指した次世代ウイルス製剤の臨床試験も開始する予定です。

【本件問い合わせ】
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
岡山大学病院 消化管外科
TEL086-235-7257

(写真右から)松田代表取締役会長,藤原教授,桑原理事長,江見専務理事
(写真右から)松田代表取締役会長,藤原教授,桑原理事長,江見専務理事

2025/09/17プレスリリース

コロナ後遺症の診断における酸化ストレスマーカーの有用性

岡山大学学術研究院医療開発領域(岡山大学病院総合内科・総合診療科)の大塚勇輝助教(特任)と同大学病院総合内科・総合診療科の櫻田泰江医員,同大学大学院医歯薬学総合研究科博士課程(総合内科学)の目瀬修大学院生,同大学学術研究院医歯薬学域(医)総合内科学の大塚文男教授らのグループは,山口大学大学院医学系研究科基礎検査学講座の野島順三教授らとの共同研究において,2024年5月~11月に岡山大学病院のコロナ・アフターケア外来(コロナ後遺症外来)を受診したオミクロン株期の感染による患者77人(女性41人・男性36人:中央値44歳)を対象に,血清中の酸化ストレスマーカー((血清d-ROM(酸化ストレスの強さを示す指標),BAP(抗酸化力を示す指標),OSI(酸化ストレスと抗酸化力のバランスを示す指標))を測定しました。
その結果,後遺症患者では健康な人と比べて酸化ストレスの程度が高く,それに対抗する抗酸化力が低下していることが分かり,診断指標としての有用性が示されました。後遺症患者のうち,女性は男性よりも酸化ストレスが高く,年齢・肥満の程度,一部の炎症マーカーと相関していました。また,甲状腺ホルモンや副腎皮質ホルモンとの関連も示唆され,後遺症の複雑な病態の一端が示されました。症状ごとの解析では,特に思考力や集中力の低下を訴える「ブレインフォグ」症状を持つ女性の後遺症患者において,酸化ストレスの程度が高く,これらが後遺症のバイオマーカーの1つとして有用であることが明らかになりました。
この研究成果は2025年8月30日付で国際学術雑誌「Antioxidants」に掲載されました。

*詳細はこちらをご覧ください。
 

コロナ後遺症患者における酸化ストレスマーカーの性別,年齢,BMIによる特徴
コロナ後遺症患者における酸化ストレスマーカーの性別,年齢,BMIによる特徴

2025/09/16採用情報

看護助手(週29時間,週20時間,週18時間)の募集要項掲載のお知らせ

看護助手(週29時間,週20時間,週18時間)の募集要項を掲載しました。
*詳細はこちらをご覧ください。