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2020/06/25 お知らせ

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(Hereditary breast and ovarian cancer syndrome: HBOC)の保険診療を開始しました

2020年4月より遺伝性乳がん卵巣がん症候群(Hereditary breast and ovarian cancer syndrome: HBOC)診療の一部が保険適用となりました。岡山大学病院では従来より複数の診療科・部門が一体となってHBOCの診療に力を入れてきましたが,このたび厚生労働省からHBOC保険診療施設としての認定を受けました。

保険診療について
今回の保険適用では,現在または過去に乳がんまたは卵巣がんにかかった方(既発症者)が対象となります。
① 以下のいずれかに当てはまる方に対しては,HBOCの原因遺伝子であるBRCA1またはBRCA2BRCA1/2)遺伝学的検査が保険適用になります。
  ・45歳以下で乳がんを発症された方
  ・60歳以下でトリプルネガティブ乳がんを発症された方
  ・2個以上の乳がんを発症された方
  ・第3度近親者内(曾祖父母,大おじ,大おば,いとこまでの血縁者)に乳がんまたは卵巣がんを発症された方が1名以上いる方
  ・乳がんを発症された男性
  ・卵巣がん,卵管がんおよび腹膜がんを発症された方
② 乳がんを発症された方のうち,HBOCと診断された方に対する卵巣・卵管の摘出(リスク低減卵管卵巣摘出術:risk-reducing salpingo-oophorectomy: RRSO)およびがんを発症した乳房と反対側の乳房の切除(リスク低減乳房切除術contralateral risk-reducing mastectomy:CRRM)
③ 卵巣がんの患者さんのうち,HBOCと診断された方に対する両側リスク低減乳房切除術(bilateral risk-reducing mastectomy:BRRM)
④ HBOCと診断された方に対するキメの細かい定期的な観察(サーベイランス)

がんに(かか)っていない方に対するHBOC診療も行っています
乳がんまたは卵巣がんに罹っていない方(未発症者)は現時点で保険適用となっておりませんが,当院では今まで通り自由診療として複数の診療科や部門が一丸となって取り組んで参ります。

岡山大学病院以外の病院においてHBOCといわれた方の遺伝カウンセリングも受け付けています
岡山大学病院以外の病院において,乳がんや卵巣がんの治療薬選択のために BRCA1/2 遺伝学的検査(コンパニオン診断)を受けてHBOCであるといわれた方などについても,当院受診歴の有無を問わず受け付けています。かかりつけの病院の主治医にお伝えいただくか,当院臨床遺伝子診療科でご予約(TEL086-223-7151《代表》)ください。


2020年4月に医科外来診療棟2階に臨床遺伝子診療科の診療スペースを開設しました。落ち着いた環境で遺伝に関する相談を受けられるようになりました

 【参考:臨床遺伝子医療学HP 遺伝性乳がん卵巣がん症候群に関する情報サイト
 
岡山大学病院
臨床遺伝子診療科