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2026/09/07 プレスリリース

「心肺蘇生はしないで」が救急現場で叶わない―全国調査でみえた,本人の最期の希望と救急医療のギャップ―

「人生の最期に、心肺蘇生はしないでほしい」—。がんの終末期や老衰などで人生の最終段階を迎えた方の中には,心臓が止まった際に心肺蘇生を受けないことを,本人や家族があらかじめ希望している場合があります。ところが,実際に心停止となって119番通報されると,救急隊は原則として心肺蘇生を続けながら病院へ搬送します。救急現場で本人の意思を確認し,心肺蘇生を中止するための全国共通の仕組みがないためです。
岡山大学医学部の田邉綾客員研究員(救命救急・災害医学)らの研究グループは,全国791の消防本部と,救急活動の医学的な質を管理するメディカルコントロール協議会を対象に,救急隊が心肺蘇生を中止できる「手順」がどこまで整備され,実際に機能しているのかを全国で初めて調査しました。その結果,手順を整備している消防本部は約半数にとどまり,整備していても半数以上の消防本部では1年間に一度も使われていませんでした。そして,心肺蘇生を望まない意思が示された事例の約7割は,心肺蘇生を続けたまま病院へ搬送されていました。
見えてきたのは,「ルールがない」ことに加え,「ルールがあっても現場で使われていない」というもう一つの課題です。本人の「最期の願い」を社会として受け止めるためには,ルールを作るだけでなく,救急隊や医師,介護施設,家族が迷わず使える仕組みにしていくことが求められます。
本研究成果は2026年9月1日,国際医学誌『Resuscitation Plus』にオンライン掲載されました。

*詳細はこちらをご覧ください。
「心肺蘇生はしないで」が救急現場で叶わない―全国調査でみえた,本人の最期の希望と救急医療のギャップ―